この記事をまとめると
■「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」を令和3年度補正予算案に計上■登録BEV80万円、軽規格BEV50万円、PHEV50万円、FCEV250万円が購入補助される
■11月26日以降に登録した車両が対象で、あっという間に消化してしまう可能性もある
いままでの補助金と比較しても破格の条件となっている
経済産業省が11月26日に、BEV(バッテリー電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)を対象とした、「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」が令和3年度補正予算案に盛り込まれたことを発表した。
登録BEVで80万円、軽規格BEVで50万円、PHEVで50万円、FCEVで250万円を最大限度として購入補助されるというものである。
この発表があった翌週に、さっそく三菱自動車系ディーラーを訪れた。
三菱自動車ではちょうどエクリプスクロスPHEVが一部改良を行い11月25日に発売されたばかりなので、さっそくセールスマンに補助金について聞いてみた。
「PHEVで最大50万円という購入補助はいままでの補助金と比較しても破格なものとなっております。この補助金についての報道があったのが金曜日です。そして、翌日の土曜日、翌々日の日曜日には、今後発売予定(取材時は未発売)の新型アウトランダーPHEVも含め、多数のご購入をご検討されているお客様がご来店されました。そして、受注も多くいただいております」と、すでに補助金効果のある様子を語ってくれた。

「バッテリーのみでのBEV走行は40~50kmほどとなっております。電気を使い果たしたあとは“プリウス的”にお乗りいただくことになります。現状では市中での充電インフラが充実しているとはいえません。そのため、いまの日本ではBEV購入は敷居が高いことは否定できません。その意味でもPHEVがお客様のなかで注目されているようです」とも語ってくれた。
11月26日以降に登録された車両が対象となる
しかし、「この補助金はあくまで令和3年度の補正予算案に組み込まれているので予算規模はそれほど多くないものと考えられます(取材時はまだ予算規模の発表はなかった)。そのなかで、PHEVで最大50万円、FCEVなら250万円が台当たりの補助金額となるので、早期に予算消化してしまうことを懸念しています」とも語ってくれた。
聞いたところでは、エクリプスクロスPHEVの納期は意外にも2カ月ほどとのことなのだが、「発売に先立ち部品を集めて一定台数を生産した“初期ロット”生産車両での納期となるようで、現状では一定台数の完成車在庫があるようだが、これがセカンドロットになると、やはり納期遅延は避けられなくなるのではないか」と事情通が説明してくれた。
また、前述したとおり11月26日以降に登録(軽自動車は届け出)した車両が対象となるので、たとえばすでに発注していたものの、納期遅延で納車がずれ込んでいて、11月26日以降の登録となったトヨタRAV4 PHVといったケースでも、当然ながら補助金交付の対象となるので、予算をあっと言う間に消化してしまう可能性はより高いのではないかとの話も新車販売現場では囁かれている。

2022年にトヨタがトヨタブランドにおいてBEVを発売予定しており、今回の補助金効果を検証し、さらに事業規模の大きい補助金制度が用意されるかもしれないと、期待する声も大きい。
