
連続テレビ小説『あんぱん』に、ヒロイン・のぶの幼なじみとして出演中の志田彩良。現在25歳、映画『遺書、公開。
スペシャルインタビュー後編では、志田彩良を作ってきた「これまで」と「今」について掘り下げていく。
今の自分の気持ちを作った『ドラゴン桜』後の1年間

――前回ぴあに登場していただいたのが、ドラマ日曜劇場『ドラゴン桜』が放送された2021年でした。4年弱でさまざま変化があったかと思うのですが、振り返ってみていかがですか?
「よりお仕事に力を入れてがんばりたい」という気持ちが強くなったのは『ドラゴン桜』がきっかけでした。しかし、『ドラゴン桜』後に作品に入っていない期間がありました。その期間があったからこそ、今後どうしていきたいのか将来のプランを考えることができたんだと思います。
それからいろんな作品に出させていただいて……自分の中でも心境の変化が常にある4年間でしたね。
――作品に入っていなかった期間はどのように過ごされていたんですか?
マネージャーさんたちからは「ステップアップするために今後どうするか」「将来のプランを考える期間」と聞いていました。私自身はいろんな作品を観たり、自分の心を整える期間でしたね。
――当時、どういうことを考えていらっしゃったのか、差支えない範囲でお聞かせいただけますか?
とにかくお仕事を常にしていたいタイプなので、正直作品に入っていない時期は不安がありました。「この先、大丈夫かな?」と考えることもありましたし、『ドラゴン桜』でご一緒したキャストの皆さんが活躍されているのを見て、焦る気持ちもありました。でも今思うと、その期間があったからこそ、お仕事があることのありがたさや、改めてこのお仕事が好きなんだと気が付けました。

――お仕事をしていないときの不安とはどのように付き合ったんですか?
その時期はただただ、マネージャーさんたちの言うことを信じていました。ゼロからそこまで育ててくれたのも事務所のみなさんで、すごく信頼もしていました。マネージャーさんたちが「今はステップアップのときだ」と言っているなら来年からは大丈夫だろう、という気持ちに切り替えていましたね。
――周りの方との信頼関係があったからこそ、乗り越えられたんですね。
そうですね。何もない時間が多いからこそ、マイナスなことを考えもしたんですけど、当時のマネージャーさんが親身になって話を聞いてくれて、大丈夫だよ、と安心させてくれました。本当にマネージャーさんのおかげで乗り越えられましたね。
アクティブな面もインドアな面もあるんです

――最近の志田さんのプライベートについても少しお伺いしたいなと思いまして。最近の好きなものですとか、興味のあるものについてお伺いできれば。
まずは好きな、お気に入りの映画は?
『チョコレートドーナツ』。悲しいお話ではあるんですけど大好きで、何回も観てそのたびに泣かされてます。
――好きな音楽は?
たくさんあるんですけど、最近はバンドが好きですね。ガールズバンドのTETORAさんとかHumpBackさんとか、あとSEKAI NO OWARIさんも好きです。自分でチケットを取って、ライブにも行っています。
――新しい音楽にはどんなふうに出会うんですか?
ガールズバンドにハマったのは「VIVA LA ROCK」というフェスに行ったのがきっかけです。そこで「最高!」と。
――フェスもよく行かれるんですか?
あんまり行ったことないんですけど、当時はバンドが好きで友達と行ってました。
――アクティブな方ですか?
どちらの面もあるんですよ。インドアだし、アウトドアだし。ずっとお家にいなさいって言われたら多分1年間でもいられるタイプなんですけど、逆に毎日出かけてくださいって言われたら、出かけられるタイプ。どちらも好きなので選べません(笑)。

――そういえば、以前のインタビューではカメラが趣味だとも。
今もフィルムカメラで撮っていますね。
――確かに、フィルムについては切実ですよね。
続いて、好きな本、お気に入りの本はありますか?
本の中でも、詩集が大好きです。悩んだときや落ち込んだときに詩集を読むことがあります。特に茨木のり子さんの詩集はよく読んでいます。
――詩集にはどういったタイミングで出会ったんですか?
たまたま行った本屋さんで表紙に惹かれたんですけど、読んでみると「この人の言葉はなんてかっこいいんだ!」と思って。茨木さんの言葉って、落ち込んだときに強く背中を押してくれるんです。背筋が伸びるような……落ち込んでいる場合じゃないな、と思えます。
――最近ハマっている食べ物は?
ラーメンはずっと大好きです。
――お店にはひとりで行かれるんですか?
ひとりか、父と行きます。もともと父がラーメン好きなこともあって好きになったので、夜中にラーメンが食べたくなると、「一緒に行こうよ」って言ったりして。
――夜中にも!
夜中に食べるラーメンが最高なんです!
透明感の秘訣は丁寧な肌ケアとメンタルケア

――最近の美容ルーティンですとか、体のためにやられていることはありますか?
セザンヌさんのイメージモデルを務めさせていただくようになってから、より肌への意識がぐっと高まりました。昔は、正直そこまでスキンケアに力を入れていなかったというか、「保湿しておけば大丈夫かな」という程度の感覚だったんです。でも、やっぱり肌ってすごく大切だなと実感して、今では毎日のパックを欠かさずしています。
さらに、寝ている間も肌に負担をかけないように、枕カバーをシルク素材の摩擦が少ないものに替えたりと、いろいろ気を配るようになりました。
――体型維持も何か気をつけていらっしゃるんですか?
運動は好きなんですけど、あまり続かないタイプなので、食生活で体型維持をするようにしています。
基本的に現場では我慢したくないタイプで。どの現場に行っても「ずっと食べてるね」って言われるぐらい、お茶場の前でずっとお菓子を食べています(笑)。その分、お休みの日はお菓子を食べないようにしたり、ごはんも腹八分目を心がけたりして、バランスを取るようにしています。
――メリハリを大事にされているんですね。
そうですね。撮影中はなるべくストレスをため込まないように好きなだけ食べて、お休みの日に調整しています。
――ため込まないように、ということでしたが、ストレス発散方法は?
誰かに話をすることですね。母も父もそうなんですけど、家族が本当に親友みたいな感覚なんです。幼稚園ぐらいの頃から帰ってきたら今日何があって、何食べて、○○ちゃんとこんな話をして……とか、全部話すのが昔からの日課なので、話すことがストレス発散になっていますね。
――本当にご家族の仲が良いんですね。ちなみに反抗期的なものは……?
今思うと、あれは反抗期? 思春期? だったのかなと思うことはありますね。反抗期と言っていいかわからないけど、その内容が……夜中に一人で起きていたくなくて。
――すでにかわいい予感がしていますね。
(笑)。家族はみんな21時に寝ちゃうんですよ。だから21時を過ぎるとこの世界に一人ぼっちみたいな気持ちになってしまって、22~23時ぐらいに両親の部屋に行って。
――かわいい……!
両親も最初の頃はかわいいと思えたんでしょうけど、毎日だったんです。両親もだんだんイライラして、それがきっかけで大ゲンカに発展したことがありました。「もう出てく!」って。
――そんな……寂しくてご両親を起こすのに絶対に出ていけない……。
(笑)本当にそう思います。

――続いて、時間ができたら行ってみたい場所は?
うーん……コペンハーゲン!
――具体的ですね。
祖父母が海外旅行が好きで、よくコペンハーゲンに行っていた話をしてくれるんです。コペンハーゲンの食器もお下がりもらったんですけど、すごくかわいくて! それがきっかけでコベンハーゲンの街並みを調べるようになったんですけど、カラフルでどこを見てもかわいい空間なんです。ひとりで行く勇気はないので、いつか家族か友達と行ってみたいですね。
――最後に、これからお仕事で挑戦したいことをお聞かせください
話すことが好きなのでラジオをやってみたいです。
役も、これまでは学生の役が多かったので学生以外の役や、昔、薬剤師さんになることが夢だったので、医療ものにも挑戦したいですね。あと、『あんぱん』で薙刀を体験してから、アクションが楽しいと実感できたので、いつかアクションにも!

撮影/稲澤朝博、取材・文/ふくだりょうこ