優勝旗を手に笑顔の鎌倉涼
浜名湖ボートのプレミアムGⅠ「第39回レディースチャンピオン」は最終日の11日、最終12Rで優勝戦を争い、1号艇の鎌倉涼(36)=大阪・100期・A1=がイン逃げを決めて1着。5度目のGⅠ優出で、念願の初制覇を果たした。
3連覇を目指した2号艇の遠藤エミが2着で、3着は4号艇の平山智加。3連単は1番人気の880円で決着した。
6日間の売上額は109億8119万4000円で目標額(100億円)を大幅に上回る大盛況だった。
賞金目録を掲げる鎌倉涼
■ヒロイン
全ての縁は静岡にあった。人生の伴侶が静岡支部の深谷知博(37)=103期・A1=の鎌倉涼が、レーサー人生初タイトルも静岡の浜名湖で手にした。「好きだし、相性がいい水面」。好きだからこそ、導かれた結末だった。
意識変革がもたらした初タイトルだ。「平成生まれ初」だった記録的なGⅠ初優出が15年半前の2010年3月。以来、女子の強豪の一角として活躍し、特別戦制覇は時間の問題と周囲には映ったが、本人は違ったという。
「正直、私はタイトルを取れるような人間じゃないなぁというのが、どこかしらにずっとあった」
しかし、結婚、出産を経て復帰し、新たな家族や応援を続けてくれるファンの存在が、心境の変化をもたらしたという。
「良くない時もずっと応援してくれる方たちに、何で恩返しができるかを考えたら、結果を出すことだと思って、『タイトルを取りたい』に変わりました」
家族も〝地元〟の今回の一戦に最高のサポートで送り出してくれた。夫・深谷からはプロペラのゲージを授かった。「一節間、そのゲージをメインにした調整でした」。そのペラが伸びの良さを生んだ。
そして長女(8)と長男(7)は「折り紙でお守りを作ってくれました。『何色がいい?』と聞かれたので、1号艇がいいから白でお願いしました」。予選は2位だったが、準優の結果により、優勝戦の枠番は希望通りに1号艇。「効果絶大でした」。ママは優しく笑った。
このVで賞金ランクは女子4位に浮上。「久々にクイーンズクライマックス(今年は大村)に行ける可能性が出てきたので、リズムを上げるレースをしていきたい」
出産前の2015年以来の晴れ舞台でも輝くためにも、まだまだ結果にこだわり、周囲に幸せを届け続ける。(深堀慎一郎)
■優勝した鎌倉涼のプロフィル
■遠藤エミは3連覇ならず準Vも「やりきった」
■3着の平山智加「鎌倉選手がうまく回っていた」(戦い終わって)
■今節の連絡帳(事故等お知らせ)
■鎌倉涼は4位浮上! 獲得賞金ランキング(全体・女子)【表】
■ボートレース浜名湖 出走表(予想)掲載一覧
■ボートレース浜名湖 ニュース一覧
優勝した鎌倉涼と、それをたたえる仲間たち