住宅大手の「大和ハウス」米戸建て買収加速、海外目標前倒しへ

住宅や商業施設、物流施設などを手がける大和ハウス工業<1925>が、海外事業の成長に向け、米国の戸建て住宅事業をM&Aで広げる動きを強めている。

同社は2026年5月5日(米国時間:5月4日)、戸建て住宅事業の米国子会社スタンレー・マーチン(バージニア州)を通じて、米国南東部で戸建て住宅事業を手がけるユナイテッド・ホームズ(サウスカロライナ州)を子会社化した。

スタンレー・マーチンによる戸建て住宅関連の事業譲受や子会社化は、2018年以降今回が6件目となる。

関連記事はこちら
「大和ハウス工業」レンタルオフィスのWOOCを傘下に 循環型バリューチェーン拡充へ

6件目のM&Aを実施

大和ハウスは米国の戸建て住宅事業分野で、2017年に東海岸でスタンレー・マーチンを、2020年に西海岸でトゥルーマークを、2021年に米国南部でキャッスルロックの3社を子会社化した。

2025年5月に実施した経営説明会の資料では、米国子会社3社でのグループ購買などの取り組みによりシナジーを創出し、ターゲット都市圏でコスト競争力を強化する方針を示していた。

また、2025年11月に実施した経営説明会の資料では、成長エリアでのM&Aや協業などで事業を成長させるとしていた。

スタンレー・マーチンは2018年にジョージア州、サウスカロライナ州で事業を展開するフロントドアの戸建て住宅事業を譲り受けたのを手始めに、2020年、2021年にも戸建て住宅事業を譲り受け、2024年、2025年には戸建て住宅関連の企業を子会社化した。

同社による米国戸建て住宅事業のM&Aは、ユナイテッド・ホームズの取得で6件目となる。

ユナイテッド・ホームズはサウスカロライナ州に本社を構え、同州やノースカロライナ州、ジョージア州など米国南東部で戸建て住宅事業を展開している。主に一次取得層や一次買い替え層を顧客層としており、2025年12月期の売上高は4億600万ドル(約630億円)だった。

米国南東部は、航空宇宙やEV(電気自動車)分野などの大手企業の進出が進んでおり、人口増加を背景に、今後も安定した住宅需要が見込まれている。

特にサウスカロライナ州は、2025年の人口増加率が全米で最も高く、ノースカロライナ州やジョージア州でも堅調な人口増加が続いているという。

今後は、スタンレー・マーチンとユナイテッド・ホームズの強みを活かした連携を進め、米国南東部での事業基盤を拡大する計画だ。

住宅大手の「大和ハウス」米戸建て買収加速、海外目標前倒しへ
スタンレー・マーチンによる米国戸建て住宅関連の事業譲受と子会社

1年前倒しで目標達成へ

大和ハウス工業は2027年3月期に海外事業で売上高1兆円、営業利益1000億円の目標を掲げている。

2025年3月期の海外事業の実績は売上高9050億円、営業利益517億円で、2026年3月期は売上高9400億円、営業利益600億円を計画していた。

2027年3月期目標に対し、2026年3月期の計画は売上高で6%、営業利益で40%下回っており、特に利益面で目標水準との差が大きかった。

一方、2025年11月に発表した2026年3月期第2四半期決算概要では、売上高を1000億円引き上げて1兆400億円、営業利益も750億円引き上げて1350億円とした。

この計画は2026年2月に発表した2026年3月期第3四半期の決算概要でも据え置いた。計画通りなら売上高1兆円、営業利益1000億円の目標は1年前倒しで達成できることになる。

住宅大手の「大和ハウス」米戸建て買収加速、海外目標前倒しへ
大和ハウス工業 海外事業の業績推移

当初計画から大きく伸びた主因は米国事業にある。米国の2026年3月期計画は売上高7947億円(前年度は6879億円)、営業利益1365億円(同677億円)を見込む。

米国では住宅ローン金利の高止まりで顧客の様子見姿勢が続く中、同社では優良な土地の確保や米国の戸建て住宅子会社3社による事業エリアの拡大などで、受注戸数と引渡戸数が前年を上回って推移している。

今回のユナイテッド・ホームズの買収は、米国戸建て住宅事業を海外成長のけん引役とする大和ハウスの戦略が、M&Aによって進展していることを示している。

文:M&A Online記者 松本亮一

【M&A速報、コラムを日々配信!】
X(旧Twitter)で情報を受け取るにはここをクリック

【M&A Online 無料会員登録のご案内】
6000本超のM&A関連コラム読み放題!! M&Aデータベースが使い放題!!
登録無料、会員登録はここをクリック

編集部おすすめ