この記事をまとめると
■残価設定ローンはいま主流になりつつあるクルマの購入方法のひとつ■今回注目するのは残価設定ローン上がりの中古車
■メリット・デメリットを解説する
いま7~8割が残価設定ローンとなっているディーラーも
自動車メーカーなどによって名称は異なるが、残価設定ローンが流行している。トヨタでは現金、通常ローンとあるなかで、購入方法としてもっとも多く、ディーラーによっては7割から8割ぐらいの比率だという。
残価設定ローンについて簡単におさらいしておくと、4年後など乗る期間を決めて、そのときの買取想定価格を予め引いた金額をローンにして支払うというもの。
下取り価格の先払いみたいなものなので、魅力は月々の支払いを安くできて、1ランク、場合によっては2ランク上のクルマに乗ることが可能だ。また人気が高いほど買取価格が高くなるのも特徴で、一時話題になった「ハリアーが人気で残価設定が有利になって、RAV4よりも気軽に乗れてしまう」現象も起こったりする。全体的にはリセールバリューで有利なトヨタ車向きとも言えるが。
一方、注意すべき点として、そもそも自分のものではなく、リースみたいなものだということ。契約終了時に買い取る(現金一括もしくは再ローン)ことができるが、そうなると総支払額でけっこうな金額になってしまうこともある。また、ぶつけたりしたりすると査定が落ちるので追加金が発生したり、過走行もダメ。元に戻しにくいカスタムも不可能だ。ちなみにローン会社によっては、残価保証のものもあるので探してみるのもいいだろう。
というのが、サービスの簡単な内容だが、今回注目するのは残価設定ローン上がりの中古車たちだ。
程度の良さが特徴
じつは中古車としては狙い目で、距離にしばりがあるのでユーザーはサンデードライバーが中心。基本的にはディーラーで行っているローンなので、点検などの入庫が定められていることが多く、乗りっぱなしということはほとんどない。
購入できる場所は意外にも広範囲に及び、イメージ的には当然メーカー直系の中古車センターが多いだろう。実際に行ってみると表示はされていないが、聞ければ教えてくれて、確かにたくさんの在庫がある。また、新車ディーラーでも「中古車あります」的な案内を見るが、これも同様だ。ただ、6年ぐらいの長期の契約のものだと走行がかさんでいることもあり、この場合はメーカー系の中古車センターでは売りにくいこともあるので、オークションに流れて一般の中古車店に置かれていたりする。

肝心の価格については残価設定ローン落ちだから安いというわけではなく、新車の生産が滞っている分、中古車価格は高騰している。実際、メーカーやディーラーの業績がそれほど落ちておらず、逆に利益が上がっている場合があるが、大量に発生する残価設定ローンが終わった中古車が高値で売れているからというが理由だったりする。
中古車として購入する側からするといいことは多いが、強制的に中古車が大量発生するシステムだけに、バランスが崩れないかは気になるところ。実際の下取り額が想定を下まわった場合、逆ざやが発生するなど、けっこう危うい面もあるのが残価設定ローンだ。