この記事をまとめると
■「カングージャンボリー2022」にて新型カングーの日本仕様が初公開された■日本仕様ならではとなる黒樹脂バンパーや観音開きリヤゲートなどを採用する
■日本だけの特別な仕様は日本のカングーファンの声が本国へと届いて実現したものだ
日本だけの仕様により新型でもカングーらしさは全開
かつて、欧州の商用車がここまで日本で愛されることになるとは誰が想像しただろうか。2022年10月16日、山中湖交流プラザきららにて、3年ぶりのリアル開催となる「カングージャンボリー2022」が行われ、2100台超のカングーが集まった。そしてここで、日本仕様の新型カングーが初公開されるというサプライズがあった。
ご存じのとおりカングーは、昨年フルモデルチェンジを実施しており、ボディは大きくなり、シャープなイケメンになったことが伝えられていた。これに動揺したのが日本のカングーファンだ。「俺たちのかわいいカングーがなくなる」と。
しかし、その心配は杞憂であった。新型カングー日本仕様の全幅は先代比+30mmの1860mmに抑えられ、「大きくなった」のは主に長さの部分であることが明らかになった。もちろん長くなった分は車内スペースへと転換されているから、ここは素直に喜びたい。

また、シャープなイケメンフェイスも、あえての黒樹脂バンパー採用でお馴染みのカングーらしさを演出。これは日本仕様ならではの仕様であり、そこに佇むのは確かに日本のファンが愛するカングーだった。ちなみにボデイカラーによっては欧州モデル同様のボディ同色バンパーも用意されるということなので、キリッとしたマスクがお望みの方はそちらを選ぶといいだろう。
日本のカングーファンの熱意が日本仕様のカングーを変えた
さらに、カングーといえば観音開きのリヤゲートも特徴のひとつであったが、新型では一般的な跳ね上げ式のリヤゲートが採用されると思われていたのだが、ここでもルノージャポンが奔走。センターピラーが存在する乗用車バージョンには設定されていないはずの観音開きのリヤゲートを、日本仕様に持ってきた。やはりフランスのフルゴネットには観音開きのリヤゲートが似合う。

そのほか、かつてはいかにも商用車というシンプルデザインで安っぽい質感だったインテリアも、まるで乗用車のような"普通"のものとなった。

フロントシート頭上には、小物入れとなるお馴染みのオーバヘッドコンソールも用意されている。

エンジンは1.4リッター直4SOHCターボディーゼルが公開されたが、ディーゼル以外にもガソリンモデルも導入されるようだ。

ルノー・ジャポンの小川社長によると、ここまで日本のカングーが本国と異なった仕様になったのは、日本からの要望を本国が聞き入れてくれたからこそ実現したものだという。それだけ日本のカングー熱が本国にも伝わっているということだ。

通常はベースモデル、いわゆる安いグレードに採用される黒樹脂バンパーのカングーが喜ばれる国なんて世界中に日本しかないだろう。そしてそれは、歴代カングーがいかに愛されているかの証でもある。やっぱカングーはかわいくなくちゃね!