この記事をまとめると
■新車販売では納期遅延による新規受注停止などが続いている車種が存在する■トヨタ車の人気モデルは購入するよりも「KINTO」で契約するほうが納期は短い
■スズキ・ジムニーは5ドアモデルの受注状況がその他モデルの納期にも影響を及ぼす
トヨタの人気車は新規受注の停止で順番待ちが生じている
いまは昔と違って納期が1年以上に遅延したり、納期遅延にストップをかけるために受注を停止させる車種が増えた。現在の日本車メーカーの多くは、世界生産台数の80%以上を海外で売り、日本国内の優先順位が下がって納期も遅れている。
そして納期の遅延や受注停止は、抜本的な増産をしたり、大幅に人気が下がらない限り短縮されない。
トヨタでは2023年6月に発売されたアルファードとヴェルファイアが受注を止めている。販売店は以下のように説明した。「現行アルファードとヴェルファイアは、発売直後に納期が1年以上に遅延して受注を停止させた。受注した期間はとても短い。そして、2024年12月に改良を実施して受注を再開したが、これも短期間で終了した。弊社の場合、以前購入を希望しながら買えなかったお客さまを対象に改良モデルの受注を行った」。
つまり、受注を停止しても販売店では順番待ちができているのだ。我慢強く待たないと購入できない。アルファードとヴェルファイアは、定額制カーリースのKINTOでは受け付けをしており、3カ月から6カ月で納車できる。ただしKINTOでは、契約期間を満了したら車両を必ず返却するため、自分の所有にはできない。
トヨタではランドクルーザー70/250/300も受注を止めている。

ランドクルーザー250は、KINTOを使えば2カ月から10カ月で納車されるが、前述のとおり数年後の返却が前提だから購入とは異なる。走行距離やドレスアップに関する制約もあり、KINTOに踏み切れないユーザーも多いだろう。
ちなみにKINTOでは、5年で契約した場合は2年間の更新が可能だ。しかし、7年契約では更新できない。つまり最長7年までしか使えない。今後は7年契約でも2年間の更新を可能にすべきだ。そうなれば9年間使えるから、一般的な使用期間を満足させられて、使用形態を購入に近づけられる。
日産やスズキでは一部車種で納期の短縮が進んだ
このほか、日産はフェアレディZが受注を停止していたが、いまは状況が変わった。販売店では「納期は平均約5カ月に収まる。ミッドナイトパープルなどの外装色は約1年を要するが全般的に短い。

その一方で同じ日産のGT-Rはいまでも受注を止めている。「2025年モデルを2024年に発売したが、短期間で売り切れた。受注再開のメドは立っていない」とのことだ。

ホンダのシビックタイプRも受注を停止している。「シビックタイプRの標準仕様は以前から一貫して受注を止めている。追加されたレーシングブラックパッケージも短期間で終了した」という。

変化しているのはジムニーで、追加された5ドアのジムニーノマドは、2025年1月に受注を開始すると数日間で約5万台に達して停止した。販売店では以下のように説明する。
「ノマドの受注再開時期は不明だ。現時点で契約している車両の納車が2025年末までかかるため、少なくとも10月ごろまでは受注を開始できない。3ドアのジムニーシエラは、ノマドの登場を受けて納期が短縮された。

このようにジムニーは、バリエーションモデルの状況によって納期の伸縮が激しい。