4ドアクーペの元祖は国産のトヨタ・カリーナED!
メルセデスの「CL#」シリーズや、BMWの「グランクーペ」などなど4ドアクーペと呼ばれるクルマが増えている。いまや世界的なムーブメントともいえるが、その元祖といえるのは、じつは日本車だ。それが1985年に誕生したトヨタ・カリーナED。
そのカリーナEDは、のちにコロナEXiVという兄弟車も生み出すほど、一大ブームを巻き起こした。さらにトヨタではカローラセレス/スプリンターマリノといったCセグメントの4ドアクーペもラインアップした。他社においてもマツダがペルソナという新型車で4ドアクーペのカテゴリーに参入するなど4ドアクーペが国内市場のカテゴリーとして存在していた。
現在のドイツブランドを中心とした4ドアクーペのブームも基本的には同じ流れといえる。2ドアよりは使い勝手がよく、しかしスタンダードな4ドアセダンよりはスタイリッシュなクルマへのニーズに応えた商品企画だ。また、日本で4ドアクーペが流行ったときには室内の狭さが課題となったが、全幅1.8m級のボディであれば絶対的な全高は低くなくともクーペ的なシルエットとしやすく、室内高もそれなりに確保できる。そういうわけで、4ドアクーペのネガが減ったことも、そのブームの背景にあるといえる。
日本ではクーペ的なシルエットのセダンが主流
あくまで推測だが、以前の4ドアクーペ・ブームを経験したことで、長く続かない一過性のムーブメントとして捉えているという面があるだろう。ルーツといえるカリーナEDにしても3世代で終わっているし、熱狂的なブームといえたのは本当にわずかな期間だ。それ以外の4ドアクーペは、ほとんどがひと世代で終わっている。
また、国産メーカーにおいては、あえてオーソドックスな4ドアセダンと4ドアクーペを作り分けずに、クーペ的なシルエットの4ドアセダンを用意するという選択をしているという風に見ることもできる。トヨタでいえば、最新のクラウンやレクサスLSのフォルムは4ドアセダンとしては流麗なルーフラインで4ドアクーペ的なニーズにも応えようとしていることが感じられる。東京モーターショーにおいてジャパンプレミアを飾る予定のホンダ・アコードにしてもロー&ワイドをコンセプトとしたスタイリングは4ドアクーペ的だ。
かつてのように4ドアセダンはフォーマル性だけを求められる時代ではない。日本車は4ドアクーペに手を出さないのではなく、むしろ4ドア車が全体的に実用性を兼ね備えた4ドアクーペ的な方向にシフトしていると捉えるとしっくりくる。

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