この記事をまとめると
■クルマのナンバーの取り付け基準について解説■登録車のナンバーが封印されるのは後ろのみ
■しかし取り外していいわけではない
現在ダッシュボード上に置くことなどは禁止
クルマのナンバープレートはリヤだけが封印されている。つまり自由に外すことはできず、もし修理などの都合で封印を壊してナンバープレートを外した場合、あらためて国土交通大臣に委託を受けた者によって封印しなおす必要があるほどだ。それほど封印の有無は重要視されている。
仮に封印が、ナンバープレートの取り外しを禁ずるために設定されているのであれば、フロントに封印がないのはおかしな話である。まして軽自動車や二輪車のナンバープレートには封印がないことも疑問に思えてくる。そもそも、なぜ登録車のリヤ・ナンバープレートが封印されているのだろうか。
たしかに封印があれば取り外しや車両盗難を防ぐ役割もあるが、二輪車を含む軽自動車に封印がないのは法的な取り扱いが異なるためであって、本質的には車両を運輸支局が登録したという事実を示すだけといえる。では、封印されていないナンバープレートは自由に取り外して位置を変えていいのかといえば、そうではない。
たしかに、かつては『自動車の運行中番号が判読できるように、見やすい位置に取り付け』という、曖昧な規定となっていた。そのためフロントのナンバープレートをダッシュボード上に置くことが流行ったこともあったし、冷却性能を高めるためにナンバープレートをオフセットするためのステーが流行ったこともあった。

また、かつての規定ではナンバープレートの文字が読めればいいという風にも解釈できるため、ナンバープレートに透過するタイプのカバーをつけたり、ナンバープレートフレームといったアイテムをつけたりすることも多かった。
しかし、現在ではこうした行為は禁止されている。
2016年に表示義務についてのルールが明確化
2016年4月1日に、ナンバープレートの表示義務についてルールが明確化され、カバーを取り付けることは完全に禁止された。また、フレームについては文字の一部を隠してしまうようなタイプは禁止となり、ルール遵守タイプでなければ装着できないようになっている。
さらに二輪で見かけるナンバープレートを90度回転させて立てて装着したり、折り返したりしている装着方法も禁止された。
これらは全車が対応なので、旧車だからといって許されるということはない。
一方で、2021年4月1日以降に新規登録・届出などで新たにナンバープレートをつけた車両については、よりシビアなルールが適用されている。

具体的には、フロントのナンバープレートは上向き10度~下向き10度の範囲で取付せねばならず、左右についても左向き10度~左右向き0度の範囲にすると定められている。
リヤについては、ナンバープレートの上端が1.2m以下の場合は、上向き45度~下向き5度の間で、1.2m超の場合は上向き25度~下向き15度の範囲とすると定められ、左右については左向き5度~左右向き0度の範囲にするというのが四輪全般に規定だ。
二輪については上向き40度~下向き15度の範囲かつ、左右向きは0度というのが規定となっている。
これらの規定は生産時だけでなく、使用時にも厳守となる。メーカーがルールに適合するよう設計したナンバープレートの取り付け位置を変えるというのは現実的にはあり得ないといえる。

インタークーラーを冷やすためにフロントナンバープレートの取り付け位置を変えてみたりすることもNGであるし、二輪でいえばフェンダーレスキットなどを装着するのは非常に難しくなっている。
もっとも、前述したように新規定が適用されるのは2021年4月1日以降にナンバープレートを“初めて”つけた車両であるので、それ以前に登録・届出されている車両であれば細かい角度が合っていなくとも違反になるわけではない。
だからといって好き勝手にできるということでもない。基本的にはメーカーが設定した場所にナンバープレートを取り付けておけば問題になることはないだろう。