この記事をまとめると
■マツダスピードアクセラはハイパワーFFホットハッチだ



■264馬力を発生する2.3リッターエンジンに6速MTのみという硬派なパッケージだった



■中古車はおおよそ150万円台から狙える



マツダにこんな刺激的なモデルがあったのか!?

いまや「FF最速」というキャッチフレーズから思い浮かぶモデルといえば、ホンダ・シビックタイプRという時代になっているかもしれない。しかし、2015年に2リッターVTECターボを積むシビックタイプRが初めて登場するまでは「国産FF最強」はシビックではないクルマを示していたと記憶している。



そのモデルこそ、マツダのCセグメントモデルの最強バージョン「マツダスピードアクセラ」だ。



2000年代に生まれたマツダのブランニューモデル「アクセラ」のホットモデルとして2006年に追加された「マツダスピードアクセラ」は、とにかくパワーに関しては抜群のFFホットハッチだった。



シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のない...の画像はこちら >>



ベースとなる標準系モデルが1.5リッター/2リッターのNAエンジンを積んでいたのに対して、マツダスピードアクセラは2.3リッターDISI(ガソリン直噴)ターボを搭載。さらにトランスミッションは6速MTオンリーで、トルク感応型LSDを標準装備するという硬派な仕様だった。



2.3リッターターボエンジンのスペックは、最高出力194kW(264馬力)・最大トルク380Nmというもの。2020年代の基準でみれば驚くほどのハイスペックに思えないかもしれないが、2006年時点では国産FF最強といって過言のないレベルだった。



シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のないやつお断りの「ジャジャ馬感」も魅力だったマツダスピードアクセラ
マツダスピードアクセラ(初代)のエンジンルーム



ほぼ同じタイミング、2007年に販売開始となった3代目シビックタイプR(FD2型)の積む2リッターNAエンジンが165kW(225馬力)・215Nmだったのだから、マツダスピードアクセラのスペックがどれほどインパクトある数値だったか理解できるだろう。



見た目もインパクト抜群な2代目モデルも登場

そんなマツダスピードアクセラは、じつは1代限りで終わらず、ホットハッチとしてしっかりと進化している。



アクセラ自体のフルモデルチェンジに伴い、2009年に2代目へと進化したマツダスピードアクセラでは、エンジンフードに大きなエアインテークを備えているのが外観の特徴。このインテークは空冷式インタークーラーへ外気を導くもので、ターボエンジンを積んでいることをアピールするアクセントとなっている。



シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のないやつお断りの「ジャジャ馬感」も魅力だったマツダスピードアクセラ
マツダスピードアクセラ(2代目)のフロントスタイリング



なお、パワートレインは基本的にキャリーオーバーで、194kW(264馬力)・380Nmというスペックもそのままだった。いずれにしても、最高出力の発生回数が5500rpm、最大トルクは3000rpmというもので、高回転まで使って楽しむタイプのエンジンではなかったが、非常にトルクフルな性格で、18インチタイヤのグリップを使い切るだけのパワートレインとなっていたのだ。



シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のないやつお断りの「ジャジャ馬感」も魅力だったマツダスピードアクセラ
マツダスピードアクセラ(2代目)のエンジンルーム



つまり、アクセル全開でパフォーマンスを引き出すには、それなりのテクニックが必要なじゃじゃ馬的な顔をもっていたことになる。

だからといって、全般的に運転が難しいクルマというわけではなく、日常的なドライブシーンにおいては、マイルドで乗りやすい面もあるというのが当時の評価だった。



シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のないやつお断りの「ジャジャ馬感」も魅力だったマツダスピードアクセラ
マツダスピードアクセラ(2代目)の走行写真



フルパワー状態でじゃじゃ馬的といっても、アクセラのシャシー性能が劣っていたわけではない。あまりにもトルクフルなエンジンを積んでいたと理解すべきだ。最新のハイグリップタイヤを履かせれば、かなりバランスのとれたホットハッチとなるだろう。



そんなマツダスピードアクセラだが、まだその魅力に気付いているユーザーは多くなさそうだ。中古車の相場でいえば、おおよそ150万円±40万円の価格帯で見つけることができる。



ある程度のアップデートを考慮して期待できるパフォーマンスからすると、この相場はバーゲンといえる。タマ数は多くないので見つけるのは大変かもしれないが、かつての「FF最強マシン」をリーズナブルに味わうラストチャンスといえるかもしれない。

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