この記事をまとめると
■1台数億円するハイパーカーを街で見かける機会はなかなかない■ほとんどのハイパーカーは登録されずにガレージで眠っている
■ホンモノのお金持ちは時間帯や場所をズラして人目につかないようにして乗っている
1台数億円するハイパーカーは基本的に保管
近頃では億の値段も珍しくないハイパーカーですが、その姿をリアルで目にすることはとんと少ない、というかまったくないといってもいいでしょう。夜の六本木だろうが、大黒ふ頭だろうが、ギャラリーがいそうな場所でも目にすることは全然なし。となると、そうした億ハイパーカーは本当に売られているのか疑りたくもなるというもの。
ですが、リサーチしようにも限界がありそうなので、これは匿名希望の金満家に質問をぶつけることにしました。
──で、実際に売られているのですか、億単位のハイパーカーとやらは?
「買うやつがいるから作ってるに決まってる。ケーニグセグにしてもブガッティにしても、作った端から完売してるって公表してんだろ。いるんだよ、日本国内にも少なからず億単位のクルマを買う人々がね」
──でも、滅多に、というか走ってるところどころか、止めてあるのすら目にしたことありませんけど?
「理由はいくつか考えられるな。ハイパーカーの半分くらいは登録されずに倉庫でひっそり眠らされてるからとか、あえて人目につかないところで走っているとか」

──登録されないというのは、ずばり転売目的の値上がり待ちみたいなことですか?
「そのとおりともいえるし、そうじゃないケースもある。むしろ転売を考えてるやつらはハイパーカーより、スーパーカーのほうだろう。そもそも発売後すぐにプレミアがつくようなハイパーカーは買うことからして特別なルートがなければ難しい。オマエが逆立ちしたってフェラーリのワンオフが買えないこと考えればルートの大切さもわかるだろ。つまり、ハイパーカークラスになると、買うのも売るのも特別なチャンネルをもっていることが前提になる。そうした超金もちが転売して小遣い稼ぎなんてすると思うかね。生臭い話になるが、登録しないというのはたいてい国税局に知られたくないことが理由だ。

走らせるときは人里離れた場所やサーキットを貸し切る
──ちなみに、そのルートってどんなもんですか?
「知らないほうが身のためかもよ(笑)。一般的なことをいえば、高級車を得意とするブローカーや、高級商材の顧客を幅広くもってるデパートの外商ってことになる。でなければ、法律のおよばない水面下でブラックマネーを扱うダークサイドなジェントルマン、てことだ。彼らは日本国内だけじゃなく、中東や西海岸にもコネクションをもっていることはいうまでもないよな」
──なるほど、目の前で得意げに話してる方みたいな人物ってことっスね。
「黙れ。とにかく、超金もちの環境にはそういうグレーな領域だって必ずあるのだ。なかには、ハイパーカーだろうが、ビンテージカーだろうが、とにかくコレクションさえできればいいというヤツだっているけどな。代々木体育館と同じくらいの広さがある倉庫に、2ダースくらいのハイパーカーに始まって、クラシックカーやF1、NASAの試験機までコレクション……おっと、いいすぎた。聞かなかったことにしとけ」

──なんだかクルマ好きの夢までダークサイドにもっていかれそうです。ていうか、ナンバー付けてブイブイ走っている人はいないんですかね?
「いるけど、オマエが目にするような時間と場所を選んでないってだけだろう。

──なるほど、ハイパーカーを味わうならサーキットじゃないと無理、ていうかF1規格のコースでようやくという感じですもんね。
ともあれ、そういうビリオネアの方々には「たまには一般道で、ブリブリのエキゾースト聞かせてよ」と願いたいものです。が、これまた貧乏人のひがみに聞こえちゃうかもしれませんね(笑)。