この記事をまとめると
■9月27日は女性ドライバーの日■そこでこの記事では女性ドライバーを紹介
■5人の選手をピックアップした
世界で活躍する女性ドライバーたち
9月27日は女性ドライバーの日。1917年に栃木県の渡邊はまさんが、日本で初めて女性として運転免許を取得したことにちなんで制定されています。はまさんは勤めていた会社の社長付きの運転手で、なかなかの運転テクニックの持ち主だったんだそうです。
まず1人目は、モータージャーナリストとしても第一線で活躍し続けている、佐藤久実さん。スラリとした長身の体躯と美貌、サバサバした性格と的確なドライビングテクニックで、多くの人たちに愛されてきた女性ドライバーです。レースのキャリアは大学在学中の1986年にツーリングカーレースからスタートしており、JTCやN1耐久レースでキャリアを積んだのち、1997年からGT選手権(現在のスーパーGT)に参戦。キャバリエ、セリカ、MR-Sなどをドライブし、女性ドライバー最多の26戦の戦歴を残しました。また、1998年には第2戦の富士で元歌手・女優で現在参議院議員である三原じゅん子さんとペアを組んでエントリー。唯一の女性ドライバーチームとして記録されています。そして日本を飛び出し世界でも、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦。2012年と2014年にはクラス優勝を果たしています。
2人目は、2005年にインディカーシリーズにデビューし、いきなりの大活躍でルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた、ダニカ・パトリックさん。クールな表情の美女で、日本にもファンの多かったアメリカ人女性ドライバーです。

2011年を最後にNASCARに転向しましたが、2018年、引退レースに選んだのはインディでした。残念ながらクラッシュによるリタイヤでキャリアを閉じたダニカ選手でしたが、最後までサーキットを沸かせ、颯爽と去る姿がとてもカッコよく、彼女の美学を感じたのでした。
井原慶子さんは日産の社外取締役に!
3人目は、日本で経験を積んだ後、世界のモータースポーツに挑んだ井原慶子さん。モデル、レースクイーンとしてモータースポーツの世界を知り、自分も走りたいとドライバーに転身。1999年のフェラーリ・チャレンジでデビューし、GT選手権でも2戦を闘っています。その後、日本を飛び出して2001年にフランスF3、2005年にイギリスF3に参戦し、2012年にはWEC(世界耐久選手権)に唯一の日本人女性としてシリーズ参戦。4度の入賞を果たし、日本人女性として初めて世界選手権ポイントを獲得しています。現在は自動車産業や自治体とともに、環境車のインフラ整備や女性が活躍しやすい環境づくりにも注力。

4人目は、過去にたった5人しかいないF1に参戦した女性ドライバーのうち、予選を通過し、決勝に進出したのはたった2人。そのうち、初めて女性として入賞を果たしたイタリア人女性ドライバーのレラ・ロンバルディさん。彼女は史上初の女性F1ドライバーとなった、マリア・テレーザ・フィリッピスさんに次ぐ史上2人目で、1974年にブラバムレーシングよりF1デビューを飾りました。翌年、マーチ・エンジニアリングに移籍して参戦したスペインGPにて、6位入賞。現在もF1史上、女性最高位として記録されています。
ちなみにもっとも最近では、1992年にブラバムからジョバンナ・アマティさんという女性ドライバーがF1に参戦していますが、残念ながら決勝進出を果たすことはできませんでした。その後30年にわたり、F1ドライバーは男性のみ。この沈黙を打ち破る女性ドライバーの登場が期待されます。
そこで5人目は、今現在もっとも日本人女性ドライバーとして、F1に近いと言われている、野田樹潤(Juju)さんです。なんといっても、彼女の父親は元F1ドライバーの野田秀樹さんというサラブレッド。まだ16歳ながら、2022年はF1のサポートレースであるWシリーズに最年少でシリーズ参戦中なのです。

このWシリーズはまさに、将来的にF1を目指す世界各国のトップ女性ドライバーの登竜門ともいえるレースシリーズ。10月に鈴鹿で開催される日本GPにもやってくるため、Jujuさんの生の走りを見られるチャンスとして期待されています。また、Jujuさんの後援会である「Juju Supporters Club」の会長には、なんと三原じゅん子さんが就任。これは野田秀樹さんが現役時代に所属していたTOM'Sの同期というご縁もあったのだそう。モータースポーツの先鞭をつけてきた女性ドライバーたちの努力が、若い才能に引き継がれているような気がして、胸が熱くなりますね。
ということで、世界で名を残した女性ドライバーたちに敬意を表し、世界トップを目指して現在進行形でがんばる女性ドライバーたちに、心からのエールを送りたいと思います。