
ゴルフ場の買収で企業規模を拡大してきたアコーディア・ゴルフ(東京都品川区)が、パシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)を運営する平和<6412>のグループ企業となって最初のM&Aはゴルフ場の買収ではなく売却となった。
アコーディアは2025年2月3日に、浜田ゴルフリンクス(島根県浜田市)のゴルフ場事業を売却した。
売却の理由や狙いについても明らかにしていないが、アコーディアは過去にも収益実績、将来の収益計画、ゴルフ場のポートフォリオ戦略などに基づいてゴルフ場の売却を行ったことがあり、今回も同様の理由とみられる。
今回の売却でアコーディアが運営する国内のゴルフ場は172カ所となる。今後も売却が続くのか、それとも買収に転じるのか。世界最大のゴルフ場グループ(アコーディア172カ所、PGM148カ所)の次の一手が衆目を集めそうだ。
日本海を眼下に臨む丘陵地コース
浜田ゴルフリンクスは、日本海を眼下に臨むことのできる、なだらかな丘陵地に広がるフラットでゆったりとした18ホールのコースで、コース内に吹き抜ける潮風が特徴という。
1997年に営業を始め、オリックス傘下のネクスト・ゴルフ・マネジメントが保有していたが、2022年にアコーディアが、ネクスト・ゴルフ・マネジメントを吸収合併した際に、アコーディアの運営となった。
アコーディアのM&Aは、2024年10月にゴルフ場「和木ゴルフ倶楽部」(山口県和木町)と、隣接するゴルフ練習場「蜂ヶ峯ゴルフガーデン」(同)を運営するENEOSホールディングス<5020>傘下のENEOSゴルフサービス(同)を子会社化して以来となる。
業績予想は据え置き
平和は2025年1月31日に、アコーディアの親会社であるPJC Investmentsの全株式を取得し、アコーディアが傘下企業になったと発表した。
同時にPJC Investmentsの社名をアコーディア・ゴルフホールディングスに変更し、代表取締役社長にPGM取締役の三好康之氏が就任し、さらにアコーディアの代表取締役社長にも三好氏が就任した。
今後、アコーディアとPGMとの連携を強化し、管理費や仕入コストの削減、システムの統合、顧客サービス向上のための予約サイトや各ポイントプログラムの共通化などに取り組む。
平和は2026年3月期からアコーディアを連結対象とする。アコーディアの取得に伴うアドバイザリー費用や、買収に際し実施した5100億円の借り入れのための費用などについては、2025年3月期第4四半期に計上する予定だが、同期の業績予想(売上高1582億円、営業利益300億円)は変更していない。
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文:M&A Online記者 松本亮一
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