
2023年に開催された日本全国16都市、全54公演と自己キャリア史上最大規模となった、松任谷由実のデビュー50周年記念「THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー」を劇場で特別上映することが決定した。本人登壇回も用意されている。
どれだけ体調が悪くても、コンサートを飛ばしたことは一度もない
作・編曲家、音楽プロデューサーの武部聡志が、これまで共演してきた歌い手たちの魅力を論じた『ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか 語り継ぎたい最高の歌い手たち』が集英社新書より刊行された。
刊行から2週間で2度の重版がかかるなど、すでに大きな話題になっている。
そのタイトルに冠され、武部が最も思い入れ深く論じているのが、ユーミンこと松任谷由実だ。1983年より武部がコンサートツアーの音楽監督を務めているなど、2人の親交は40年を超える。
武部は、本書の中でユーミンの歌い手として魅力の1つに「ライブに対するストイックな姿勢」を挙げている。その一節を紹介しよう。
「ユーミンの魅力について、ライブパフォーマンスの話をしたいと思います。
50年以上のキャリアを振りかえって、アルバムをリリースしない年はあっても、ライブを行わなかった年はありません。それだけユーミンは自分の活動のなかでライブに重きを置いてきたんです。
どれだけ体調が悪くても、コンサートを飛ばしたことは一度もありません。本編で足をくじいて、どんなに激痛があったとしても、アンコールは必ず行ってきました。
彼女のショービズに対する心構え、その気迫にはすさまじいものがあります。観客にちゃんと納得して帰ってもらう。
これだけ長いあいだ一緒にやってきても、それはいまだに変わらない姿勢です。
歌う前日には1滴もお酒を飲まず、だれよりも早く会場に入って、決められたウォーミングアップのメニューをこなす。そういう徹底した自己管理をユーミンは怠りません。
ストイックという言葉は彼女のためにあるんじゃないか。そう思うほど、ユーミンはストイックです。
それが50年以上も歌いつづけてこられた、彼女のひとつの要因でもあると思います」
武部聡志も参加…50周年記念ツアーの感動再び
そんな武部も参加した、2023年開催の松任谷由実デビュー50周年記念「THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー」を109シネマズプレミアム新宿、109シネマズ名古屋、109シネマズ大阪エキスポシティ限定で特別上映することが決定した。
ライブは、「守ってあげたい」や「真夏の夜の夢」などの代表曲はもちろんのこと、「あの日にかえりたい」「海を見ていた午後」など荒井由実時代の名曲も披露された、まさにメモリアルなツアーに仕上がっている。
上映するのは、今年Blu-ray&DVDで発売された映像作品「THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー」を、グラミー賞エンジニア・GOH HOTODA氏が5.1ch サラウンドサウンドに新たにリミックスし、映像を4K化した特別劇場版だ。今回の劇場でしか体感できない限定公開となっている。(編集自体は映像作品パッケージと同様の内容)
最高音質の環境でなければライブを超えることは出来ない。というポリシーのもと、会場選びにもこだわったという。
3劇場には、映画はもちろんライブの魅力も最大限に引き出す109シネマズオリジナル規格のプレミアムサウンドシステム「SAION(サイオン)」が導入されている。
特に109シネマズプレミアム新宿では、「SAION」の良さをそのままに、坂本龍一氏監修の下で設計された、より極限までリアルな音を追求した音響システム「SAION -SR EDITION-」が体験できる。
記念すべきデビュー50周年のライブ映像を鑑賞するのにこの上ない、音響にこだわり抜いた環境が用意されている。
また、初日の12月13日(金)には松任谷由実が登壇しての公開記念 舞台挨拶付 上映も実施される。
そして、同じく109シネマズプレミアム新宿で、12月21日(土)には、応援上映の実施も決定。大声を出して歌うもよし、立ち上がって踊るもよし、コスプレを自慢しあうもよし、参加者が全力で「THE JOURNEY」ツアーを楽しめるスペシャルな上映回になっているという。
上映スケジュールなど詳しい情報は、松任谷由実オフィシャルHP(https://yuming.co.jp)をチェックしてみてほしい。
文/集英社オンライン編集部
〈商品情報〉
■DVD UPBH-20323,4 ¥6,600(tax in)
『THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー』
■Blu-ray UPXH-20137,8 ¥7,700(tax in)
『ユーミンの歌声はなぜ心を揺さぶるのか 語り継ぎたい最高の歌い手たち』
武部聡志 門間雄介(取材・構成)
日本で1番多くの歌い手と共演した音楽家が語る
かつてない“究極のボーカル論”――。
真の「優れた歌い手」は何が凄いのか?
音程やリズムが正確な「うまい歌い手」であっても、それだけでは時代も世代も超えて人々の心を揺さぶる「優れた歌い手」ではない。
彼らはテクニックではなく、もっと大切なものを音楽に宿しているのだ――。
1970年代から音楽界の第一線でアレンジャー・プロデューサーとして活躍し、日本で一番多くの歌い手と共演した著者が、松任谷由実や吉田拓郎、松田聖子、中森明菜、斉藤由貴、玉置浩二、MISIA、一青窈など、優れた歌い手たちの魅力の本質を解き明かす。
【目次】
はじめに
第一章 松任谷由実
第二章 吉田拓郎
第三章 時代を変えたパイオニア
第四章 80年代アイドル
第五章 男性ボーカル
第六章 女性ボーカル
第七章 歌い手を生かすプロデュース術
第八章 未来を託したいアーティスト
おわりに
歌い手年表と武部聡志の仕事歴