この記事をまとめると
■アラフォー&アラフィフ世代のカーライフの特徴を紹介



■体力面や精神面での変化がクルマとの付き合い方にも変化を及ぼしている



■クルマ好きにも確実に訪れる「老い」に抗うか、あるタイミングで現実として受け容れるかはあなた次第



年齢を刻むにつれて変わるカーライフ

アラフォー&アラフィフ世代ともなれば、気持ちと気力だけはまだまだ20代! 若い人には負けてない……つもりになっているのは本人だけで、悲しいかな誰がどう見ても立派な中年です。いつの間にか徹夜ができなくなった。朝まで飲めなくなった。

自分がまさかの老眼鏡なんて……。いくらやせ我慢しても、若作りしても当の本人は痛いほどわかっているはず。



それはカーライフについても同じ。いまのアラフォー&アラフィフ世代にとって、若いときには頭の片隅にもなかった変化が起きているころです。夜が明けるまで走っていた。それが辛くもなんともなかった。そろそろ自覚してください。それは遠い記憶の、もはや幻影であることを。



仲間内で集まるのは日曜日早朝

夜遅くに仕事が終わり、夕飯を済ませてシャワーを浴びたらいつもの待ち合わせ場所へ。あとは仲間と朝まで走る。夜明けと同時に帰宅して、少し仮眠してまた仕事へ……。なんであんなことができたんでしょうか。夜中でもキンキンに目がさえて朝までアクセル全開! 出勤後、午前中は何とか切り抜けてお昼休みに仮眠して復活!そんな毎日が楽しくて仕方なかった……なんてのは過去の話。

同じことをいまやったら数日は使いものになりません。というより、やらないほうが身のためです。



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気づけば、仲間内で集まるのは日曜日の早朝に。ひとしきり「ダベって」、朝10時頃には解散して午後は家族サービスか愛車のメンテナンスに勤しむ。これはこれで理想の休日かも。



新たな人間関係を構築する気力が残ってない

若い頃に一緒に走っていた仲間とはいまだに飲み友達だったり、いまでもクルマ趣味を続けていたり。良くも悪くも腐れ縁状態に。しかし、ネットが普及してからは、所有するクルマを介して新たな人間関係を構築する機会もグッと増えました。それはそれで大切なつながりであることは間違いがないのですが、問題はクルマを買い替えたとき。



大好きなクルマ趣味の中身が変化……アラフォー&アラフィフのリアル
オーナーズミーティングでの来場者の様子



たとえば、スカイラインGT-Rがメインのクラブに加入したとして、ある日突然、ポルシェに乗り換えたら、前述のクラブのイベントには顔を出しづらくなるもの。かといってポルシェに関係するクラブに加入してイチから人間関係を構築するもなかなか気力がいる。愛車はもちろん大事だけれど、同じくらい「これまで築いてきた人間関係も大事(もういちどゼロスタートで同じことをやるのはしんどい)」ということに気づく年代でもあるんですよね……。



否が応でもやってくる友人との別れやクルマ趣味の終活

どう頑張っても買えないクルマがより明確になってくる

欲しいクルマが何百万だろうと、何千万だろうとぜったいに諦めない。120回ローンを組んででもいつか必ず手に入れてみせる! そんな時代があったはず。

もしかしたら無理かもしれないけれど、諦めないって大事です。諦めたらそこで終わってしまいますから。



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ポルシェ911GT3(992)のフロントスタイリング



しかし、年齢を重ねるにつれ「嫌が応にも現実というものを突きつけられる」ようになってきます。結婚して、子どもがいればなおさらです。家族を差し置いて高価な趣味クルマを買うなんてもってのほか、家庭崩壊の原因にもなりかねません。



もしかしたら将来手放すことになるかもしれないとしても、若いときに思い切って欲しいクルマを手に入れてみる。周囲から見れば無謀に思えるかもしれないけれど、アラフォー&アラフィフ世代になると周囲の環境がそれを許してくれない可能性もあります。試してみる価値はあると思いますよ!



コレクションを止め、断捨離&終活をはじめる

自他ともに認めるコレクターがふとしたできごとをきっかけにある日突然、コレクションを止め、断捨離&終活をはじめる……。少し気が早いのでは? と思われるかもしれませんが「いつか必ず訪れるそのとき」が、急にリアルに思えてくる年代でもあります。



同世代の友人や知人が突然この世を去り、自分自身が必死になって集めてきたコレクションの行方が気になったり……。本人にとっては宝物であっても、家族にとってはゴミ同然というケースも少なくありません。自宅には収まりきれず、実家の押し入れも満杯……なんてこと、ありませんか?



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昔のクルマのカタログ



あまりにも膨大すぎて自分ひとりでは到底対処できない。体力と気力があるうちに「集める→放出する」に方向転換し、家族に迷惑をかけないようにする。

本人からすれば断腸の思いかもしれませんが、早めに動きはじめることでじっくりと「本当に残したいモノ」を見極める絶好のチャンスかもしれません。



気の置けないクルマ仲間との日常にありがたみを感じる

いつもの時間にいつもの場所に行くと会える人たち。乗っているクルマと顔は知っているけれど名前はわからない。友だちといえるほど親しくはないけれど、いつもコーヒーを片手にとりとめのない話をして「じゃ、また」と別れる。それがある頃を境に姿を見せなくなり、風のうわさで体調を崩していることを聞きつけ、そしてこの世を去ったと知る……。来週になればまた会えるとだろうしと思っていた仲間を失ったときのなんともいえない喪失感。悲しいかな、そんなことが増えてきます。



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オーナーズミーティングの様子



お互いにあえて深入りせず、かといってドライすぎる関係でもない。適度な距離感が心地良いと思ったら……。お見舞いに行こうにも連絡先すら交換していなかったなんてことにならないように、ひとまずLINEグループを作り、ゆるくつながっておくのもいいかもしれません。



まとめ:いつかは誰にでも訪れる「老い」という現実

生きている以上、避けて通れない「老い」という現実。どこまでも抗うか、あるタイミングで現実として受け容れるかは人それぞれ。



そして、この記事を読んでほくそ笑んでいるそこの20~30代のアナタ! 10年後、あるいは20年後、それは確実に訪れる「老い」という名の未来です。

他人事ではありません。いまから心の準備(予習?)をするのもありかも!?



いっぽうで、年齢を重ねてきた分、知恵もついていますし、自分なりの「いい落としどころ」もわかっている。考えてみると悪いことばかりではなさそうです。

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