この記事をまとめると
■フォーミュラジムカーナは2024年で2シーズン目を迎えた■日産は協賛企業として出展し車両提供も行っている
■クルマ好きの学生とコミニュケーションを図り採用活動も視野に入れ始めている
日産が考える若者との付き合い方
昨年から始まった、全国から選ばれた大学の自動車部に所属する学生たちが、大会運営側から提供された車両やタイヤなどを用いて、イコールコンディションで争う新競技、「フォーミュラジムカーナ」。広島県にあるTSタカタサーキットで開催されたRd.3には、日産もブースを出展していた。展示車両のフェアレディZ NISMOが注目を集めていた一方で、訪れた日産の関係者は学生たちとどんなコミュニケーションを取ったのだろうか?
協賛に関して会社からの理解も深まった
昨年から協賛をしている日産。現場に来るスタッフは自動車部出身者が多いのも特徴だ。
もともとこの競技会場への出展を打診された際、業界全体でクルマが好きな若者が減っていることに起因する将来への不安を日産側も考えていたことから、今回の協賛を決めたという事情があるという。そんな事情もあり、当初は自動車部OB/OGが現場に行き、いまの若者がクルマに対してどんな考えをもっているのか、コミュニケーションを取るといった形で現場に赴いていた。なので、採用活動を全面に押し出した参加体制ではなかったとのこと。
しかし、2年目へと突入したタイミングで、昨年度から今年度の採用やインターンなどで、少しずつこのフォーミュラジムカーナを通じて成果が見えてきたこともあり、日産はよりこの競技の重要性を考え始めたとのこと。また、今回はもともと開発系の部署にいた人事関連のスタッフも会場を訪れており、「クルマ好きが作るクルマはいいモノになるので、この場にいる若者たちには期待している」と語っていた。そんなクルマ好きの学生たちと、よりクルマについて本気で話せるこの場はとても貴重だとも語っていた。日産としても、「クルマ好きを採用したい」という考えが強いようだ。

若者のピュアな感想に関係者は痺れる
「もっと魅力的なクルマを作らなきゃ!」と刺激を受ける
展示とデモランを行ったフェアレディZ NISMOも注目を集めていた。当日は運転席への着座OK、エンジン始動OK、エンジンの空ぶかしOKと通常のディーラー展示ではできないことがOKとされていた。なかなか貴重な体験になったに違いない。

また、学生たちとコミュニケーションを取ることで発見もあったとのこと。それは、「両親が日産車に乗っていて……」という学生が想像以上に多かったことだ。

ノートオーラNISMOのフィーリングも
日産×フォーミュラジムカーナと言えば、忘れてはならないのが今シーズンから新設された女子クラスだ。このクラスではノートオーラNISMOも用いて、運営側が定めたターゲットタイムにもっとも近いタイムから順に、リザルトが決まるという競技フォーマットを取り入れている。

参戦する学生たちからの質問に、デモランでもドライブを担当した、日産で開発を務める全日本ジムカーナドライバーの河本選手が対応。聞くと、多くの学生たちがその走りに感動していたという。「ハイブリッドだと思って甘く見てましたが、想像以上にいいクルマで楽しかった!」、「モーターのレスポンスやトルクの太さに驚きました!」「思い描いたラインでスパッと曲がってビックリです!」といった感想が印象的だったと河本選手はうれしそうに語った。

今後はフォーミュラジムカーナでの採用活動も、より加速させそうな雰囲気の日産。フォーミュラジムカーナOB/OGがブーススタッフとして来場する日も近いかもしれない。