主なポイントは「要指導医薬品」の販売方法の柔軟化と、かぜ薬など濫用のおそれのある医薬品の規制強化だ。
※医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
ビデオ通話やネット販売が解禁
医薬品は、医師の処方せんが必要な「医療用医薬品」と、処方せんがなくても薬局やドラッグストアなどで購入できる「OTC医薬品」に大別される。OTC医薬品はリスクに応じて「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分かれ、一般用医薬品は第1類・第2類・第3類に区分されている。
これまで、要指導医薬品については、薬剤師による対面での情報提供が必要とされてきた。しかし改正により、映像・音声を用いた方法、つまりビデオ通話などによる情報提供の上で販売できるようになる。
さらに、従来は対面でのみ販売が可能だったところ、オンライン服薬指導による必要な情報提供などを行った上であれば、インターネットなどの方法でも販売できるようになる。
ただし、すべての要指導医薬品がこの対象となるわけではない。適正な使用のために対面での販売や提供がとくに必要とされる医薬品は「特定要指導医薬品」に指定され、引き続き対面での販売が求められる。現時点では、レボノルゲストレルを有効成分とする緊急避妊薬がこの対象として扱われる。
医薬品の区別(厚労省のウェブサイトから)
若者の「かぜ薬」濫用を防ぐ対策が強化
若年者を中心にかぜ薬などの一般用医薬品の濫用が拡大している問題などを背景として、これまでの「濫用等のおそれのある医薬品」が「指定濫用防止医薬品」として新たな法的区分に格上げされた。販売などの規制に関するルールの遵守は「義務」となり、違反すれば行政処分の対象になる。
対象成分としては、従来から「濫用等のおそれのある」と指定されてきた6つの成分(エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、プソイドエフェドリン、ブロモバレリル尿素、メチルエフェドリン)に、新たに2つの成分(ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン)が加わる。これら8成分を含む一般用医薬品が規制の対象となる。
指定濫用防止医薬品の販売にあたっては、薬剤師または登録販売者が、購入者の年齢、本人確認(必要な場合)、他の医薬品の使用状況、当該製品や他の指定濫用防止医薬品の購入状況などを確認する必要がある。
また、18歳未満への販売はとくに強く規制される。複数個や大容量製品の販売は禁止され、小容量製品でも対面またはビデオ通話などによる販売が必要となる。
さらに、濫用した場合の保健衛生上の危害について書面などで説明し、購入者が内容を理解したか、追加の質問がないかを確認することも義務付けられる。
薬局や店舗では、指定濫用防止医薬品の販売手順、情報提供、陳列方法、頻回・多量購入者への対応を定めた手順書の整備が必要となる。陳列は、鍵をかけた設備や購入者が直接触れられない場所、または情報提供設備から7メートル以内で薬剤師または登録販売者が継続的に配置されている場所に限られる。
さらに、既に薬局内などでの掲示が義務付けられている「医薬品販売制度に関する事項」に、指定濫用防止医薬品の販売に関する事項を追加しなければならない。
今回の改正は、医薬品へのアクセスを確保しながら、濫用リスクの高い医薬品については管理を強化し、適正使用を促すことを目的としている。薬剤師や登録販売者には、販売可否の判断にとどまらず、積極的な情報提供を通じて濫用を防ぐ役割が一段と求められることになる。

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