悪路も含めた高い走行性能と高級車テイストを持ち合わせている

メーカーであるランドローバーは紆余曲折ありつつ、その昔はランドローバーシリーズがあったが、現在はモデルとしてのランドローバーはなく、レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリーの3シリーズが日本にラインアップされる。



そのレンジローバーはイギリスらしいSUVの筆頭格なのだが、別名「砂漠のロールス・ロイス」と呼ばれることがある。他メーカーのクルマにたとえられるのも微妙なところだが、相手がロールス・ロイスだけに名誉ある響きだろう。



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そもそもなぜそのように呼ばれるようになったかというと、まずはランドローバーの歴史にポイントがある。ランドローバーのルーツとなるのがシリーズ1で、第二次世界大戦直後にアメリカのジープ的なものとして作られた。そのため、軍用車としてイギリスの特殊部隊で使われていて、そのなかでもピンクパンサーはミリタリー好きならお馴染みだろう。その名の通り、ピンクに塗られていて、一見すると派手ではあるが、実際は砂漠に溶け込む偽装として効果があった。



世界最高峰の「超絶高級車」に例えられるのはなぜ? レンジローバーが砂漠のロールスロイスと呼ばれるワケ



またアフリカのサファリツアーで、ボンネットの上にスペアタイヤを積んだ、無骨な車両が出てくることがあるが、それもランドローバーである。このように、当時のイギリスは植民地が海外にあるなども関係して、アフリカや中東の過酷な場所で使われていることが多かった。ここに砂漠でのハードユースに耐えるランドローバーというイメージができあがったと言っていい。



「頭文字」が同じだから砂漠のロールスロイスだという珍説も!

そしてメーカーとしては紆余曲折ありつつ、イギリスメーカーの集合体であるBL(ブリティッシュ・レイランド)に属していたランドローバーで持ち上がったのが、それまでのノウハウを活かしつつ、悪路も含めた高い走行性能と高級車テイストを持ち合わせたモデルの開発。その成果として1969年にプロトタイプが発表され、1970年に発表されたのがレンジローバーとなる。ちなみにプロトタイプはヴェラールという仮称で呼ばれていたが、今でもモデル名に使われている。



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レンジとローバーの頭文字がRRとなることから、ロールス・ロイスと同じだからそう呼ばれるという珍説もあるが、そのルーツからすると当然の愛称と言っていいだろう。実際、発表時の謳い文句は「ラグジュアリー、エステート、ハイパフォーマンス、クロスカントリーの4つの要素を持ち合わせたクルマ」というもので、このときすでにコンセプトというか方向性が「砂漠のロールス・ロイス」であったことがわかる。



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イギリスの高級車らしいプレーンなデザインながら、アルミボディの走行性能は高く、初代は1970年から1996年まで26年間もの間作られて、日本でも富裕層や芸能人などが好んで乗っていたものだ。また、イギリス王室御用達にもなっている。



実際に運転してみると、飛ばすようなクルマでは決してなかったが、トルクあふれるエンジンと、レザーシートなど、イギリスの高級車然とした作りの良さは当時としては唯一無二。現在はプレミアムSUVが大流行だが、その先駆けとなるモデルと言っていいだろう。もちろんレンジローバーは現在も新型へと進化しつつ、初代からのコンセプトはしっかりとキープしている点に注目したい。



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