暴動クラブ インタビュー「新しい世代の子たちに希望を与えたい、ここからさらに変わっていきます」
暴動クラブ Photo:石原敦志

Text:森朋之 Photo:石原敦志



デビュー・アルバム『暴動クラブ』がスマッシュヒットを記録。「タワレコメンアワード2024」「CDショップ大賞入賞」「バズリズム02 今年コレがバズるぞ!2025ランキングイン」に選出されるなど“日本のロックンロールの新たな旗手”として急激に注目度を高めている暴動クラブ。4月2日(水) にカバーEP『VOODOO SEE,VOODOO DO』をリリース、4月22日(火) に恵比寿LIQUIDROOMでワンマン公演『暴動集会・第二回』を開催する4人に、バンドの現在地とこの先のビジョンについて聞いた。



――デビューアルバム『暴動クラブ』のリリース以降、バンドの知名度は一気に上がったと思います。変化を感じていますか?



釘屋玄(vo) 右肩上がりというか、どんどん変わってきていますね。半年前とも違うし、ずっと流動的なので。レコード屋でお客さんに「アルバム買いました」とか言われるとうれしいですけどね。



マツシマライズ(g) あんまり実感はないです。気づいたら変わっていたというか。



鈴木壱歩(ds) いろんなライブに呼んでいただけて、大きい場所でライブできたり、高校のときから好きだったバンドと一緒にやれる機会があったり。刺激的で楽しいです。



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鈴木壱歩(ds)

――好きなバンドというのは?



鈴木 直近だと、2月に神戸でおとぼけビ~バ~と対バンしたんですよ。メンバーとも話ができて、うれしかったです。



城戸“ROSIE”ヒナコ(b) デカい会場のライブが増えたのは大きいですね。いろんな人が聴いてくれて、そこから自分たちのライブに来てくれるようになって。そういう積み重ねをしているところなので。印象に残っているのは、去年の『氣志團万博』ですね。



釘屋 普段はロックンロールのシーンでやっているので、『氣志團万博』みたいにいろんなジャンルのバンドが出ているイベントはすごく新鮮でした。



マツシマライズ ライブハウス慣れしているところがあるから、野外フェスは勝手が違いますね。



鈴木 目線も違うしね。お客さんとの関係性とか。



城戸 でも、思ったより盛り上がってくれて。今後いろんなフェスにも出てみたいです。



――1stアルバム『暴動クラブ』でみなさんのことを知った音楽ファンも多いと思います。“ガレージ的なサウンドで、オーセンティックなロックンロールをやる”という意図が感じられるアルバムですよね。



釘屋 そうっすね。THE NEATBEATSの真鍋崇さんのスタジオで録ったので、スリーコードのロックンロールやブルースを多めにやろうということになって。めっちゃいい音で録れたのでもちろん満足しているんですけど、今聴くと「もっと上手くやれたな」というところもいっぱいあるんですよ(笑)。今のライブのほうがカッコいいと思います。



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釘屋玄(vo)

鈴木 絶対にそう。やっぱり僕らはライブバンドだから、1本1本のライブでもいろんなところが違ってくるし、アルバムの曲もさらに熟してきてるというか。リリースから半年経って、さらに自分たちのものになっている感じがありますね。



城戸 レコーディングのときは曲が出来たばっかりだったから、やり慣れてないところもあったんですよ。



釘屋 何なら録音当日に曲が出来たりしていたから(笑)。



城戸 そういう感じだったんで、今のほうが全然カッコいいと思います。



――常に進化と変化を繰り返している、と。去年の12月にリリースされたEP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』はプロデューサーに井上富雄(元THE ROOSTERS)を迎えた作品。アルバム『暴動クラブ』の手触りとはかなり違いますよね。



釘屋 1stアルバムまではスリーコードの曲が多かったんですけど、取り巻く状況もそうだし、自分の意識もちょっと変わってきているんですよ。周りの人がどういうものを聴きたがっているか、そういうことも考えるフェーズに入ってる気がして。スリーコードの曲は好きだし、ずっとやりたいけど、俺らは60年代の音楽を再現するだけのバンドではないので。いろんなことを試してみたいんですよね。



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左から)城戸“ROSIE”ヒナコ(b)、釘屋玄(vo)、マツシマライズ(g)、鈴木壱歩(ds)

――なるほど。4月2日(水) にリリースされるカバーEP『VOODOO SEE,VOODOO DO』については?



釘屋 オリジナル曲を出すつもりだったんですけど、もうちょっと制作期間を取ろうということになって。もともとカバーはよくやっていたから、カバー曲を集めたEPにしようかなと。



城戸 ライブでも毎回カバーをやっているんですよ。



――アルバム『暴動クラブ』には「C.M.C.」(THE ROOSTERS)、EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』にも「あばずれセブンティーン」(浜田省吾)のカバーが収録されていますからね。



釘屋 (鈴木に向かって)カバー、あんまり好きじゃないでしょ?



鈴木 (笑)。オリジナルのほうが楽しいけど、自分たちのルーツをいろんな人に見せるというのは大事な行為なので。今回のカバーEPにはすごい意味があるし、楽しいことがやれたと思います。



――収録曲は、「つ・き・あ・い・た・い」(RCサクセション)、「I‘M FLASH(ホラ吹きイナズマ)」(鮎川誠)、「スローなブギにしてくれ(I Want You)」(南佳孝)、「タイムマシンにおねがい」(サディスティック・ミカ・バンド)、「上を向いて歩こう」(坂本九)の5曲。



釘屋 ライブでやるカバー曲は「この曲をやりたいんだけど、どう?」「いいね」という感じだったんですよ。今回の5曲についてはマスターピースというか、ポピュラーな曲をたくさん挙げて、いろいろ試しながら選びました。



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――アレンジする面白さもありますよね。もちろんバンドとしての個性も出したいだろうし。



マツシマライズ 個性は勝手に出るものなので。気づいたら暴動クラブの音になったなって感じがしています。



釘屋 完コピしない人たちの集まりなんで(笑)。ドラムのパターンからして違ったりするんですよ。



鈴木 そうだね。



釘屋 もちろん原曲へのリスペクトはあるし、ちゃんと聴いたうえでカバーをしているんですけどね。まったく同じアレンジで再現するんだったら元のバンドを聴いたほうがいいと思うので。



鈴木 うん。カバーではあるけど、自分たちの作品として出しているつもりです。



マツシマライズ もう一段ランクアップした感じもありますね。



――レコーディングを重ねるごとにプレイヤーとしての幅も広がっているのでは?



鈴木 そうですね。1stアルバムのときはビンテージのドラムだったし、EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』のときは現代的なスタジオだったから音作りとかもかなり違って。



マツシマライズ 演奏すること自体は変わらないですけどね。録音のやり方で音質は違いますけど、それぞれ楽しめたらいいんじゃないかなと思っているので。さっき釘屋が言っていたように僕らは60年代のロックンロールだけをやるバンドではないし、毎回1stアルバムみたいな音を出すわけではないんですよ。“今の音”でロックンロールをやれたらいいんじゃないですかね。



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マツシマライズ(g)

城戸 私はベースを始めたのとバンドを始めたのが同時だったので、最初は右も左も分からない状態だったんですよ。ライブもレコーディングもそうですけど、いまもいろいろ学び中です。



釘屋 僕はもともと“聴くのが好き”“作るのが好き”というタイプだったんですけど、バンドを続けていく中で、プレイヤビリティも必要になってきて。そういう面を周りから求められる、期待されているところもあると思うので、頑張らねばと思っています。1stアルバム、EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』、今回のカバーEPもそうですけど、それぞれやり方が違っていたし、今やりかけている曲でもまた新しいことを試していて。ボーカルとして、そのときどきの最適解を探している感じですね。



――4月22日(火) には恵比寿LIQUIDROOMでワンマン公演『暴動集会・第二回』が開催されます。今の時点では、どんなライブにしたいと思っていますか?



釘屋 ワンマンには集大成的なところがあると思っていて。去年の渋谷クアトロのときは「1stアルバム、こんな感じで作りました」というライブだったんだけど、その後、EP『撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady』とカバーEPを作って。新曲もいっぱい作っているので、「2025年4月の俺たちはこういう感じで」というライブにしたいと思っています。やれることは全部やりたいですね。



鈴木 ワンマンが決まるとそこに向かって進めるし、気合いも入りますね。今の自分たちもそうだし、「ここからさらに変わっていきます」というところも見てもらえたらなと。



城戸 (客層の)偏りはありますけど、暴動クラブのライブには老若男女が来てくださるので、全員に楽しんでもらえて、また来たいと思ってもらえるライブをしたいです。



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城戸“ROSIE”ヒナコ(b)

鈴木 年上の方にも応援してもらっているんですけど、同世代の子たちにいっぱい聴いてもらいたくて。ワンマンにもぜひ来てほしいです。



釘屋 学割チケットもありますよって書いておいてください。



――みなさん自身も20代前半。この先のビジョンもいろいろあると思いますが、暴動クラブをどんなバンドにしていきたいですか?



釘屋 いろいろあるんですけど、「日本の名盤100選」に入りたいです(笑)。



マツシマライズ 暴動クラブがきっかけで「ギターをはじめた」「バンドを組んだ」という人が現れたら、バンドをやっていてよかったと思うんじゃないかなと。



釘屋 布教活動だね。



――ロックンロールを演奏する楽しさも伝えたい?



マツシマライズ それもそうですけど、クサイことを言うと、新しい世代の子たちに希望を与えられたらなと思っていて。自分がギターを始めたときは「あの人みたいになりたい」と思うことが多かったんですけど、今はバンドをやっているし、誰かの憧れの存在になりたいんですよね。



釘屋 時代ごとに「このバンドが希望」という存在がいたと思っていて。カッコいいロックンロールをやっているバンドがいること自体、意味があるんじゃないかなと。



釘屋 THE BAWDIES、OKAMOTO’Sだったり、新宿red clothからカッコいいバンドが出てきた時期があるので、それに続いていけたらなあと。



城戸 自分たちが好きなロックの歴史の中に入れたら、めちゃくちゃうれしいです。もっと未来で言うと、(アメリカの)ビルボードとかに入りたいですね。海外でもライブをやりたいので、頑張ります。



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【応募締め切り】
2025年4月22日(火) 23:59まで



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<リリース情報>
カバーEP『VOODOO SEE,VOODOO DO』



4月2日(水) リリース



【収録曲】
M1. つ・き・あ・い・た・い
M2. I‘M FLASH(ホラ吹きイナズマ)
M3. スローなブギにしてくれ(I Want You)
M4. タイムマシンにおねがい
M5. 上を向いて歩こう



<ライブ情報>
暴動クラブワンマンライブ『暴動集会・第二回』



4月22日(火) 東京・恵比寿LIQUIDROOM
開場18:30 / 開演19:30



【チケット料金】
前売一般:4,400円
前売学割:3,300円
当日券:4,950円
※ドリンク代別途必要



一般発売:4月21日(月) 23:59まで
https://w.pia.jp/t/voodooclub-hs/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2558513&afid=P66)



暴動クラブ 公式サイト:
https://voodooclub.fanpla.jp/



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