この記事をまとめると
■現在販売されているEVの航続距離ランキングを作成■テスラの航続距離は長く、他社よりも優位に立っている
■輸入車ばかりのEV市場だが、日産リーフの性能もまだまだ一級品
いま買えるBEVの航続距離を比較してみた
カーボンニュートラルが世界共通の目標となってから、電気自動車は一部の好事家が買うものから一般に普及すべきものになっている。
しかし普及を加速させるには、満充電から走行可能な距離、カタログの項目でいう一充電航続距離をもっと伸ばす必要があるという意見も少なくない。
電気自動車のある生活を経験していない人にとっては「大は小を兼ねる」とばかりに一充電航続距離が長いことが電気自動車選びの重要なファクターとなっているようだ。
とはいえ、一充電航続距離というのは電気自動車において重要な指標であることは間違いない。そこで、2022年4月時点で購入可能なメーカー希望小売価格が発表されているモデルから航続距離が長いモデルを、各ブランドの代表として単純に並べてみたのが、以下のランキングだ。

テスラについてはモーターやバッテリーの詳細スペックが不明なので、最低限のバッテリーと高効率のシステムで航続距離を稼いでいるのか、多量のバッテリーを搭載しているのか確実な情報はないのは残念だが、いま日本で正規販売されている電気自動車のなかで、もっとも一充電航続距離が長いのはテスラ・モデル3ロングレンジAWDとなった。

その距離689km。東京から愛知県・豊田市までの新東名高速を使って移動すると、だいたい片道300kmほどなので、カタログ値通りに高速走行ができれば往復可能な距離といえる。もちろん高速巡行でカタログ値どおりの電費が出るとは限らないが、そのくらいの走行を考えられるレベルの航続距離を有しているというわけだ。
意外にも日本車が大健闘していた
それにしても300km離れた目的地まで途中で経路充電することなく往復できるというのは十分に実用性が高いといえる。テスラ・モデル3を見かけることが増えているのも納得だ。
そんなテスラに迫っているのが多量のバッテリーを搭載して航続距離を稼いでいるBMW iXだが、車両価格が倍近く、実際に比較検討するようなことはないだろう。

実際の愛車選びにおいてはコストパフォーマンスも無視できない。
そこで、車両価格1万円あたりの航続距離を計算してみたのが次のランキング一覧。

ここでトップとなったのは韓国からの刺客、ヒョンデ・アイオニック5だ。1万円あたりの航続距離が約1.2kmというのはライバルと比べて圧倒的に優秀だ。なにしろ、この計算におけるランキングでは0.3台の数字となっているモデルもあるほどだ。

それに続くモデルはモデル3なのだが、先日のマイナーチェンジで価格を下げた日産リーフe+を計算してみたところ、アイオニック5とモデル3の中間的な位置にくることがわかった。日産の電気自動車としては、ニューモデルのアリアに注目しがちだが、熟成と改良を重ねているリーフは、まだまだ一線級のパフォーマンスを持っているというわけだ。

また、SUBARUソルテラ、トヨタbZ4Xといった最新の国産電気自動車も0.9km/円を超える数値となっていて、コスパでみると高く評価できる。

ともすれば国産の電気自動車は技術的に遅れていて割高という先入観があるかもしれないが、こうして数字で比較してみると意外に健闘している部分もあるといえるだろう。