住宅ローンを利用して不動産投資をするのはNG!罰則やバレる理由を解説
住宅ローンを利用して不動産投資をするのはNG!罰則やバレる理由を解説

住宅ローンを利用して不動産投資を行うことは、金融機関との契約に反する行為であり、場合によっては厳しい罰則が科されます。住宅ローンを利用し低金利で融資を受けたいと考える人もいますが、その行為が発覚すると、一括全額返済を請求されたり、個人信用情報に異動情報が登録されたりするなどの悪影響につながります。

本コラムでは、不動産投資で住宅ローンを不正に利用した場合に発生するリスクや罰則、また、なぜこのような違反行為が行われるのかについて、具体的に解説します。

■住宅ローンで不動産投資は禁止!バレないようにやるのも絶対に避けよう

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(画像:PIXTA)

住宅ローンを利用して不動産投資を行うことは、金融機関との契約に違反する行為であり、法的なリスクが伴います。住宅ローンは本来、自身や家族が住むための住宅を購入するために利用するものであり、投資用物件に使用することは規約に反する行為です。

2018年9月には、本来は本人もしくは親族の居住用物件にしか利用できない住宅金融支援機構の住宅ローン商品「フラット35」を投資用物件に不正利用している事例が発覚しました。住宅販売会社や不動産事業者が関与しており、調査対象は全113件もありました。そのほかにも、住宅ローンが不正に投資用物件の取得資金として利用される事例が過去に多数報告されており、問題となっています。

現在では住宅ローンを不正に利用する行為が発覚した場合、一括全額返済を請求されたり、さらには個人信用情報に異動情報が残ったりするなど、重大な悪影響を及ぼすことになります。

そのため、住宅ローンを不動産投資に利用することは絶対に避けるべきです。

不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

【関連記事】不動産投資ローンと住宅ローンの違い7選!

■なぜ住宅ローンで不動産投資を行う人がいるのか?

住宅ローンを利用して不動産投資を行う人がいる主な理由は、それぞれの金利の違いにあります。

住宅ローンは不動産投資ローンに比べて低金利でローンを借りられます。具体的には、住宅ローンでは変動金利は0.5~1.0%程度である一方、不動産投資ローンは1.5~4.5%程度と高めに設定されています。

例えば3,000万円を35年ローンで借りた場合の総支払利息は、住宅ローン(金利0.5%)では約270万円ですが、不動産投資ローン(金利1.5%)では約860万円にもなり、約590万円の差が生じます。

住宅ローンは本人もしくは親族が住むための居住用物件に利用され、不動産投資ローンと比べ利用者も多く低金利で設定されています。一方で、不動産投資ローンは家賃収入や売却益を目的とした事業を伴うローンになります。万が一のリスクも考慮し、住宅ローンよりも高い金利が設定されています。

このように、住宅ローンのほうが低金利で借りられることから、不動産投資が目的にも関わらず住宅ローンを利用する人がいると考えられます。

■住宅ローンで不動産投資の購入を勧める不動産業者に注意

住宅ローンを利用して不動産投資を行うことを勧める不動産業者が稀に存在します。こうした業者は、「住宅ローンを使えば低金利でお得に不動産投資ができる」といった魅力的な言葉で誘惑してくることがあります。

前述したフラット35を不正利用した事例では、投資家本人は住宅ローンを利用して不動産投資を行うことが違反であると知らず、不動産業者に勧められて契約してしまったオーナーもいました。不動産業者の甘い言葉に惑わされず、契約前に必ず正しい情報を確認し、違法性のある取引には決して手を出さないようにしましょう。

■住宅ローンでの不動産投資がバレたらどうなる?バレた時の罰則を解説

住宅ローンを利用して不動産投資をするのはNG!罰則やバレる理由を解説
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(画像:PIXTA)

金融機関は不正利用を防止するために厳格な対応を取っており、住宅ローンを不正に利用して不動産投資を行った場合、違反がバレると以下のような厳しい処罰が待っています。

●一括全額返済の請求

不正に住宅ローンを利用して不動産投資を行ったことが発覚した場合、最も一般的な罰則のひとつが一括全額返済の請求です。金融機関はローン契約が不正に利用されたと判断すると、残りのローン残高を一括で返済するよう求めることがあります。

この場合、借り手は突然全額の返済を求められ、資金繰りが非常に困難になる可能性が高いです。また、返済できない場合はさらに強制的な措置が取られることがあり、最終的には財産の差押えや法的手続きが進むことにもなりかねません。

●個人信用情報の悪化

住宅ローンの不正利用が発覚し一括全額返済を請求されると、個人信用情報機関に異動情報として登録されます。この場合、借り手の個人信用情報にネガティブ情報としての記録が残り、ローンの借入やクレジットカードの作成など、今後の金融取引に大きな悪影響を与えます。

■住宅ローンを利用して不動産投資を行ったことがバレる理由

住宅ローンを利用して不動産投資を行ったことは、以下の理由でバレることがあります。

●金融機関からの郵便物が届かず金融機関に返送される

住宅ローンを利用して物件を購入した場合、契約者本人がその物件に居住することが前提となります。しかし、契約者本人が物件に居住しておらずに賃貸に出されている場合、金融機関から送付されるローン残高の通知や確認書類が契約者に届かず、郵便物が金融機関へ返送されることがあります。

返送された郵便物は金融機関が居住確認を行うきっかけとなり、その物件に住宅ローン契約者が居住していないことが発覚する可能性があります。このようにして、住宅ローンが不正に利用されていることがバレる原因となります。

●自宅訪問

金融機関は住宅ローンの契約者が実際にその物件に居住しているかどうかを確認するため、契約者の自宅訪問を行うことがあります。また、例えば返済遅延など、取引の中で金融機関が借主と連絡を取らなければならない場面で連絡が取れないといったことがあると、自宅を訪問し連絡を取ろうとすることもあります。

この訪問で物件が賃貸中であることが確認されると、住宅ローン契約者が居住目的で購入していないことが判明し、住宅ローンの不正利用がバレる原因となります。

●全件調査の実施

不動産業者が住宅ローンを利用し、投資用不動産を悪質に販売しているケースが発覚した場合、金融機関はその業者との取引について他の物件を全件調査することがあります。

フラット35の不正利用が問題となった際、金融機関はフラット35の不正利用の疑いがある事例について全件調査を実施し、居住の有無や投資目的の認識があったかどうかの調査を行いました。このように全件調査によって、住宅ローンの不正利用が発覚する可能性があります。

■住宅ローンでの不動産投資が例外的にOKになる場合とは

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住宅ローンで不動産投資を行うことは禁止されていますが、例外として以下の場合は住宅ローンでの不動産投資が認められることがあります。

●賃貸併用住宅を取得する場合

住宅ローンを利用して不動産投資を行うことが基本的に禁じられている中、「賃貸併用住宅」を取得する場合には、住宅ローンを利用できる場合があります。賃貸併用住宅とは住宅の一部を賃貸物件として貸し出す形態の不動産です。この場合、居住部分と賃貸部分が併設されており、住宅ローンを借りる際の条件としては、居住部分が全体の一定割合以上であることが求められます。

具体的には自宅部分の床面積が建物の総面積の50%以上であれば、住宅ローンを利用して購入が可能です。賃貸部分の収入を得ることで住宅のローン返済の一部をカバーすることができますが、主に自分自身の居住のための物件であることが前提となります。したがって、投資用物件として完全に使用することは認められず、居住部分がしっかりと存在することが重要です。

賃貸併用住宅について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

【関連記事】賃貸併用住宅のメリットとは?「やめとけ・危険」と言われる理由も解説

●転勤など居住目的の住宅に住めなくなった場合

転勤や病気、その他やむを得ない理由で自宅に住めなくなった場合、住宅ローン契約に基づき、金融機関に相談することで一時的に賃貸物件として利用することが認められることがあります。

例えば、転勤で一時的に自宅を離れることになった場合、家に誰も住まなくなるため、金融機関に連絡し、賃貸に出すことが許可されることがあります。その際、賃貸収入がローン返済に充てられることも可能ですが、無断で賃貸に出すと契約違反となるため、必ず事前に金融機関への確認し金融機関の許可が必要になります。

また、病気などの理由で自宅に住めなくなる場合も同様に、金融機関に相談し、状況に応じた対応を受けることが求められます。重要なのは、居住目的の住宅が一時的に賃貸に出される場合であることと、事前の通知と許可を得ることです。

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