人気になった後継とは異なる路線を目指していたモデルも!

長く続いている車名というのは、それだけ長く多くの人に愛されている車種ということが言える。しかし、そのなかでも特に人気の高い世代というものも存在していることが多い。では、その大人気の世代の前のモデルはどんなものだったのか? 今回はそんな有名「前夜」のクルマを振り返ってみよう。



1)日産R32スカイライン前夜のR31型

現行型で13代目となるスカイラインは歴代でも数多くのヒットを生み出しているが、やはり今現在一番知られているのが8代目のR32型ではないだろうか? なんといっても16年振りに復活した「GT-R」を擁する世代として知名度が高いのも頷けるハズ。



ではその一世代前のR31型はどうだったかというと、当初は4ドアのみのラインアップで高級路線に向かおうとしたものの、スポーティさを求める市場の声に押される形で2ドアモデルも追加するなど、やや迷走気味と言える世代だった。



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しかし、世界初の4輪操舵システムとなる「HICAS」を装備したり、87年8月にはグループAのホモロゲーションモデルとして「GTS-R」が800台限定でリリースされるなど、R32に繋がる要素は多く存在していた。



2)トヨタA60セリカXX前夜のA40、50系

セリカXXと言えば日本ではスープラの前身としても知られるモデルであるが、1981年に登場した2代目モデルは漫画「よろしくメカドック」の作中でも大活躍した車種として、アラフォー世代には特に強い印象を残している。



リトラクタブルヘッドライトを備えてスポーティな印象のA60系セリカXXだが、その前のA40、50系はどちらかというとベースとなったセリカの印象を強く残した角目4灯フェイスであり、スポーティというよりはラグジュアリーな雰囲気を持ったモデルとなっていた。



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これは先んじて北米市場で成功を収めた日産フェアレディZに対抗するグランドツーリングカーとして誕生したが故で、上級グレードにはイギリスのコノリーレザー製のシートがオプション設定されていたことからも、そのキャラクターがわかるだろう。



販売が終了した現在でも人気のあるモデルの前型は個性的だった

3)三菱ランサーエボリューション前夜のランサーターボモデル

三菱が誇るラリーウェポンであったランサーエボリューション。これは乱暴にいってしまえば、それまでギャランに搭載されていた2リッターターボエンジンとフルタイム4WDのメカニズムを5ナンバーサイズのランサーに押し込んだもので、ラリーで勝つために生まれたまさに戦うクルマだった。



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ではランエボ登場以前のランサーは大人しいコンパクトセダンだったのかというと、そうではない。古くは初代モデルからラリーに参戦していた歴史のあるランサーだけに、3代目モデルにも「GSR」というグレードが存在していたのだ。



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これはフルタイム4WDであることはランエボと同様ながら(2WDもあり)、搭載されるエンジンは1.6リッターターボで、最高出力は145馬力というもの。このエンジンは後にハイオク仕様となり、出力は160馬力まで向上。競技車両ベースとして「GSR RS」という受注生産グレードも用意されていた。



4)日産S13シルビア前夜のS12型

販売終了から20年以上が経過した現在でも、ドリフト競技などでは現役バリバリで使われているS13型シルビア(及び兄弟車の180SX)。S15型まで基本プラットフォームを引き継いでいたことも人気の理由ではあるが、それでも息の長い人気を誇っていると言える。



その一世代のS12型は、歴代シルビアの中で唯一リトラクタブルヘッドライトを採用したモデルであり、ハイパワーエンジンを搭載するグレードはついにリヤサスペンションがセミトレーリングアームの独立式となったのがトピック(それまでリアサスは固定式だったのだ)。



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また前期型では2リッターのFJ型と1.8リッターのCA型という2種類のエンジンが存在していたが、マイナーチェンジでFJ型が消滅し1.8リッターのみとなり、兄弟車のガゼールが廃止されるなど一時は存続を危ぶむ声もあったようだが、結局新型が登場したのはご存じのとおりである。

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