この記事をまとめると
■新型車が似たような時期に新型を発表する謎を解説



■人気カテゴリーのクルマは、新車を望むタイミングが被りやすい傾向にある



■ライバル車が同じタイミングに出てくる現象は50年以上前からあった



人気カテゴリーがみんな同じようなタイミングで新車を出す理由

2022年は「ミニバンの年」になる。まず1月13日には、ノア&ヴォクシーがフルモデルチェンジを行って新型が登場した。ノア&ヴォクシーは人気車だから、ステップワゴンも手を打たないわけにはいかない。

そこでステップワゴンは、2021年12月10日にホンダのホームページでティザーキャンペーンを開始して、2022年1月7日には、もう少し詳しいデザインや機能について明らかにした。2月5日になると販売店では価格を明らかにして、2月中旬からは予約受注も開始した。



ノアヴォク・ステップワゴン・セレナは全部2022年! 「ライ...の画像はこちら >>



この後もステップワゴンは受注を続け、5月26日に正式な発表を行う。翌日の27日には、納車を伴う発売となる。ティザーキャンペーンの開始が前述の2021年12月10日だから、ユーザーは約半年も待たされることになった。



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この背景には、ノア&ヴォクシーのフルモデルチェンジに加えて、ステップワゴンが生産工場を移転する事情もある。従来は狭山工場で製造していたが、閉鎖になるから埼玉製作所に移す。この作業のために、生産の立ち上がりに時間を要した。



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ちなみに販売店によると「ステップワゴンの予約受注を2022年3月中旬に行った場合、納期は9月頃になる」という。発売が5月27日だから、納車がそれ以降になるのは当然で、そこを踏まえると9月であればさほど遅延していない。納期は6カ月弱で、予約受注の急増はないのだろう。



ミニバンが欲しい層は、みんな同じような時期に新型を求める

ライバル車のノアの納期は、ノーマルエンジンが4カ月で、ハイブリッドは8カ月、ヴォクシーはノーマルエンジンが5カ月、ハイブリッドは9カ月で、安全装備のオプション装着によってはさらに2カ月伸びる。

つまり最長では約1年も待たされるから、ステップワゴンは予約受注の段階ではあるが、納期はノア&ヴォクシーよりも短い。



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そしてノア&ヴォクシーとステップワゴンのライバル車として、日産セレナも挙げられる。これも2022年の終盤から2023年に掛けて、次期型にフルモデルチェンジされる予定だ。



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※写真は現行型



このようにライバル同士が一斉にフルモデルチェンジする理由をメーカーの商品企画担当者に尋ねると、以下のように返答した。「ミニバンは、基本的に国内専売になる。つまり同じターゲットのお客様に対して複数のメーカーが商品を開発しているため、デザイン、機能、価格、発売時期まで重複しやすい。みんな同じ時期に同じことを考えているわけだ」。



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2020年から2021年には、ヤリス、アクア、フィット、ノート、ノートオーラ、が続けて登場して、コンパクトカーの主力車種が一新されている。偶然的な要素も多分にあるが、メーカーがコンセプトを煮詰め、開発をスタートさせ、商品化に至る時期は重なりやすい。



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これは今に始まったことではなく、1966年にはトヨタカローラと日産サニーの初代モデルが同時に発売され、マイカー元年と呼ばれた。



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ミニバンに話を戻すと、セレナがフルモデルチェンジを行うと、暫くはこのカテゴリーから新型車が登場しない。セレナの登場を待ち、ノア&ヴォクシーやステップワゴンと比較した上でベストな車種を選ぶと、間違いのない購入が行える。

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