この記事をまとめると
■ポルシェは人生で一度は乗ってみたいクルマとしてリストアップされることが多い



■中古車であればポルシェであっても入手しやすいモデルはある



■車両価格は安くても壊れた場合はポルシェらしいメンテナンスコストがかかる



新車と役つきはいまや高嶺の花

人生で1度は乗ってみたいクルマというと、数多くの方がポルシェの名を挙げます。とはいえ、やっぱり庶民にとっては高嶺の花。しかも、プレミアのついたモデルはいまや一軒家に相当するお値段といえるでしょう。



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でも、ちょっと待って! ご承知のとおり中古車ならば多少のギャンブル性はあるものの、ポルシェを手に入れるハードルはさほど高くありません。911はもちろん、SUVやグランツアラーだって夢ではないのです。そんな庶民向けお手軽購入モデルをご紹介しましょう。



911(996)

ポルシェといえば誰もが真っ先に思い浮かべる911ですが、993(1993-1998)以前のいわゆる空冷モデルは希少性やら「空冷原理主義」みたいな風潮もあり、手に入れるのはなかなか難しいかと。そこへいくと、水冷モデルは販売台数の多さ(流通量)や、原理主義者から無視されていることも手伝って意外なほど安価、というか中古車としての適価で売られています。



996(1997-2004)は初めて水冷システムを備えたフラットシックスを搭載して、日本国内でもそこそこの売れ行きを示したモデル。初代ボクスターとフロントセクションを共有するというスタイリングこそアレですが、プロポーションや乗り味はむろん911そのもの。



若干ギャンブル要素はあるけどポルシェオーナーになるのは夢じゃない! 庶民が買えるポルシェを探してみたらけっこうあった
ポルシェ911のフロントスタイリング



独特の脈動を伴ってまわるエンジンや「エンジンより速い」と称されるブレーキシステムなど、1度は乗ってみたいと思っているならぜひ味わってほしいポイントです。



お値段はグサグサ、ヨレヨレとなると100万円台後半から見つかるものの、これは手に入れてからが大問題。インターミディエイトシャフトやパワステポンプなど、持病もある996ですから、そこはもう少し頑張って「ちゃんとしたショップ」でそれなりのタマをゲットするのが吉。それでも200万円の中盤から300万円近く出せば、とりあえずは走れる911が手に入りそう。



これを911沼のスタートに選ぶというのも賢い買い物かもしれません。



911以外のポルシェなら意外と狙える

カイエン&マカン

ポルシェのSUVはおしなべてフォルクスワーゲンのプラットフォームを活用したモデルとなりますが、あらゆる設定&チューニングはポルシェの頭脳が担っているのが特徴です。大きく重たい図体ながら、ワインディングを予想以上の気持ち良さで駆け抜ける悦びは、やっぱりポルシェならではの魅力。

決して「中身はVWだろ」などと切り捨てられるものではありません。



もちろん、ポルシェ初のSUVとしてカイエンはターボ&NAともにバカ売れして、1年も入庫を待たされたなんて方も少なくありません。



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ポルシェ・カイエンのフロントスタイリング



また、マカンはカイエンほど大きくなく、取りまわしのしやすさや、より洗練されたスタイリングに人気が集中して、ひところはポルシェのなかでもっとも売れているモデルとなったことも。すると、中古車市場でも手に入れやすくなり、お値段にしても一般的な中古車と同じくゆるやかに値下がりしています。



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ポルシェ・マカンのフロントスタイリング



マカンであれば過走行ながら200万円台でフルスペックのモデルが見つかりますし、カイエンとなると100万円以内のタマもチラホラ。で、そうした最安なタマは総じて過走行なわけですが、これ決してネガばかりではありません。古くなってもワーゲンやポルシェの質実剛健なところはあるわけで、消耗品にしても距離からすれば替えられているケースがほとんどでしょう。



つまり、シートの擦れやボディのチッピングといったささいな瑕疵に目をつぶれば、それなりにいい買い物「家族も喜ぶポルシェ」が手に入るわけです。



パナメーラ

市場を眺めて驚いたのが、パナメーラの中古車が意外なほど安価だったこと。乱暴ないい方をすれば、中国のお金もち向けの4シーターサルーンであり、911の通底するスパルタンさは微塵もないクルマ。ですが、ポルシェが考えるラグジュアリーをこれでもかと体現して、スムースでパンチのあるV型エンジンや、911同様かそれ以上のキャパシティを見せる足まわりなど、完成度の高さでいえば同社のラインアップのなかでもトップに位置するといっても過言ではないでしょう。



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ポルシェ・パナメーラのフロントスタイリング



PDKとバリオカムがもたらしてくれる全開加速は、メルセデス・ベンツやレクサスといったライバルを蹴散らすほどの心地よさ。



むろん、手ごろな価格のタマは初代で、過走行といったお約束のビハインドがあるものの、100万円台後半から手に入るとなったら心が動かされませんかね。4.8リッターV8を積んで、4WD、そのうえ純正20インチホイールとか履いてるのに新車の軽自動車よりも安いわけですから、これをお手頃といわずしてなんといえばいいのでしょう。



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ポルシェ・パナメーラのホイールとブレーキ



もっとも、燃費が悪いとか、ブレーキまわりのセンサーがいかれたとか、はたまたナビの調子がいまひとつなんてことになると、ポルシェらしいメンテナンスコストがかかることも事実。



イチかバチかのギャンブルみたいなものですが、昔からいうとおり「虎穴に入らずんば虎子を得ず」でして、手軽にハイパフォーマンス&ラグジュアリーを味わうというわけにはいかないようです。

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