『サザエさん』アナゴさんの子ども、花沢さんの妹… いつのまにか設定が消えた激レアキャラの秘密とは…最新回に謎キャラ浜口くん登場でファン興奮
『サザエさん』アナゴさんの子ども、花沢さんの妹… いつのまにか設定が消えた激レアキャラの秘密とは…最新回に謎キャラ浜口くん登場でファン興奮

アニメ『サザエさん』には、マスオさんのお母さん、波平の同僚の岡島さん、あさひが丘一のお金持ち・湯水金造など、幾人かのレアキャラが存在する。先週の放送ではそんな中でも、飛びぬけたレアキャラが登場した。

マスオさんの後輩・浜口くん

5月19日に放送されたアニメ『サザエさん』(フジテレビ系)で、激レアキャラが登場したことが話題になっている。

そのエピソードは「マスオ、悩みの食卓」。この本話で登場したのは、マスオさんの後輩・浜口くんだ。ツーブロックで垂れ目の、今風な見た目の浜口くんだが、ほぼすべての人が初見だったようで、登場するなりSNS上は〈レアキャラきた!〉〈なんだこの新種キャラは〉〈新キャラきたー〉〈知らない同僚、浜口〉と湧くことになった。

『サザエさん』では2000年4月に放送された回に、「新入社員ハマグチくん」というものがあり、同じ名前のキャラが登場したことがあったが、そちらのハマグチくんと今回の浜口くんでは見た目が全く違うことから、おそらく同名の別人物だと思われる。

さて、そんなレアキャラ・浜口くんだが、マスオさんとアナゴさんに連れられてやってきた居酒屋でバクバクと豪快にご飯を食べ進める。マスオさんはその食べっぷりを褒めるが、アナゴさんは無表情で食べる浜口くんを見て、「もっとおいしそうに食べなきゃ」と指摘し、笑顔でガツガツ食べるマスオさんを見習うよう言った。

すると浜口くんは意を決したように、「僕の相談にのってもらえませんか?」とマスオさんに申し出る。浜口くんは既婚者なのだが、なんと家での晩ご飯のメニューが、ハンバーグ、チャーハン、カレーの3種類しかないそうだ。

浜口くんの家は夫婦共働きで、当番制でご飯を作っているのだが、浜口くんの妻がその3種類しか食べないため、浜口くんは料理が得意であるものの、その3種類しか家では作れないし食べられない。そこで、なんとか妻に他のメニューを食べてもらう方法はないかと、マスオさんに相談したわけだ。

マスオさんから話を聞いたサザエは、ハンバーグに似たメニューである、肉団子を作ってみたらどうかと提案した。さっそく、このことを浜口くんに伝えたマスオさんだったが、すでに実践済みのようで、妻から「余計なことしなくていいから」と拒否されてしまったという。

磯野家の食卓ではなぜご飯がおいしいのか…

そんな中、磯野家の晩ご飯に、伊佐坂先生からもらったというわさび漬けが出る。波平とマスオさんがおいしそうにわさび漬けを食べているのを見て、カツオも思わずパクり。だが小学生には辛すぎたのか、慌てて水を飲んだ。

この様子を見たサザエは、浜口くんも妻の前で、おいしそうに3種類以外の別メニューを食べてみたらどうかと発案する。この案を聞いた恐妻家のアナゴさんは「なんて恐ろしいことをするんだ。奥さんの嫌いな料理を目の前で食べるなんて。わが家でそんな嫌がらせをしたらどんなことになるか!」と否定的だったが、いざ実践してみると大成功。

浜口くんが「おいしいおいしい」と言いながら食べる様子を見て、浜口くんの奥さんも思わず、浜口くんのおかずを食べ、そのおいしさに気づき、食わず嫌いが克服されたそうだ。

その晩、磯野家の食卓でマスオさんは、この経験を通して「おいしそうに食べるって大事なことなんだね」と実感したと語る。フネも「料理したほうも作りがいがありますからね」とうなずく。磯野家はみんながおいしそうにご飯を食べていることに気づき、波平は「だから一家そろって食べるご飯は、いちだんとおいしいのかもしれんな」と話を締めるのだった。

今回、唐突に登場した浜口くんというレアキャラだが、評論・情報系同人誌サークル『サザエさんじゃんけん研究所』所長に聞くと、準レギュラーキャラになることはなく、あくまでこの回きりの登場になるのではないかという。

「『サザエさん』の登場人物は長期間固定されていて増減が発生しないことが特徴です。

話の中で新たに親しくなる人がいても、必ずその話限りでその後は二度と登場しません。そのようなキャラクターは完全に一度きりの登場なので、私にとってはレアキャラ未満の扱いで“名前付きモブ”と呼んでいます。今回登場した浜口も名前付きモブに分類されます。過去にもマスオの同僚として浜口が登場しましたが、容姿が全く異なるため、たまたま同じ名前が付けられたモブと考えています」(所長)

存在が消された? アナゴさんの子ども…

一般的に『サザエさん』の“レアキャラ”に分類されるキャラには、磯野家のご先祖さま・磯野藻屑源素太皆(いそのもくずみなもとのすたみな)、マスオの兄の子ども・フグ田ノリオ、あさひが丘一のお金持ち・湯水金造、マスオさんの母、波平の同僚・岡島さんなどだろうか。彼らはアニメの公式サイトにも掲載されている。

「一方で、アニメ『サザエさん』の初期に登場していたものの、いつの間にか設定が完全に消滅してしまったキャラクターも多数存在します。

例えば、アナゴさんの子ども、花沢さんの妹、中島の父などがFODなどでの初期話の配信で確認されています。湯水家のみなさんは設定が残っているにもかかわらず登場機会のみが消滅した珍しいケースで、経済的格差を今の『サザエさん』ではネタにできないためと推測しています」(所長)

カツオのクラスメイトの早川さんや、ワカメのクラスメイトの堀川くんなど、もともといたキャラではあるが、近年、出番が明らかに増えているキャラなどもいる。ここら辺も網羅してこそ、“サザエさんガチ勢”になれるのかもしれない。

次回は「一人で出来るです」という、なにやら有名番組のパロディーのようなタイトルの回である。タラちゃんが足の爪をフネに切ってもらっていることを、友達のリカちゃんにからかわれたことを発端に、悔しくてなんでも一人でやろうと挑戦するというエピソードだ。この話が一体どんなオチを迎えるのか、楽しみだ。

取材・文/集英社オンライン編集部