『花まんま』キャスト陣の熱演に絶賛の声 物語の鍵を握るふたりの子役にも注目!
『花まんま』 (C)2025「花まんま」製作委員会

作家・朱川湊人の代表作で、第133回直木賞を受賞した短編集『花まんま』(文春文庫)の劇場映画が公開中だ。



早逝した両親と交わした「兄貴はどんな時も妹を守るんや」という約束を胸に、たったひとりの妹の親代わりとして、大阪下町で生きる熱血漢の兄・俊樹(鈴木亮平)と、結婚を控えながらある秘密を抱えている妹・フミ子(有村架純)の兄妹の不思議な体験を描く。

監督は、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』『そして、バトンは渡された』の前田哲監督が務めた。



主演の鈴木、有村をはじめとするキャスト陣が熱のこもった演技を見せるなか、物語の核心を握る“兄妹の子ども時代”を演じたふたりの子役にも注目が集まっている。



『花まんま』キャスト陣の熱演に絶賛の声 物語の鍵を握るふたりの子役にも注目!

原作ではメインで描かれ、本作でも物語の核心を担う主人公・俊樹と妹・フミ子の子ども時代。その重要な役どころをキャスティングするにあたり、2023年8月からクランクイン直前の2024年2月まで、約半年間にわたり大規模なオーディションが開催された。関東と関西に渡り対面して審査した子どもたちの数は600名超。前田監督独自のユニークなオーディションを経て、幼少期の俊樹役に抜擢されたのは田村塁希(当時9歳)、フミ子役に選ばれたのは小野美音(当時6歳)。



前田監督は、ふたりを選んだ決め手について「最終オーディションでは、子どもたちに思いっきり遊んでもらったんです。ボールやトランプなど体を動かすことから頭を使うゲームまで色々やっていくうちに、みんなそのうち本気になって素の性格が出てくるんですね。さらに、兄と妹としての相性を見極めたくてペアを組ませた。塁希と美音がペアになった時に、天真爛漫で自由に突っ走る美音を優しくフォローする塁希がいた、そのふたりの様に『あ、兄と妹だ』とピンと来ました。このふたりなら俊樹とフミ子になる!」と運命的な出会いを語り、その人柄と兄妹感が役柄にマッチしていたことを振り返っている。



『花まんま』キャスト陣の熱演に絶賛の声 物語の鍵を握るふたりの子役にも注目!

小野は、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』でヒロインの娘役を演じるなど演技経験豊富。

フミ子が俊樹に別人の記憶があることを告白する場面では、鼻水とよだれが垂れていることに気づかないほどの集中力を見せた。一方、田村は2本目の映画出演で、全国公開となる長編映画には初参加。撮影中は、要望に応えきれないもどかしさや美音との経験の差を感じ、悔し涙を流す場面も。「自分のせいで現場を止めてしまった」と監督に謝りに行くなど、責任感と覚悟の大きさでスタッフを驚かせることもあったという。



フミ子の記憶の中にある別の家族と対峙する場面の撮影では、感情表現の演技に苦戦。それでも田村はテイクを重ねるごとに役に入り込み、「フミ子を守る」という強い感情を爆発させ、スタッフが涙するほどの演技を見せた。また小野も、フミ子の雰囲気が急に大人び、秘密を隠し始めるきっかけにもなる場面で15回以上テイクを重ねたが、難しい表情を監督とすり合わせ、目線の向きや顔の角度にもこだわりシーンを作り上げた。



『花まんま』キャスト陣の熱演に絶賛の声 物語の鍵を握るふたりの子役にも注目!

ふたりの演技について前田監督は「子どもでも向き合い方は大人と変わりません。撮影前にシナリオを1ページずつ一緒に読んで、『こういう時、君ならどう思う? どう言ったり、どうしたりするかな?』と尋ねて、リハーサルを重ねました。そして『台詞を言うことが大事じゃないんだよ、相手から言われたことされたことから、どう感じたかを言葉や表情や行動で自由に出せばいいんだよ』と話します。ふたりともに結果は素晴らしかったですね。よくやり切ってくれました」と、ふたりの見事な演技力に称賛を送っている。



<作品情報>
『花まんま』



公開中



公式サイト:
https://hanamanma.com



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