この記事をまとめると
■SUVにもモンスターと呼ぶにふさわしいモデルが生み出されている



■レーシングカーにも積まれたエンジンを搭載したSUVもある



■これまでに誕生した3台のモンスターSUVを紹介



レーシングカーにも積まれたV12は700馬力以上

昔からクルマのハイパワー競争は盛んに行われていますが、SUVのジャンルでもモンスターといわざるを得ないマシンが数多く生み出されています。クルマの性能はパワーだけじゃない、という意見もごもっともですが、やっぱりデカい図体のクルマが大砲で撃ちだされるような加速をするのは痛快至極! 世知辛い現実世界のことをぶっ飛ばしてくれるような豪快さはハイパーカーでは味わえないテイストかと。



そんな歴代の化け物SUVをチェックしてみましょう。



BMW X5 LM

ハイパワー競争には興味なさそうなBMWですが、じつは伝家の宝刀V12エンジンは「欲しいだけ(パワーを)出せる」と豪語しています。実際、このエンジンは1999年のル・マンに向けて作られたBMW V12 LMRにも搭載され、6.1リッターから700馬力以上を発揮したとされています。



700馬力のジュークに2000馬力のランクル! メーカーがガ...の画像はこちら >>



そんなエンジンをBMWはこともあろうにフルサイズSUVのX5に詰め込んで見せました。たしかに広大なエンジンベイをもつ車体ですが、最適なバランスを考えればV8が限界。それでも、BMWはこの実験車両の前後バランスは51:49と公表しており、そもそもの車体設計が優れていることをアピールしています。



700馬力のジュークに2000馬力のランクル! メーカーがガチで生み出した化け物SUV3台
BMW X5 LMのフロントスタイリング



V12を搭載しつつ、6速MT+4WD仕様ながら、車重は2130kgとわりかし軽量。これは各所をカーボンパーツに変更したことをはじめ、BBS製ル・マンホイールといった軽量パーツへの換装が奏功しているに違いありません。その結果、0-100km/h:4.7秒、最高速は278km/hをマーク。2000年に作られたマシンとしては上出来、いや化け物クラスといっても過言ではないでしょう。



少なくとも同時代のAMG ML55の0-100km/h加速6.9秒、最高速度232km/hをあっさり凌駕していますので、BMWの、そしてV12生みの親たるパウル・ロシュの面目は大いに保たれたといっていいでしょう。



日産GT-RのVR38DETTを搭載したSUVもあった

トヨタ・ランドスピードクルーザー

SEMAショーといえば、アメリカのガチなカスタムカーがわんさか出品されることで有名ですが、2017年に北米トヨタがそれこそガチで作ったランクルは、ひときわ注目を浴びた1台でした。スピードトライアル向けにV8エンジンをツインターボでチューニングして、なんと2000馬力までパワーアップという化け物だったのです。



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トヨタ・ランドスピードクルーザーのフロントスタイリング



エンジンは、ランクル200北米仕様、といっても我々にもお馴染みの5.7リッターV8の3UR-FE型。ここにギャレットエアリサーチ製の巨大なタービンGTX4718Rを2基装着し、ブースト圧は最大55psi(約3.86kgf/cm2)に設定。

ノーマルの日産 GT-Rが1.0kgf/cm2ですから、いかに根性入れてるかがおわかりかと。



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トヨタ・ランドスピードクルーザーのエンジン



当然、内部のパーツもハイブーストに耐えうる改造が行われていますが、そこはNASCARやNHRA(ドラッグレース)で数多くの優勝を遂げている北米トヨタですから一切の手抜かりなし。



トライアル向けに車高短とされ、強化サスやハイスピード向けタイヤも装備され、NASCARのドライバー、カール・エドワーズ選手によるチャレンジでは370km/hオーバーというとてつもない記録をマーク。



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トヨタ・ランドスピードクルーザーの走行シーン



それにしても、あのどでかい図体がタービン音を轟かせて加速する様子は見ごたえありすぎ(笑)。トヨタとはいえ、さすがアメリカ人が考えることはスケールが違います。



日産ジュークR

北米トヨタがV8ツインターボのランクルを作るなら、欧州日産は禁断ともいえる奥の手を使ってモンスターを生み出しました。2010年に彼らがリリースしたジュークRは、GT-RのV6ツインターボを詰め込んで545馬力を発揮するモンスターで、なんと世界限定5台で販売されました。が、イギリスのカスタムファクトリー「サヴァーン・ヴァレー・モータースポーツ」はさらなるパワーをゲット!



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日産ジュークRのフロントスタイリング



VR38DETTをベースにSVM製1050ccインジェクターや高効率インテーク、そして吹き上がり重視のエキゾーストシステムなどでチューニングし、最高出力は700馬力! BMWのV12と横並びというのは快挙としか言いようがありません。もっとも、ベースとなったジュークRはストックのGT-Rエンジンから155馬力アップですから、チューニングカーファンにとっては「ファインチューニングの範疇」といったところでしょうか(笑)。



むろん、エンジンだけでなくエクステリアも最高速カスタムが施され、各部のエアロパーツやボンネット上のNACAダクトなどノーマルよりも一段と化け物感マシマシ。



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日産ジュークRのボンネットフード



2010年の発売当時、お値段は4500万円とも5000万円とも噂されていましたが、5台のうち2台を日産本社が「保存用」として購入し、2台はすでにクラッシュで廃車となっています。すると、この700馬力だけが世界でただ一台のジュークRカスタムとなるのですが、果たしてどんな方が手に入れたのでしょうか。

間違いなくチューニングカーファンでありつつ、車庫がさほど大きくない方なんでしょうね(笑)。

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