
春が待ち遠しい今日このごろ…肌寒さが残るなか、人気漫才コンビ・金属バットの二人と訪れたのは東京・市ヶ谷にある釣り堀。穏やかな水面に釣り糸をたらしながら、世間を騒がせたメジャーリーガー・大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏が関与した違法賭博をはじめギャンブルについて話を聞いた。
開始5分でみせつけた釣りとギャンブルの共通点とは
――今日は市ヶ谷の釣り堀にて、鯉を釣りながらのインタビューです。
友保 東京きて電車からここ見たことあって、一回行ってみたいおもてたんですよね。
小林 平日の昼間でもけっこう人おるな。
――釣りバカ日誌みたいな写真撮れたらいいですけど、けっこう釣るの難しいみたいです。
友保 まあのんびりいきましょ。
――まずは大谷翔平選手の通訳、水原一平氏の違法賭博問題の話題からいきましょうか。いい人のイメージが強かったこともあり、なかなかショッキングなニュースでした。
友保 わしらもギャンブルでイカれてしまうのいっぱい見てますよ。一緒に住んでるやつがパチンコで2回破産してますからね。
――そんなお友達が。
友保 パチンコほんまにね……お、おおおーーー来たー! ああ小林! 網や!! 網出せ!!
――えええ!? もう釣れた!!
友保 いやぁ楽しい。晩飯はもう大丈夫ですね。あーーはいはい(針を)外したろ、外したろ。
――鯉に優しい。
友保 ちょっと早く釣りすぎましたね。いや、釣りもギャンブルも一緒、持ってるやつが勝ちます。
――お二人はギャンブルしないですか?
友保 僕パチンコめちゃくちゃ、やってましたよ。お金もないのに。やっぱね、あぶく銭が手に入るんで。めちゃくちゃ行ってましたわ。パチンコで勝った金でパチンコ行って負けてました。
小林 僕もパチンコやってましたけど、パチ屋で働くようになってからやめましたね。あまりにも負けてる人が多いですからね(笑)
友保 わし高尾ってメーカーが好きやって、そこ「弾球黙示録カイジ」って台があって、めちゃめちゃやってたんですよ。で、あるとき、そのカイジの新しい台が出るっていうんで、並んで行ったんですよね、初日に。4万円突っ込んでノーマルリーチ2回で終わって、それで2日間寝込んでやめました(笑)。
CR浜崎あゆみのゴミ地獄リーチから2匹目ヒット
――パチンコのおもしろさはどんなところにあるんですか?
友保 おもしろいですよね、パチンコって演出がアホやから。あの「CR浜崎あゆみ」って知ってます? あれこの世で一番おもしろいんですよ。「CR倖田來未」の2番煎じなんですけどね。
――パチンコやらない人でもCR浜崎あゆみは知ってる人多いと思います。
友保 有名ですよね、CR浜崎あゆみ。でも、あれリーチがアホすぎるんですよ。なんかあゆが劇団員と一緒に頑張ってて、そこに大事なノートがあるんですよ。で、川辺で練習してるときに、この大事なノートが川に落ちちゃう、流れていく。あゆが飼ってる犬が川に飛び込んで、そのノートを拾ってきてくれるとリーチなんですけど。
――よくわからないストーリー(笑)
友保 外れるともちろん犬が川に流れていくんですけど。最低、ゴミ地獄リーチな。あとは……お、おお、おおおお!!!! またきたぞ!!
小林 めっちゃ釣るやん(笑)。
友保 イェーーーヤァ!! うれしいうれしい楽しい……え、わし漁師のほうが向いてんのかな。ああわかったわかった、暴れなさんな今助けるさかいに。しかしバリ臭いねこれ(笑)
――CR浜崎あゆみのゴミ地獄リーチの話をしていたら2匹目がきました。
友保 わし今日パチ行きましょうかね(笑)。
――小林さんと竿を交換しましょう。公平を期して。
友保 これでも『釣りバカ日誌』で言ってましたよ。スーさんがめっちゃ高い竿買ってきたら「竿の問題ではないから」って、でスーさんがばんばん釣り出したら「ま、まあ竿も関係ある」って。
小林 竿変えて釣れんのか(笑)。
友保 浜崎あゆみのやつ、もっと言っていいですか。
――ぜひお願いします(笑)。
友保 熱くなるとね、実写になるんすよ。
――あ、友保さん、またきた!!!
友保 おおおおおお!!
小林 ああああああ!! 俺もきた!!!!
釣り堀で友保に起きた奇跡
――釣り堀ってこんな釣れましたっけ……。
友保 このあたりホットスポットちゃいますか。吉本でいったらルミネ、あっちは沼津。
――想定外に釣れすぎて全然お話が聞けないので、とりあえず糸たらすフリだけしておいてください。みなさんパチンコにはそれぞれ思い入れのある台があるんですね。
小林 パチ屋で働いて時に「CR夢芝居」っていう台が出て、その日が大行列やったんですよ、おばさまたちで。「梅沢さんどこ?」って。
友保 あれもおもろかったよな、「X Japan」の台。
――パチンコ以外のギャンブルは?
小林 あーやらんなぁ。
友保 競馬、競輪、ガチギャンブルはやってないですね。今はあれケータイで買えるじゃないですか。シモリュウのシモタが競馬にハマってて、なんや楽屋一緒やったときに、「はいはい負けた~」みたいに言うてんのよ。「なにしてんの?」聞いたら「競馬やってます」と。「次のレース賭けますわ」「お前何賭けるの? 調べたんか?」「調べんでいいですどうせ負けるから。はいはいこれとこれとこれ……はい負けた。4万円なくなった~」。終わってたよ(笑)。
――もはや「勝ちたい」とかではない。
友保 ただ金を賭けたいだけ。
小林 粗品もそうやな。
友保 やってたな。俺らあそこまで博打好きやないもんな。
――ギャンブルで運を使いたくないという気持ちもありますか? 芸人という仕事自体にギャンブル性が高いというか。
友保 何言うてるんですか、吉本芸人なんか公務員ですからね……え、えええ? またきた!
小林 エサつけてないのに!? 柳生石舟斎の無刀取りやん。
――釣りのシステムを崩壊させないでください。
友保 エサいらんやん。なんなら竿もいらんちゃう。俺、手だけつっこんでみようかな(笑)。こんなとこで運使いたないねん。明日(THE SECONDノックアウトステージ)あんねんて。
小林 宝くじみたいなもんやな。ようスクラッチやってた。
友保 宝くじはシモタもようやってた。あいつはなんでもいいんやな(笑)。賭けたい、ギャンブルをしたい。
伝説の居酒屋「肝どん(チムドン)」の蛇口飲み放題
――大谷選手の通訳の方はどういう気持ちだったんでしょうね。身近に大金を稼いでいるスターがいる。だけど、そのスターは全然お金に執着がない。
友保 でも、あの通訳の人も、けっこうもろてたんでしょ。うーん、なんでみんなそんな金ほしいんやろな。
小林 絶対足りてるよな。
友保 なぁ。でも、あのドキドキ感なんでしょうね。ギャンブルドキドキっておもろいもんな。じゃんけんでもおもろいもんな、モノ賭けたら。タバコとかもなあ。これ勝ったらタバコもらえるいうたら。昔あったやん。お釣りじゃんけん。
小林 あったあった。
友保 先輩が払ってくれて、そのお釣りを後輩がじゃんけんで持って帰れるっていう。あれ、マジで喉枯れるぐらい緊張した。このじゃんけん勝つだけで3000円くらいもらえるのかっていうの。
小林 3000円でかかったもんな~。
友保 マクド食えるな、ラーメンもいけるし、もっとしたら飲めるしね。「肝どん(チムドン)」っていうめっちゃ安い店があって、生ビールが一杯100円。壁にね、蛇口がついてあるんですよ。でも、回すとこがついてなくて、700円払うと回すとこ貸してくれる。で、そっからエンドレス焼酎飲み放題。
小林 あれ、たぶん赤字なんやろな、原価割れてるから、団体で行ったときに泡盛一本タダでくれるんですよ。ビール飲んでほしくないから(笑)。
友保 あの泡盛絶対残んねんな。全員ベロベロになってご機嫌で、次の日最悪。
――確かにお釣りじゃんけん3000円あったらいろいろできますね。
友保 あれのスーパーマックス版か、大谷選手の通訳の人のやつは。じゃあもう信じられんくらい楽しかったでしょうね。だって7億円張った勝負で勝ったら、しっこ漏らすよ。
小林 パンツなんか安いしな。
友保 ズボンも安いよ、7億円に比べたら。なんなら帰りに車つぶして帰るかもしれん(笑)。
矢沢永吉が見つけた最高の親子丼
――芸能界だとよくあるのがタレントのお金をスタッフが流用してしまうというやつですね。
友保 さだまさしとかもそうだし、永ちゃん(矢沢永吉)もそうやね。でもみんなちゃんと返してますもんね、がんばって。あれでパワーアップしてるもんな。さだまさしなんかツアー回りまくって、NHKで『生さだ』(「今夜も生でさだまさし」)やって、いろんな地方からくる手紙に全部エピソードとして返してるもんな。「⚪︎⚪︎市はなんちゃらがうまくてね~」とか。あれすごいよ。永ちゃんも全部返して、今いっちゃんうまい店は「なか卯」って言ってましたよ。「最高の親子丼見つけた」って。
――最終的にそうなるんすかね、なか卯の親子丼が一番うまいという境地。
友保 いや、なか卯なんて一生うまいですよ、あんなもん。なか卯のバターあさりうどんみたいなやつはイマイチやった。たまになか卯も裏切ってくる。そういうとこかわいい。
――さっきから鯉がめちゃめちゃお二人のことを見てきますね……何かを訴えかけている。
友保 エサくれいうことですかね。辛い思いしてるから、人間に媚びることをおぼえてしまった……。
小林 エサやるから恩は明日フジテレビ(THE SECONDノックアウトステージ)で返してくれよ。
取材・文/西澤千央 写真/高木陽春