この記事をまとめると
■一部の新車ディーラーでは週休2日制を取っているところがある■海外では日曜日が定休日というディーラーも珍しくない
■日本でも全国で決まった曜日を休みにするような取り組みがあってもいいという意見もある
最近は週休2日間制のディーラーも多い
あるメーカー系新車販売ディーラーが、期間限定として試験的に平日2日を完全に定休日にしている。そこのセールスマンに話を聞くと、「いままでは週1日を定休日とし、残り1日は交代で休むことで週休2日としていました。しかし、そもそも店舗スタッフの人数が十分ではないなか、交代休により稼働スタッフが少ないなか店舗営業しても、結果的にそのような日は稼働効率が悪いとの判断があったようです」と説明してくれた。
筆者の居住する地域のメーカー系新車ディーラーを調べてみると、毎週ではなく隔週も含めると、週2日完全定休日としているディーラーはすでに珍しいものではなくなっていた。繁忙期となる月末を避けるように、第一週と第三週ぐらいを週2日完全定休とするディーラーが多いように感じた。
ただ隔週だと、たとえば「今週は火曜日も休みだったかな」と客側としては考えなければならないこともあるので、毎週2日定休日としたほうがわかりやすいのではないかと考えている。
たまたま前出のメーカー系ディーラーではない、他メーカー系ディーラーへ2日間の定休日明けに訪れることがあったが、店内は点検・整備を待つお客が多数いて、平日にしては少々混みあっていた。「2日間休んでしまうと、休み明けはかなりバタバタするようですが、それでも交代で休んで定休日を週1日に押さえて営業するよりも店舗スタッフの負担は軽いとも聞きます。店舗は稼働しているのに自分だけ休みというのは心理的に落ち着かないこともあるようですし、場合によっては仕事の連絡が入ったりもするので、いっそのこと完全な定休日を増やしたほうがいいという声を大きくしているようです」とは事情通。
海外では日曜休みも当たり前
筆者が見てきた限りでは、アメリカの新車ディーラーは定休日を設けないのが一般的となっている。過去に日本の新車ディーラーでも年中無休が当たり前のときがあったのだが、そのときのように、セールスマンは大体月曜日に休みを取っているようで、月曜日にディーラーへ行くとメカニック関係のスタッフばかりを目にした。一方のメカニックは日曜日に休みを取っているようであった。

アメリカでも点検・整備で車両をもち込むと終了まで長く待たされることから、平日の朝7時ごろからの通勤時間帯から店を開け、通勤時に点検・整備車両を預かり、夕方家へ帰るときに引き渡すということも当たり前のように行われている。愛車を預かったあとは豊富に用意された代車を貸し出し通勤に使ってもらうか、「シャトルバス」を用意してオフィスまでの送迎をするサービスも一般的となっていると聞いている。
タイでは新車ディーラーは日曜日を定休日とするのが一般的となっている。

アメリカのように年中無休を維持できるほどのマンパワーは日本の新車販売現場にはない。日本では「働き方改革」の旗印のもと、週休2日ではなく週休3日という話まで出てきているのだから、たとえば日曜日と月曜日というパターンで新車ディーラーが完全定休日を設けるのもいいかもしれない。「月曜日は床屋さん」、「火曜日は美容院」、「水曜日は不動産屋さん」という感じで日本では業種ごとに定休日が決まっているケースもある。
いまの新車ディーラーでは、だいたい月曜日から木曜日のスパンで1日ないし2日をディーラーごとに定休日として設けており、消費者から見ればそれを把握するのも面倒くさいものと感じる。そこで、「新車ディーラーは日曜日と月曜日が毎週定休日」とすればいいだろう。毎週というのが難しいなら、最終週だけ日曜日に店を開け、最終週は月曜日と火曜日を定休日にすればいいかもしれない。

メカニックも含め十分な人数で店舗を運営しているわけではないなか、心労などでの病欠も目立っており、病欠者が出ると大騒ぎになるとも聞いている。

史上もっとも新車が売れたバブル経済の時期(1990年)に比べると、新車販売市場の規模はほぼ半減している。新車の売り方も新規需要の発掘から、管理顧客への定期的な乗り換え促進に主軸は完全に変化した。いまでは全国規模での週末フェアといったものもほぼ存在しなくなってきた。
新車の商談は契約まで進めば、数時間に及ぶことはざら。いまどきはお客側だって、せっかくの休日に数時間も新車購入に時間を費やすことに疑問をもつ人も多い。時代は変わってきている。それならば新車ディーラーの日曜定休を考えてもいいのではないかと筆者は考えている。