
和歌山市の自宅アパートで2歳の長女を虐待死させたという保護責任者遺棄致死容疑で、和歌山県警に逮捕された建設業・平晴流容疑者(26)と妻の菜々美容疑者(26)。2人は小学校からの同級生という幼なじみで、中学時代の夫は不登校で虚言癖があり、妻は陰気なバレーボール部員だったという。
「頻繁にしょーもない嘘をつくので距離を置かれていた」
「ハルと菜々美は小学校から同級生で、中学時代は知っています。中学時代は2人ともちょっと変わっているというか、普通ではない部分がありました。ハルは中学校の時はほとんど不登校で、中3になってからちょくちょく来るようになりはしましたが、全体を通すとほぼ来てないですね。
ハル自身は学校に来てもおとなしく、どちらかと言えば暗いイメージです。ただ、同級生に不良の子が数人いてその子らの友達だったこともあり、スクールカーストでは真面目な生徒たちの『一段上』にいるって感じでした」(夫婦の同級生)
不登校ゆえか、勉強でもスポーツでも目立つことがなかった晴流容疑者だが、妄想に耽ることで自尊心を満たそうとしていた様子があったという。
「ハルが頻繁にしょーもない嘘をつくので虚言癖があるヤツと思われてました。若い女性の先生がいたんですが、その先生と『SMプレイした』と言い出したり、バレンタインの時期にハルがYouTubeで上げていた動画で年上の彼女がどうのこうの言ってたのもありましたけど、そんな彼女もいなかったはずです。
そういう嘘をよくつくので、嫌われるほどではないけど少しずつみんなから距離を置かれてはいました。あと、学校にはほとんど来ないし、来ても全然しゃべらんのに動画ではめちゃくちゃしゃべってるんで『キャラ違いすぎやろ』とも言われてましたね。
ただ、不登校について本人は『下の兄弟の面倒をみないといけないから学校に来れない』と周囲に言っていたし、実際に小さな弟もいたので、それは本当なのかなと思います。なんとなく家庭に事情があるのかなと当時は感じていました」
一方の菜々美容疑者はどんな中学生だったのか。
「菜々美は表向きはいい子で、部活はたしかバレーボール部でした。
当時付き合っていた彼氏が、菜々美が他の男子と話すことに嫉妬するという話を聞いたので、自分が『それは菜々美かわいそうやな』って言ったんです。
当時、教室で菜々美は自分と近い席で、かわいそうと言われたのが気にいらなかったのか、授業中に自分に後ろから『なんなんこいつ、うざいわ』みたいな事を言ってきました。彼女のほうを向くとサッと下敷きで口元を隠したんです。自分も腹が立って『言いたいことがあるなら面と向かって言ったらええやんか』と言うと黙りこくっていました。
まぁそういう陰険なところがある子ではありました。定期試験が終わるとみんなで打ち上げをすることがあって、菜々美は酒を飲んで酔って『イェーイ』みたいに陽気になってたこともありましたね」
「誰かに暴力ふるったりいじめたりというタイプではありませんでした」
虚言癖の不登校生徒と、裏表のあるバレーボール部員はやがて付き合いだし、子をもうけた。
「2人にどんな経緯があって付き合い出したのかは知りません。もともとハルは菜々美の親友と付き合っていて、その後、中学時代に可愛いと評判だった女の子とも2ヶ月程度付き合っていました。ハルはモテるタイプじゃないけど、SNSとか LINEとかそういうのが得意だったからじゃないですかね。
菜々美とハルは、ある意味2人とも変わってるんでお似合いというのはあります。2人が付き合いだしたのは19歳くらいですよ。
仕事は転々と変わってやってたみたいな話は聞いてます。菜々美については高校卒業後に何をしていたかも知りませんね。事件の事は知人から聞いて知りましたが、最初知った時は本当に驚きました」
変わり者同士だが、暴力とは無縁だったという2人。だからこそ、同級生には平夫婦のイメージが事件とは結びつけられないという。
「変わっているけど、誰かに暴力ふるったりいじめたりというタイプではありませんでしたから。警察沙汰になったこともないと思いますよ。ハルは自分の子どものこともYouTubeやSNSにけっこう投稿していて、そこでも子どもをすごく可愛がっていますし、虐待している雰囲気は一切ありません。
ただ、長男に比べて下の女の子は動画に登場する回数も少なかったので、ハル的には上の子の方が可愛いんかなって事件の報道を見た後に思いました。普段のハルと菜々美なら子どもに虐待なんかしないとは思います。強いていうなら2人ともお酒はちょくちょく飲んでたので、酔って人が変わるようなことがあったりもするのかなとは思いました」
子をかわいがっていたはずの夫婦はなぜ娘を虐待し、死に至らしめてしまったのか。流菜ちゃんの冥福を祈るしかない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班