この記事をまとめると
刑事ドラマとアニメに出演し活躍したクルマ5台を紹介



■劇中車の活躍シーンは印象的なものが多く、視聴者にその記憶が強く残っている



R35GT-RやRX-7など走行性能が高いクルマは、刑事ドラマやアニメによく使用される



刑事モノのドラマやアニメで記憶に残った5台をピックアップ

本物の刑事が犯人などと派手なカーチェイスを繰り広げることはほぼあり得ず、実際には銀色のスズキ・キザシなどに乗って署を出て、地道な聞き込み捜査などをしたのち、またキザシを法定速度ぐらいで走らせて署に戻るのだろう。



だが、「刑事ドラマ」の世界においてクルマは、登場する刑事たちと同じぐらいか、下手をすればそれ以上に派手な活躍をする“キャラクター”であり、ドラマを観た者の記憶に残り続ける場合も多い。



かつて観た刑事ドラマに登場した「記憶に残り続けるクルマ」は数多くあり、なかなか順位を付けられるものでもない。



だがあえて心のベストテン第1位を選ぶとすれば、1979年から1984年にかけてテレビ朝日系列で放送された『西部警察』に登場した、6代目日産スカイラインの2000RSおよび2000ターボRSだろうか。



刑事モノといえばクルマは劇中の華! スカイラインにRX-7に...の画像はこちら >>



そのほかにも小暮課長専用車のガゼールや、大門団長の専用車であったスーパーZ(S130型日産フェアレディZ)も強烈な印象を残したが、やはり多くの人が「西部警察といえば?」と聞かれたときに想起するクルマは「赤いスカイライン」であるはず。



攻撃・戦闘指揮車であるRS-1には20mm機関砲がルーフに装備されるなど、「……零戦かよ」といいたくなるほど荒唐無稽な部分は多い。だがそれはそれとして、大門軍団が疾走させるスカイライン2000ターボRSのカタチと空気感にシビれた結果として、この世代の日産スカイラインにいまなお憧れを抱いている人は多い。なかには、この種のクルマ専門の中古車店を開業してしまった人もいる。



刑事モノといえばクルマは劇中の華! スカイラインにRX-7にガゼール……心に刺さりまくった記憶に残るモデルたち
6代目スカイラインのリアビュー



話はちょっとズレるかもしれないが、西部警察などに「犯人逃走用」または「一般警察官が乗るパトカー用」として多数登場し、最終的には爆発炎上することになる地味な330系や430系セドリックが大好きでたまらないという人も、世の中は一定数いるものだ。



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330セドリックのフロントビュー



第2位は、『あぶない刑事』シリーズで舘ひろしさんと柴田恭兵さんが演じる「タカ&ユージ」コンビが乗っていた2代目日産レパードだろうか。



1986~1992年にかけて販売されたF31型日産レパードは、当時の大人気車モデルだったトヨタ・ソアラをライバルに見立てて開発された、伸びやかなプロポーションの2ドアクーペ。2リッターまたは3リッターのV6エンジンがもたらす余裕ある走行性能が魅力の一台だった。



というか、このクルマがいまなお(一部で)絶大な人気を保っており、専門店では1000万円以上の値段となる物件も数多く流通している理由は、そういったスペックの部分だけでなく「タカ&ユージが粋に乗りこなしていた姿」があまりにも印象的だったからだろう。



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レパードの走行シーン



クルマにとってハードウェアの性能はもちろん超重要な要素だが、それだけではクルマは売れないし、愛されない。ある意味“イメージ”こそが、クルマの販売や価格にとってはきわめて重要なのだ。



2016年に公開された映画『さらば あぶない刑事』ではR35型日産GT-Rを捜査車両としていたタカ&ユージだが、今年5月に劇場公開される最新作『帰ってきた あぶない刑事』では、ふたりの捜査車両は再びゴールドの2代目レパードに戻っている。



ミニカー化されるほど人気になったモデルも

心のベストテン第3位は、ドラマ『相棒』のなかで水谷 豊さん演じる杉下右京が乗っていた日産フィガロだろうか。



日産フィガロは、1991年から1992年まで販売されたレトロなデザインの小型オープンカー。搭載エンジンは最高出力76馬力を発生する排気量1リッターの直4SOHCターボで、当初は8000台の限定生産を予定していたが、あまりにも購入希望者が多かったため、結局は限定2万台が販売された。



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日産フィガロのフロントビュー



日本と同じ左側通行である英国でも人気が高く、いまでも熱心なオーナーズクラブが大規模なミーティングを行っている。



『相棒』で杉下右京が運転していたのは、ブラックボディ+ホワイトルーフの特注塗装が施された品川ナンバーの日産フィガロ。

その洒脱なビジュアルと雰囲気が相棒ファンの間で話題を呼び、通称「右京カー」は2014年に京商から43分の1ミニカーが、タカラトミーからはチョロQが発売されるほど人気となった。



とはいえそんな右京カーも、ドラマのなかでは2015年3月に終了したシーズン13以降はほぼ出番がなくなり、2021年2月には、右京カーを管理していた劇用車会社からネットオークションに出品された。右京カーも“引退”したということだ。



ちなみに水谷 豊さんは1990年から1992年まで日本テレビ系列で放映された『刑事貴族』のシーズン2と3のなかでも、英国の小さな高級車であるバンデンプラ・プリンセスに乗っていた。小さくてしゃれたクルマが好きというか、なぜか似合う人なのだろう。



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バンデンプラ・プリンセスのフロントビュー



また、これは「刑事ドラマ」として扱っていいのかどうかよくわからないが、アニメ『名探偵コナン』の劇中で佐藤美和子刑事と安室 透公安警察官が乗っているマツダ RX-7(FD3S)も、ファンの間では超絶印象的な存在なのだと聞いている。



だが、じつは筆者は、コナンくんのアニメを1作も観たことがない。それゆえ佐藤と安室のFD3Sについてはよく知らないのだ。どうもすみません。



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RX-7(FD3S)のフロントビュー



コナンくんの(というか佐藤と安室の)マツダ RX-7より、筆者がいま気になっているのは、「そういえば『刑事コロンボ』のなかでコロンボが乗ってたクルマって何だったっけ?」ということだ。



ドラマ『刑事コロンボ』がNHKで放送または再放送されていた頃、筆者はクルマに興味がない小学生であった。



そのため、コロンボ警部が「何らかの超ボロいクルマにいつも乗っていた」ということは強く印象に残っているのだが、あれがなんという車種だったのかはさっぱりわからないまま、今日まで生きてきた。

 より正確に言うと、コロンボ警部のクルマのことは忘れたまま生きてきた。



だが今回、「刑事ドラマネタ」を担当するにあたってササッと検索してみたところ、積年の疑問は(というか忘れていた疑問は)すぐに解消された。コロンボ警部が乗っていたのは「プジョー403コンバーチブル」だったのだ。



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403コンバーチブルのサイドビュー



プジョー403は、フランスのプジョーが1955年に発売した中型乗用車。搭載エンジンは最高出力1.5リッター直4OHV(であるらしい)。トランスミッションはコラムシフトの4速MT(だったそうだ)。



先ほどから「らしい」とか「だったそうだ」と書いているのは、当時もいまも、筆者はプジョー403コンバーチブルというクルマについてほとんど何も知らないからだ。ただただ調べたことを書いている。



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403コンバーチブルのインテリア



だが、コロンボ警部が乗るオンボロのクルマがぷすすすす……とエンストする光景を観ていた小学生の頃から、「でも、なんかしゃれたクルマだよな」とは思っており、ググった画像を眺めているいまも、403コンバーチブルの造形はひたすらおしゃれであるように感じている。



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403コンバーチブルのエンジンルーム



「なぜ、このクルマのカタチはこんなにもしゃれているのだろうか?」と不思議に思い、自宅のコタツに入って徹底調査を開始してみたところ、理由はすぐに判明した。



何のことはない。プジョー403シリーズは、プジョーが初めて「社外のデザイン」を採用したクルマであり、その社外デザインを行ったのは、かの「ピニンファリーナ」だったのだ。……そりゃおしゃれなフォルムになるに決まってるよね、という話である。