この記事をまとめると
■日本のトップレーシングドライバーである平川亮の妹が全日本ラリーにデビュー
■平川真子は18歳でレーシングカートを始めてレースからラリーに転向
■車両はトヨタ86を使用
18歳でレーシングカートを始めた
長年にわたってスーパーGTおよびスーパーフォーミュラで活躍するほか、2022年はトヨタGAZOOレーシングよりWECにデビューするなど国内外のレースシーンで活躍する平川 亮。3月18日にはアメリカのセブリングで開催されたWEC第1戦「セブリング1000マイル」で2位入賞を果たしたが、その同じ週末となる3月18日~20日、愛知県新城市を舞台に開催された全日本ラリー選手権の第1戦「新城ラリー」には平川亮の妹、平川真子が参戦しており、全日本ラリーへのデビューを果たしていた。
平川真子は18歳からレーシングカートをはじめ、2018年にはKYOJO CUPで四輪レースにデビュー。
「兄と親交のある勝田(貴元)選手がWRCに出ているので、映像とかを見てすごいなぁ…と思っていました。でも、あまり詳しくはなくて、コドライバーが何をしているのか、あまり良くわかりませんでしたが、ラリー競技を始めた父からラリーの魅力を聞いているうちに自分でも始めたいと思いました」。

こうしてラリー競技へ興味を持った平川真子は前述のとおり、ヌタハララリースクール、そして九州の地方選手権を経て、ついに2022年より全日本ラリー選手権への参戦を開始したのだが、平川家のDNAなのだろう。WECで活躍した兄の平川 亮と同様に、妹の真子もターゲットとなるJN3クラスで安定した走りを見せていた。
難易度が高くリタイヤ多数の新城で堂々の完走は十分なデキ!
SS1は前走車のクラッシュの影響により規定タイムが与えられたものの、SS2、SS3で8番手タイムをマークし、「ペースノートを聞いて走れたんですけど、まだノート作りの部分で不足しているところがわかりました」とのことで平川真子はレグ1を8番手でフィニッシュ。さらにレグ2ではこの日のオープニングステージ、SS4が計測器のトラブルでキャンセルとなるなか、平川真子はSS5で8番手タイム、SS6で9番手タイムをマークし、「昨日の課題をペースノートに入れ込んで、抑えるところは抑えて、行けるところは行くような走りで、いい経験ができました」とのことで、全日本ラリー選手権のデビュー戦をクラス8位でフィニッシュした。

リザルトだけを見れば、WECのデビュー戦で2位入賞を果たした兄の平川 亮と比べると目立った成績ではなかったが、JN3クラスはFRのスペシャリストが集う激戦区だ。加えてテクニカルな雁峰とハイスピードの鬼久保を主体とする新城ラリーは難易度が高く、今大会も数多くのドライバーがリタイヤしたことを考えると、初参戦の新城ラリーで完走したことは平川真子にとって大きな手応えとなるに違いない。

「ミスをしたら、その瞬間に終わるので、サーキットのレースとは違う走り方が必要ですがラリーは楽しいです。ペースノートの作り方が難しいんですけど、全日本ラリーは距離が長くて、いろんなコーナーが多いので学ぶことが多い。

ヌタハララリースクール代表の奴田原も「もともとレーシングカートをやっているのでドライビングスキルは高いと思います。あとはラリーにどう生かしていくのか、たとえばペースノートを作って1回目でちゃんと走れるようになるためには経験値が必要になってくる。それでも最初に比べると確実に進化していて、自分のペースノートが作れるようになってきたと思います」と高く評価するだけに平川真子の成長に注目したいものだ。
