この記事をまとめると
■交換したあとのクルマのパーツ類はどう処分すべきかを解説



■パーツの素材や大きさによって処分する方法も変わってくる



■処分の仕方を間違えると法律に違反する場合があるので事前に調べることが必要



クルマのパーツはどうやって処分する?

ひと昔前まではクルマの部品を交換するというのは、それなりに作業のウデに覚えのある人や、何でも自分でやってしまいたい派の人が試行錯誤も楽しみながらおこなうもので、一般のユーザーの大半は工賃を払って業者やディーラーにお任せ、というのがほとんどだったと思います。



しかし、ここ数年の不景気の状況やDIY系、ハウツー系の動画配信などの影響で、バンパーやヘッドライトを自分で交換してみようかな? という人も増えてきたように思います。



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そうなってくると問題になるのが、不要になった交換後の部品の処分方法でしょう。

内装の小物類なら燃えないゴミに混ぜて普通に捨てられますが、バンパーなどの大きな部品や重量がかさむ足まわりの部品、廃棄困難な素材のタイヤなど、「どうしたら良いのだろう?」と途方に暮れるケースも多いのではないでしょうか。



ここでは処分したい部品の種類ごとの処分方法について話してみようと思います。



処分したいクルマの部品の種類を分類してみた

<大型の樹脂パーツ>
バンパー、スポイラー、ヘッドライト、テールランプなど。素材的には燃えないゴミですが、サイズが大きくて回収してもらえない。
<重くてゴツい足まわりパーツ>
ショックユニット、アーム類、ブッシュなど。主にスチールやアルミですが、ゴム部分があったり、オイルが含まれていたりするので要確認。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
自動車のサスペンション

<ブレーキやホイールまわり>
ホイール、ディスクローター、ブレーキキャリパーなど。ほぼ金属ですが、サイズと重量で引き取りNGの可能性も?
<タイヤ>
ゴムは処分困難素材として認知されていますので自治体ではムリ。ではどうしたらいいでしょう?



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
廃タイヤのイメージ

<シート、ダッシュボードなど内装パーツ>
幅が1.5m近いダッシュボードや一体型のリヤシートはサイズ的に回収してもらえるか心配。
<オイルやクーラントなどの液体>
エンジン&ミッションオイル、LLC(ロングライフクーラント)やブレーキフルードなど。たまに下水に流してしまうのを見掛けますが、これはNGです。どこで処分してもらえるでしょう?



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
自動車の廃オイル



と、こんな感じでしょうか



それぞれの処分方法を考えてみましょう。



まずは粗大ゴミでイケるのかどうか

安価で回収までしてもらえる自治体の「粗大ゴミ」回収制度を活用するのが、搬送の手間もなく費用的にも負担が少ないので、手軽に処分できる方法といえるでしょう。



粗大ゴミというのは、通常のゴミ収集では回収できないものを個別に回収してもらえる制度です。

各自治体で受け入れる基準が細かく異なる部分もありますが、その名前のように大きなサイズの廃棄物を回収してもらえます。具体的には本体部分が30cmを越えるものが対象です(東京23区の場合)。上限は回収車に載せられるサイズと重量となるようです。具体的には大型のタンスがサイズの目安で、重さはふたりで運べるおおよそ80kgくらいが上限でしょう。範囲はけっこう広いですね。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
粗大ゴミのイメージ



ただし、サイズや重量が範囲のうちでも、構造や素材によっては対応不可のものもあるようです。たとえばショックユニットのような、内部にガスやオイルが封入されているものはダメな場合が多いようです。



具体的にはまず各自治体の粗大ゴミ受付センターに問い合わせして確認しましょう。



探してみると意外と受け入れ先アリ!

分類ごとの処分方法

<大型の樹脂パーツ>
おそらくクルマの交換部品のなかで最大サイズがバンパーでしょう。長さは大型SUVクラスで1900mm近くあります。これは素材的には燃えないゴミですが、サイズ的に明らかに粗大ゴミです。道具と根性があるなら、30cm四方以下に切り刻んで通常ゴミとして出すことも可能です。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
クルマから外したバンパー



スポイラーやヘッドライトなども同様ですが、金属やゴム、配線などのパーツは外した方が確実でしょう。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
自動車の配線類



また、多少のダメージでまだ実用できるものなら、ネットオークションや中古パーツ販売店に売却するという方法も有力候補です。この場合は梱包や搬送、配送などの手間がかかりますが、上手く進めれば多少のお小遣いとして戻ってくるというメリットもあります。



あるいは、ふだんお世話になっているところなら、ディーラーや整備工場などに持ち込む方法もあります。この場合は処分費用が発生することがあるので注意が必要です。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
自動車の整備工場

<重くてゴツい足まわりパーツ>
たとえば足まわりを車高調に交換した場合、外した純正のダンパーユニットの処分に困るケースは多いと思いますが、これは粗大ゴミでの回収は難しいようです。ダンパーユニットのほとんどはガスやオイルが封入されているので、自治体では受け付けてくれないことが多いようです。仮に分解してオイルやガスを抜いたとしても、粗大ゴミの受け入れ項目にないという理由で断られることも考えられます。



サスペンションのアーム類やロッドなどのパーツも同様です。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
自動車のサスペンション



こちらもダメージが少なく実用できるものならネットオークションや中古パーツ販売店で売却できるので一考の価値ありです。
<ブレーキやホイールまわり>
ブレーキキャリパーやディスク、アルミや鉄製のホイールなどは、ほぼ金属なので処分に応じてくれる可能性があります。しかし、これも受け入れ項目にないという理由で断られるケースもあるので、実際に問い合わせて確認しましょう。

ちなみにホイールは受け付けてくれたという報告例を耳にしたことがあります。



ホイールはネットオークションや中古パーツ販売店でも人気商品なので、少しの手間を覚悟すればそれなりの実入りが期待できます。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
自動車の社外ホイール



また、販売が難しい場合は、金属の買い取り業者に持ち込むという手もあります。この場合は素材ごとの単価が設定されているので、単純に重さで金額が決まります。その場合、タイヤやブーツなどのゴム部品が付いたままだと断られる可能性が高いです。
<タイヤ>
クルマのタイヤは「適正処理困難物」という扱いになり、集積所には置けません。ちなみに「不法投棄」するのは犯罪ですので、検挙されると5年以下の懲役または1000万円以下の罰金という重い刑が科せらてしまいます。



もっともスタンダードな処分方法はタイヤ専門店に持ち込むことです。1本あたり500円~というのが処分の相場のようです。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
タイヤ専門店のイメージ



近くにタイヤ専門店がない場合は、少し割高ですがカー用品店やガソリンスタンド、ディーラーなどにもち込みの相談をしてみましょう。
<シート、ダッシュボードなど内装パーツ>
クルマのシートは、表皮、中のスポンジ、スチールのフレームや樹脂のカバーなど複数の素材の集合体ですので、カンタンに燃やして処分というわけには行かず、粗大ゴミでは受け付けてもらえないかも、という懸念はありますが、実際は家庭のソファと同じ扱いで受け付けてもらえるようです。



需要のある車種であれば、ネットオークションや中古パーツ販売店での売却も有効です。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
フロントシート

<オイルやクーラントなどの液体>
日頃から自分で整備を行う人ならよく知っていることだと思いますが、オイルやLLCなどのケミカル類は排水溝に流してはいけません。環境汚染に直結します。



処分については、カー用品店やガソリンスタンドなどに持ち込むのが一般的です。店によっては断られるところがあるかもしれませんが、多くの店では処分に応じてもらえるでしょう。新品を購入すればほぼ受け入れてくれるのではないでしょうか。



DIYでカスタムしたはいいけど……どうすんだコレ? 外したクルマのパーツの処分方法を考えてみた
ガソリンスタンドの外観



自治体でも処分を受け付けているところがあるようです。近頃はリサイクルに対する意識が高まっているので、どうせ捨てるからといってオイルとLLCなどを混ぜてしまわないほうが受付がスムースな場合があるようです。



このように部位や素材によって処分の方法や費用はマチマチですが、まずは処分したい方法を選んで、自治体の担当部署や店舗に問い合わせしてみましょう。

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