〈百合子疑惑再び〉カイロ大学首席卒業のはずが…「アラビア語はしどろもどろ」「会話は2歳児レベル」小池都知事(71)の学歴詐称疑惑を追及し続けた元側近都議「この人をかばい続けるのは嫌だ!」
〈百合子疑惑再び〉カイロ大学首席卒業のはずが…「アラビア語はしどろもどろ」「会話は2歳児レベル」小池都知事(71)の学歴詐称疑惑を追及し続けた元側近都議「この人をかばい続けるのは嫌だ!」

もはや何度目かわからない“疑惑”が再び浮上——。東京都の小池百合子知事(71)が自称してきた「エジプト・カイロ大学『首席』卒業」という輝かしい学歴が、いよいよ怪しくなってきた。

女性キャスターの草分けとしてバブル期に台頭、その知名度で政界に進出して閣僚を歴任。その後、自ら「都民ファーストの会」なる地域政党を立ち上げ、都知事も2期目を全うしようという「女性政治家のロールモデル」の晩節が、汚辱にまみれようとしている。

再燃した学歴詐称疑惑を元都民ファの都議も追及

今回、小池氏の学歴詐称疑惑を再び報じたのは、同問題の急先鋒であり続けた文藝春秋社。同社で「本誌」と称される月刊「文藝春秋」5月号が、重大証言からなる2つの記事を掲載した。

ひとつは元都民ファーストの会事務総長にして弁護士の小島敏郎氏が、学歴詐称工作に加担してしまったことを悔いる「元側近の爆弾告発」。もうひとつは小池氏のカイロ時代のルームメイトだった北原百代さんの「カイロで共に暮らした友への手紙 百合子さん、あなたが落第して大学を去ったことを私は知っている——」。

小島氏が「工作」と告発したのは、小池氏が2期目に臨んだ2020年の都知事選直前に発売され、瞬く間にベストセラーになったノンフィクション作家の石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』に関するものだ。

この中で小池氏の学歴を「虚偽」と断じたことを揉み消すためにカイロ大学長に「卒業したことを証明する」という声明文を出させた「偽装工作」のことだった。

キャリア官僚として環境庁で次官級ポストまで務め、また法曹資格者である小島氏が、小池氏の学歴詐称に加担した自身の「黒歴史」を独白したことは、これまでの疑惑報道とは一線を画す重みがある。

集英社オンラインでは、学歴詐称を含めてこれまで小池都政の疑惑を追及し続けてきた上田令子都議(江戸川区選出、3期目)に話を聞いた。上田氏は一時期、都民ファーストの会に籍を置いていたが、小池氏の都政運営の姿勢に疑念を抱き、2017年10月3日に離党。以降は議会内外で小池都政の問題点に鋭く斬り込んできた。

――小池都知事のカイロ大学卒業の経歴詐称問題が再燃していますが、どうご覧になっていますか。



上田令子都議(以下同)勇気ある発言者がまた増えたと思いました。(小池百合子という政治家は)巨大権力なので、みなさんが尻込みするのは当然ですが、長い年月をかけて勇気ある発言者が増えてきました。本当は4年前に決着したかったとこですし、私自身も批判されたり嫌がらせのメールがたくさんきましたが、言い続けてきてよかったなと思います。

「証明書はそもそも大使館を通じて証明するものではない」

――上田都議は2020年6月、小池知事の卒業証書と卒業証明書を提出させる議決案を提出しましたね。

(カイロ大学長が出した声明文のせいで)自民党と共産党が日和ってしまいましたけどね。小池知事は政府を通してカイロ大学長に「卒業したことを証明する」という声明文を出させた約10日後に、堂々と卒業証書を出したんです。

卒業証書には敬称がミスではなくミスターになっているなど不可解な点があったものの、「大学が卒業していると言っているんだから、これは本物なのよ」と突き通せますよね。

私は当時から「カイロ大がお墨付きを出したとはいえ、これらは偽物ではないか」って確信しておりましたから、自民共産が弱腰になろうが絶対に追及し続けようと意を決しました。
 

―――小池知事が自称するカイロ大卒業という経歴は、1992年に参議院議員に初当選したころから疑惑報道が繰り返され、その度にうやむやになってきたイメージがあります。

小池さんが将来に向けてさまざまな根回しをしたり、権力の階段を急いで登っていった動機のひとつは間違いなく「権力欲」でしょう。しかしもうひとつ、誰にも文句を言われない立場にならない限り、学歴詐称の問題が必ずついてまわるとわかっていたからこそ、急いで階段を登っていったんだと私は思います。

――今回の疑惑再燃後、小池知事はまたしても「大学が認めている」と抗弁しています。

それは大学が認めざるをえない“なにか”があったからそうなったわけで。

普通は自分で大学から証明書を取り寄せ、声明を出せばいい。そもそも大使館を通じて証明するものではないですから。いくらカイロ大とはいえ異様ですよ。例えば米国のワシントンD.C.のトップの学歴を、どこかの大使館が証明するなんてことはありえないわけですから、不自然極まりないですね。

しかも小池さんのアラビア語は、流暢どころかしどろもどろだったので、いろんな界隈から「本当は卒業してないんじゃない?」と言われてしまうわけです。しかも小池さんは「首席で卒業」としていますが、これって例えるなら東京大学に留学にきた外国人が首席で卒業するようなものですよね。
そんな優秀な人なら、50年経っても「普通にしゃべれるでしょ?」と思うのが当然でしょう。

ましてや実際に小池さんの留学時代をリアルに見ていた北原百代さんが「落第した」と証言している。その後に何らかの形での卒業をカイロ大が認めていたとしても、正規のルートでの卒業はしていないだろうと思っています。

 「小池さんのウリは『私はカイロ大卒業』しかなかったわけですから」

――上田都議は北原さんにもお会いされていますね。

北原さんには去年の11月にお会いしてお話をうかがいましたが、よりいっそう「小池都知事はカイロ大を卒業していない」と思うようになりました。

北原さんはジャニー喜多川氏から性暴力を受けたジャニーズ事務所の被害者たちが、実名告白をしたことで「世の中が動いた」ことに勇気を得たと感動されていました。

それと1972年当時、リアルタイムの小池百合子を見ているわけですから、やっぱりそれは黙っておくことはできないとおっしゃっていました。

――上田都議が小池知事の学歴詐称疑惑を追及し続けようと思ったのはなぜですか。

私は都民ファーストの立ち上げメンバーですが、当初から小池知事はアラビア語が話せないのだろうなと思っていました。それこそ今でも小池知事がアラビア語で答える動画、残ってますよね? 

イスラム思想研究者でアラビア語通訳者の飯山陽さんが、小池知事のアラビア語の会話能力を「2歳児レベル」と評した動画ですが、私が見ても、とても流ちょうだとは思えなかったので、「この人をかばい続けるのは嫌だな」と率直に感じたんです。

それに小池さんには嫌な思いもさせられました。せっかく無所属の議員が50人も集まって彼女のポスターを雨の中一生懸命に貼ったのに、小池さんは当時の私設秘書に指示をして私たちに「(テレビカメラの)画角に入るな、マイク持つな」とキツい口調で排除し始めたのです。

あの当時のニュースキャスターでは小宮悦子さんとか安藤優子さんとか女性が活躍してましたが、はっきり言って小池さんのウリは「私はカイロ大卒業」しかなかったわけです。

ーー舌鋒鋭く小池知事の学歴詐称問題に斬り込む上田都議は、この問題に終止符を打つ可能性の高い証言をした小島敏郎氏と小池知事の関係についても饒舌に語った。後半で紹介する。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班