元CA芸人・CRAZY COCO「モテました」と即答する爆モテCA時代の苦悩…怪しい人が多く集まるという噂のドバイの実態を聞いてみた
元CA芸人・CRAZY COCO「モテました」と即答する爆モテCA時代の苦悩…怪しい人が多く集まるという噂のドバイの実態を聞いてみた

元外資系航空会社のCAで、現在は芸人として活動するCRAZY COCO(クレイジーココ)さん。YouTubeチャンネル「CRAZYCOCOチャンネル」は登録者数33.8万人(3月4日現在)を超えており、「日系CAと外資系CAの違い」などのネタ動画が話題となっている。

CA時代はドバイを拠点に世界中を飛び回る華やかな生活を送りながらも、その裏には激務や昼夜逆転の過酷な勤務があったという。インタビュー前編では、CAの恋愛事情やドバイでの生活について聞いてみた。 

CA時代は「自分の連絡先は教えず、相手から貰うように」

――CA時代はどのような生活を送っていましたか?

CRAZY COCO(以下、同) 私が勤務していた外資系航空はドバイの会社なので、ドバイの寮に住んでいました。その寮はドバイ国内に当時、20カ所くらいあり、どの寮に入れるかは完全に運任せ。

私が最初に住んだのは、「ここ、砂漠のど真ん中ですか?」と思うような場所でした(笑)。3LDKの間取りで、キッチンとリビングはルームメイトとシェア。自分の部屋には専用のトイレとシャワールームがありました。

そこに1年ほど住んだあと、運よくダウンタウンエリアに引っ越すことができました。東京でいう港区のような高級エリアで、周りにはお金持ちしか住んでいませんでしたね。生活水準が一気に上がりましたよ。

新しい寮はリビングとダイニングを合わせて約20畳、キッチンは6畳、寝室は8畳ほど。普通に借りたら家賃50万円はするような物件でしたが、家賃はすべて会社負担だったので、めちゃくちゃ貯金できました。

――CA時代はモテましたか?

モテました(即答)。

でも、私だからモテたというより、男性ってCAに憧れがちじゃないですか? ドバイに住んでいる日本人の駐在員や、飛行機に搭乗したお客さんからよくアプローチされましたね。

――勤務中に連絡先を渡されることってやっぱりあるんですか?

ありますよ! 友だちのCAなんて、勤務中に自分からコースターに携帯番号を書いて、サッカー選手や芸能人に渡していましたからね。

でも、私は仕事中に余計なことを考えたくなかったので、一度も自分から渡したことはありません。相手から名刺をもらったら「ありがとうございます」と受け取ることはありましたが、正直、裏に行ってそのままゴミ箱に捨てたこともあります(笑)。

――連絡先を交換することは、会社で禁止されていないんですか?

禁止されていないんですよ、これも外資ならではですよね。

入社したあとの研修で、お客さんとの距離感についての講義があったんですが、そこで「イケメンがいたら番号を渡したくなるわよね。わかるわ。でも、渡したかったら渡してもいいの。それはあなたたちの自由。ただし、もし相手が犯罪者でも、会社は一切責任を取らないからね」と言われました。

だから、基本的に自分の連絡先は教えず、相手から貰うようにしていました。もらった名刺をあとでネット検索して、会社名やFacebookアカウントをチェックしているCAもいましたね。

あと駐在妻を目指していたCAもいたんですが、その子は商社マンの名刺をとにかく集めていました(笑)。

――COCOさんはCA時代、日本人と外国人、どちらからモテましたか?

圧倒的に外国人ですね。私が勤務していた外資系航空では日本以外のフライトのほうが圧倒的に多かったので、機内での出会いも自然と外国人ばかりでした。

――機内では、どのようにナンパされるのでしょう?

たとえば、イギリス人やドイツ人は結構真面目で、きちんと名刺を渡してくれるイメージでしたね。それに「お茶でもどうですか?」と、紳士的に誘ってくる方が多かったです。

一方で、オーストラリア人は「ヘイ! もしシドニー行きのフライトがあったら、おすすめのビーチに連れて行くよ! だから番号教えてよ!」みたいな、まるで友だち感覚の距離感でした。

私はどちらのスタイルも好きでしたが、ナンパにも国柄って出るんだなぁと感じました。まぁ、私をナンパした人たちがたまたまそういうタイプだっただけかもしれませんけどね(笑)。

CA時代は「メンタルを保つのが大変だった」 

――華やかな一面がある一方で、「CA時代は激務だった」とのこと。具体的にどんなことが大変でしたか?

CAとして勤務していると、昼夜逆転の生活が当たり前になります。夜中でも普通にフライトがあるので、太陽光を浴びる時間が極端に少なくなるんです。だから、どんなCAでも一度はメンタル的に落ち込むタイミングがあると思います。

私も外資系航空に入社して1年半ほど経った頃、ガクッと気持ちが落ち込み、「何もしたくない」「フライトも全然楽しくない」って状態が、3か月くらい続いたんです。

私が勤務していた外資系航空はドバイをハブにして、アジア、オセアニア、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパと世界中に飛びます。移動が多すぎて自律神経が乱れるし、ホルモンバランスも崩れる。そういう特殊な働き方なので、メンタルを保つのが本当に大変でしたね。

――ドバイは非常に安全な国である一方で、「犯罪者が集まる国」と呼ばれることもあります。ガーシーが逃亡先に選んだりと、怪しい人が集まってくる印象もありますが、COCOさんがドバイに住んでいた頃、周りにはどんな日本人が多かったですか?

当時から「裏でマネーロンダリングに手を出しているらしい」という噂が流れている人はいましたが、基本的にはちゃんとした企業の駐在員が多かったです。私もそういう人たちとご飯に行っていたので、怪しい人に会うことはありませんでした。

ドバイに悪いイメージがつき始めたのは、コロナ禍の後くらいからだと思います。今も外資系で働いている同期のCAが、「最近、何をしているのかよくわからない若いカップルが、ファーストクラスによく乗っている」と言っていました。

私がCAだった頃のファーストクラスは、年相応のお客さんが多かったのに。

エコノミークラスの客層はあまり変わっていないようですが、ビジネスクラスやファーストクラスには派手で騒がしい若者が増えており、「以前と客層が変わったよね」と話題になっているそうです。

犯罪者とは言わないまでも、何か怪しい人たちがドバイに増えているのは、みんな肌で感じると言っていました。

結婚は「50歳くらいになってもいいかな」 

――現在、お付き合いしている人はいますか? また、結婚願望はありますか?

今は38歳で、付き合っている人も、気になる人もいませんが、最近はすごく「子どもが欲しい」と思うようになりました。

恋愛がしたいというより、家族を作りたい気持ちのほうが強いですね。

30歳くらいまでは結婚願望があったのですが、CAを辞めて日本に帰ってきて、特に芸人を始めてからは、結婚を考える余裕がまったくなくて。でも、今は気持ちに余裕が出てきて、「今だったらきっと人を幸せにできるかも」と思えるようになったんです。

とはいえ、「何歳までに結婚したい」といった焦りは全然ありません。結婚はご縁だと思っているので、50歳くらいになってもいいかな、くらいの気持ちです。

――「オツボネCA」ネタがYouTubeで225万回再生を超える大人気ですが、CA時代の人間関係は実際どうでしたか?

外資系航空には日系の航空会社から転職してきたCAもたくさんいて、その子たちからよく「外資系航空は上下関係が全然なくて、めっちゃ楽!」って聞いていました。やっぱり日系の航空会社には、“お局”的な人がいるみたいです。

ただ、「オツボネCA」ネタのキャラは実際に出会った人というより、OL時代やこれまでの仕事の中で出会った嫌な人たちをギュッと凝縮して作った架空の人物です。

それでも、たまにピュアな人から「先輩のことをネタにするなんて考えられません!」って真剣なコメントが来ることもあります(笑)。

――批判的なコメントも来るんですね。 

批判的なコメントは、全体の1割くらいですね。「外資系CAあるある」のネタ動画には「外国人差別するな」みたいなコメントが来ることもあります。

 

――CA時代の華やかな生活が恋しくなることはありますか?

タダで飛行機に乗れていたのは、めちゃくちゃよかったなぁと思います(笑)。航空会社で働いていると、プライベートでも空席があれば1割負担で飛行機に乗れるんですよ。それを思うと、「CA時代は恵まれていたなぁ」「パイロットと結婚したいなぁ」なんて考えたりしますね(笑)。

でも、今は芸人として「人生で一番好きな仕事ができている」と感じているので、「あの頃に戻りたい」と思うことは一切ないです。

――いろいろな仕事を経験してきた中でも、芸人が天職だと?

そう思いますね。働き方の面でもそうだし、私はたぶん、同じ場所にずっといるのが苦手なんです。「自分はちょこちょこいろんなことをやっていきたいタイプ」ってことが、この年齢になってようやくわかりました。

YouTubeをやって、ネタをやって、ラジオに出演して、テレビにも出してもらって、講演会にも呼ばれて……。今、自分の人生において理想的な働き方ができているなって思います。

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インタビュー後編では、CRAZY COCOさんの生い立ちや経歴、今後の目標や夢について聞いてみた。 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 撮影/村上庄吾 

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