この記事をまとめると
■フェラーリを代表するボディカラーといえば「ロッソコルサ」が有名■ポルトフィーノMでは28色の標準設定色のうち8色がレッド系のボディカラーだった
■これまでのフェラーリの赤系カラーには「こじつけロッソ」も多々あった
フェラーリと赤は切っても切れない関係
クルマの人気色というのはモデルごと、あるいは時代ごとに変わってくるものと相場は決まっています。が、ことフェラーリに関してはレッド、誰がなんといおうとロッソコルサ以外に異論は認められません。
かのF40を作り始める際、ピニンファリーナはどういうわけかカナリヤイエローでデザイン画を提出したところ、エンツォが怒髪天を衝く勢いでやり直しを怒鳴ったとか(諸説あります)。
レッドが似合うというのは、長年フェラーリが刷り込んできたイメージ戦略の成果に違いありません。もっとも、最初はレースのナショナルカラーを意識したものであり、市場での人気などエンツォにとっては二の次だったことはいうまでもないでしょう。
ですが、いまや新車・中古車ともにレッドが一番人気! ポルトフィーノMなどは28色の標準設定色のうち、なんと8色がレッド系という徹底ぶり。クラシカルな色味もラインアップするものの、ポルトフィーノのテイストにあった現代的なレッドも用意されています。たとえば、スペシャルカラーに設定されているロッソポルトフィーノは、塗膜を増やし(3層)光の当たり方によって複層的に色のニュアンスが変わるというもの。大昔のグランプリでは考えられないこだわりです。

グランプリといえば、レースシーンでは定番のロッソコルサ。ですが、2015年にはロッソコルサMという、これまた塗膜にひと工夫が加えられたカラーがラインアップしています。488GTBの設定が最初とされており、そのニュアンスの違いに気づけた方は相当なマニアだったのではないでしょうか。
かなりこじつけ感が漂うロッソもあった
また、「コルサ=競争、レース」といった意味ですが、ロッソムジェロやロッソフィオラノといったサーキットやテストコースにちなんだカラーも有名です。

さらに、ポルトフィーノのようにモデル名にロッソが加わったカラーも最近の傾向で、代表格は12気筒モデルのカリフォルニア登場時に設定されたロッソカリフォルニアとなります。こちらは、西海岸の強い日差しで映える、ビビッドな赤といえるでしょう。
とにかく、バリエーションがどんどん増えているロッソですが、なかにはこじつけとまではいかなくとも、「それもってくる!?」というネーミングもあります。とりわけ、ロッソディーノはV6ディーノ発売時に設定されていたカラーだそうですが、見るからにオレンジだし、厳密にいえばフェラーリでなく「ディーノ」ってブランドだし、付ければいいってもんじゃないような気もします(笑)。

それから、ロッソ70anniはフェラーリ70周年を記念したロッソで、812スーパーファストで設定されています。しかし、2017年からこっちの需要はあるのかどうか、腑に落ちません。
そういう意味では、2022年に追加されたロッソF1-75というのも首をひねりました。いうまでもなく同年のF1マシンにちなんだネーミングですが、チャンピオンシップで2位になったクルマのカラーを喜んで選ぶユーザーがいるのかどうか。むしろ、2023年にルマンで優勝した499Pにちなんだロッソルマン2023オパコ(オパコ=メタリック)のほうが、大いにプレミアムなカラーといえるのではないでしょうか。

いずれにしろ、フェラーリのレッドは永久に不滅。