再学習時のコツは「リセット直後に高回転域を連続使用すること」
最近のクルマのコンピュータにはいろいろと学習機能が備わっている。とくにATの場合、「学習機能付きAT」が標準になってきた。
「学習機能付きAT」とは、文字どおり、ドライバーの運転傾向に合せて、およそ10パターンのプログラムから最適なマップを自動的に選択する仕組みになっている。
たとえば、通常は2速発進としているが、いつもアクセルを強めに踏んで加速している人は、1速発進にしたり、エンジンブレーキのタイミングを変えたりと、いろいろ変速パターンを変えながら、燃費や環境性能とその人に合った快適な走りを両立させようとしているわけだ。
この学習機能はリセットすることも可能なので、中古車を購入した人や、吸排気系などをチューニングした人は、一度リセットして素の状態に戻してみるのもひとつの手。学習機能によって、変速タイミングがどう味付けされていたか体感できるチャンスになる。リセットしたとしても、そこから再学習がはじまるので、最初は少々違和感があっても、やがてオーナーの運転にあったマップがチョイスされるので大丈夫。
ECUチューニングに強いショップで聞いたところ、再学習時のコツは「リセットした直後に、積極的に高回転域を連続使用すること」と教えてくれた。

最初に高回転まできっちり回せば、あとは普段乗りのシチュエーションからいろいろ合せ込んでくれるらしい。
もっとも、いつだってゆったりゆっくりしか走らないという人は、そのまま普段通りの走りのままでかまわない。コンピュータが一番燃費によくて、変速ショックが少なく、排ガスがきれいになるマップを選んでくれるはずだ。
反対に、「最近変速ショックが大きくなった気がする」といった場合は、学習機能をリセットすると症状が改善する場合もあるので、一度ディーラーに相談してみるのもいいだろう。
※バックアップ電源をつながずに、バッテリー交換をすると学習機能がリセットされる場合もあるので要注意