〈災害級の暑さは肉球やけどにも注意!〉国も警告する犬や猫の熱中症リスク「アスファルトは60℃を超えることも」大切な家族の一員を守るためにできること
〈災害級の暑さは肉球やけどにも注意!〉国も警告する犬や猫の熱中症リスク「アスファルトは60℃を超えることも」大切な家族の一員を守るためにできること

連日、異常な暑さが日本列島を襲っている。総務省消防庁によると、7月28日から8月3日までに熱中症により救急搬送された人は全国で9507人にのぼったという。

しかし、熱中症のリスクは人間のみならず、動物たちにも迫っている。犬や猫などの大切な家族の一員を熱中症から守るためにできることは何か。行政や民間事業者に話を聞いた。 

災害級の暑さでペットにも迫る「熱中症リスク」

過去に例のない暑さが続く日本列島。連日、多くの地域で熱中症警戒アラートが発令され、40℃超えの気温を記録する地域も増加している。災害級の暑さの中、引き続き体調管理には十分注意して過ごしたい。

そしてこの暑さは、動物たちにも危険を及ぼしている。犬や猫などの動物は体を毛でおおわれており、体温調整が得意ではないため、熱中症のリスクがある。しかし、動物たちは人間の言葉でSOSを出せないため、飼い主が責任を持ってそのリスクから守る必要がある。

今年に入り、ペットの熱中症防止の啓発ポスターを作成した環境省の担当者は次のように話す。

「具体的な統計データがあるわけではありませんが、ペットが熱中症になる可能性が高い状況になっています。

数年前に、炎天下に駐車した車内にペットを放置するという事案が問題になったことがありました。ただ、車の中に限らず、炎天下での散歩や、室内であっても閉め切った状態であったりすれば、当然熱中症になるリスクがあります。

犬や猫は路上を素足で歩きますし、人間よりも体高が低いので、リスクは高くなりますし、地上から受ける輻射熱の影響も大きくなります。当然、人と同様に熱中症に注意しないといけません」

同省の啓発ポスターによれば、

・夏の日中の散歩や外出は、熱中症や肉球のやけどの危険性もある。散歩等は早朝や夜などの涼しい時間帯に行なう
・屋外に係留する場合も、直射日光のあたる環境は避ける。日陰のある風通しのよい場所を選択し、十分な水を準備する
・室内であっても適切な温度・湿度管理をし、ペットが自ら快適な場所に移動できるような環境を整える
・冷房の効いていない車内はわずかな時間であっても非常に高温になる。短時間でも車から離れる場合はペットと一緒に行動する

特にこの4点に注意を払い、ペットの熱中症予防につなげてほしいとしている。

犬の散歩にもリスクが潜む?「犬のおさんぽ予報」の担当者は

夏の高温化にともない高まるペットたちの熱中症リスク。そんな中、「愛犬の散歩」に焦点を当てたサービスが飼い主たちの助けになっている。犬の散歩に適した時間に関する情報などを提供するサービス「犬のおさんぽ予報」を運営する日本気象株式会社の担当者に話を聞いた。 

「夏に増加する犬の肉球やけどや熱中症が問題になっていることを知り、何かそれを予防するための情報を出せないか、というところから本サービスを発案しました。気象データからアスファルトの路面温度を予測し、わんちゃんのおさんぽに出かけるのに最適な時間帯の参考情報として提供しています。2020年の夏からサービスを開始しました」 

同サービスでは、「地面がアスファルト舗装だった場合の路面温度を気象条件から予測し、3日先までの温度予測値と指数」を掲載している。散歩に適した度合いを7段階で表しており、最も危険な暑さの場合は「(散歩を)中止」としている。

 

サービスの利用者からは、

「散歩時間の参考にしています。 最近の暑さで必須の情報です」

「マンションに住んでいて、アスファルトを触るために何度も外に出られないので、とても便利」

「日が陰ってきても、アスファルトの温度まではわからないので、すごく参考になります」

「16歳のシニア犬のお散歩に利用しています。シニア犬は暑さと寒さがより堪えるので、事前に分かることでお散歩の予定が立てやすく、とても助かります」

「恥ずかしながら、犬のおさんぽ予報を見るまで地面がこんなにも熱くなっているとは知らなかったです」

など、多くの声が届いていると担当者は話した。

環境省が公表している資料によれば、猛暑の中でアスファルトの表面は60℃を超えることもあるという。大切な家族の一員の命を守るために、しっかりと熱中症対策と講じてこの夏を乗り越えてほしい。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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