先払いにしても入れ逃げは多発しないだろう
導入当初はいろいろと問題が指摘されたものの、始まってしまえばとくに大きな混乱もなく、今や身近な存在になっているセルフスタンド。クルマに乗ったことがある人で、利用したことがないというのはほとんどいないのではないだろうか。
日常の利用で不思議というか、面倒に思うのが支払いだ。クレジットカードやプリペイドなどでの支払いでは問題ないが、現金払いの場合、先にある程度の金額を入れて、そのうえで給油をして、実際の料金との差額をおつりとして戻してもらう。つまりデポジット制なのだが、なんとなくはわかるものの、正確にどれぐらい入る、どれぐらいの支払いになるかはわからないのに、予想して現金を入れるのはおかしな感じだ。「3000円だけ」みたいな入れ方もあるが、この場合も本当に3000円を使い切るまで入るかはわからない。「20リッター」という選択も同様だ。
まず理由としては思い浮かぶのが入れ逃げだ。預かり金、つまりデポジットという仕組み自体が、ユーザーとして信用されていない感があるのは事実で、ガソリンという高価なものを扱うスタンドの場合なおさらだろう。
ただしそれだけではない。もうひとつの理由は、やはり人手の問題だ。海外では多いが、セリフスタンドでも後払いのところがたまにある。それを見ているとカウンターがあって、スタッフが24時間支払いに対応してくれる。これを維持するのは大変ということで、機械任せの前払いが主流になっているのだ。

ただ、関係者に聞くと、後払いにしても逃げるクルマはほとんどいないという。防犯カメラがたくさん付いているのは利用者もわかっているし、ナンバーが付いているのでなおさらだろう。つまり足がつきやすいのが理由なのではないかとのこと。
また後払いのメリットはスタンド側にもあって、給油量や給油機ナンバーが入ったレシートをレジまで持って行かなければならないが、そうすると洗車や車検などをすすめやすいし、コンビニのような物販コーナーを作れば副収入も期待できる。つまりスタンド側としては、先払い、後払いのどちらにもメリットがあると言っていい。