日本で生産され一度海外に輸出された車両を「逆輸入車」と呼ぶ
ここ数年、タイで生産されるトヨタ・ハイラックスやイギリスで生産されるホンダ・シビックの5ドアハッチバック、ハンガリーで生産されるスズキ・エスクードといった、海外で生産された日本車をメーカーが販売するケースが増えている。こういったクルマを逆輸入車ということもあるが、これは厳密な意味では間違いである。
では逆輸入車の正確な定義は何かといえば「日本車なら日本で生産され、海外への出荷後に再度日本に輸入したもの」となるだろう。
逆輸入車の具体的な例としては「日本で生産され、ヨーロッパに輸出された左ハンドルの日産GT-R」や「日本で生産され、アメリカに輸出されたランドクルーザープラドのレクサス版でV8エンジンを搭載する「レクサスGX460」などが該当する。まとめれば日本車の日本で販売されていない仕様やマニアックなクルマとなる(トヨタセリカの4代目から6代目モデルにカタログモデルとして設定されたコンバーチブルは日本でベースとなるクルマを生産し、それをアメリカでコンバーチブルに袈装して日本に送り返すという生産方法だったので逆輸入車に入れてもいいかもしれない)。

デメリットはあるが、日本で売っていない仕様を購入できる
つまり逆輸入車は相当なクルマ好きのためのものとなるわけだが、メリットとしては
・自分が欲しい仕様のクルマに乗れる
・日本でほとんど走っていないクルマだけに注目を集められる
といったことが挙げられる。
逆にデメリットは
・(悪いとは限らないが)左ハンドルとなる可能性が高い
・排ガス規制をクリアしている証明やウインカーレンズの変更など、ナンバーを付けて日本の道を走るためには日本の法規に合格する必要がある
・整備などの際に消耗品以外のパーツをディーラーで買える可能性は非常に低い
・価格が安いということは少ない
など面倒なことも多い。そのため相当なクルマ好き向けのものとなるのだ。
逆輸入車を自分のものにする方法としては海外でクルマを買い、輸出から日本仕様への変更まで自分でやるという手もあるが、必要な時間や手間も考えると普通の人には非常に難しい。そのため逆輸入車を扱っている業者で買うというのが現実的だ。逆輸入車を得意としている業者に頼めば費用はともかくとして入手から整備まで任せられるので安心。

といったことを総合すると逆輸入車は「デメリットを受け入れた上でどうしても欲しい、日本で売っていない日本車がある」という人であれば考える価値のある存在といえる。