幅寄せしたり無理やり割り込むのは違反!

初心者マークに四葉マーク、そして障害者マーク(クローバーマークと蝶マーク)などのクルマに表示するマークは、それを表示するドライバーの「交通事故防止と保護」を目的に制定されたもので、周囲のドライバーはそれらのクルマが、安全に通行できるように配慮する必要がある。



では、具体的にどのような配慮をしなければならないのか、改めて確認しておこう。



1)初心者マーク=初心運転者標識

初心者マークの正式名称は「初心運転者標識」。



若葉・四葉・蝶々・クローバー! クルマに表示されるマークの意...の画像はこちら >>



普通自動車免許取得後、1年未満のドライバーに表示の義務があり、初心者マークを表示しているクルマに対し、周囲の他のドライバーが



・側方に幅寄せをする



・前方に無理やり割り込む=必要な車間距離が保てなくなるような進路変更



を行なうと、「初心運転者等保護義務違反」となり、違反点数1点、反則金6000円(普通車)のペナルティが課せられる。

(※危険防止のためやむを得ない場合を除く)



ちなみに初心者マークの表示義務があるドライバーが、表示義務を怠った場合、違反点数1点・反則金4000円となる。



2)蝶マーク=聴覚障害者標識

平成20年6月から聴覚に障害のある方(補聴器を用いても10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音が聞こえない人)が免許を取得できるようになり、該当者は「特定後写鏡」(ワイドミラー)の装着とこのマークの表示が義務づけられている。



若葉・四葉・蝶々・クローバー! クルマに表示されるマークの意味と「やってはいけない」違反事項とは



蝶マークは、両耳の形がモチーフで、「聴(覚)」と「蝶」をかけたデザインになっている。



周囲の運転者の遵守事項は、基本的に初心者マークと同じ。聴覚障害者標識を表示したクルマに対して幅寄せや割込みをした運転者は、下記のように処罰される。



違反点数1点、反則金6000円(普通車)。



また、聴覚に障害のある方は警音器(クラクション)の音で危険を認知できないことがあるので、聴覚障害者標識を表示したクルマを見かけた場合、必要に応じて徐行・減速をするなどし、安全に通行できるように配慮することが重要だ。



クローバーマークと車椅子マークは意味が異なる!

3)四葉マーク=高齢運転者標識

従来の「もみじマーク」に代わって2011年2月に登場した高齢者ドライバーであることを知らせるマーク。表示は任意で、70歳以上で身体機能低下が運転に影響を及ぼすおそれがある人に「努力義務」として表示を促している。



若葉・四葉・蝶々・クローバー! クルマに表示されるマークの意味と「やってはいけない」違反事項とは



表示義務はないが、表示しているドライバーに対しては、初心者マークのクルマと同じ配慮が求められ、守らない人は「初心運転者等保護義務違反」となる。罰則も同じだ。



若葉・四葉・蝶々・クローバー! クルマに表示されるマークの意味と「やってはいけない」違反事項とは



4)クローバーマーク=身体障害者標識

肢体不自由であることを理由に、運転免許に条件を付されている人が表示するマーク。表示は任意で、努力義務となっている。



若葉・四葉・蝶々・クローバー! クルマに表示されるマークの意味と「やってはいけない」違反事項とは



このクローバーマークが表示されているクルマにも、「側方に幅寄せをする」「前方に無理やり割り込む」のは厳禁。

違反者は「初心運転者等保護義務違反」で罰せられる。



このクローバーマークに似ているものに、「車椅子マーク」があるが、「車椅子マーク」は障害者が乗車していることを表すもので、身体に障害がある人が運転しているとは限らない。



若葉・四葉・蝶々・クローバー! クルマに表示されるマークの意味と「やってはいけない」違反事項とは



これら四つのマークに共通するのは、「側方に幅寄せをする」「前方に無理やり割り込む」が許されないこと。



「初心運転者“等”保護義務違反」とあるように、これらのマークの表示車(+仮免許練習中の表示も)にプレッシャーをかけたり、きわどい接近をするのは違反となる。



いずれも周囲が安全に通行できるように配慮する必要があるからこそ、これらの表示をしているわけなので、これらのマークを見かけたら、車間距離を広めにとって、心も広く優しく接するよう心がけよう。

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