平気で嘘をつき、巧妙に人間関係を操る「裏表の激しい人物」はどこにでもいるものだ。とくに職場ともなると、自己保身や出世のために狡猾な嘘や行動を悪気もなくする輩もいる。
心理学者である榎本博明氏の書籍『裏表がありすぎる人』より一部を抜粋・再構成し、職場の理不尽な攻撃から身を守る術を紹介する。
平気で噓をつく
裏表の激しい人間に対して、なぜそんなことができるのか理解に苦しむということは多々あるが、典型的なのが平気で噓をつくことである。
本人の前ではもち上げておいて陰でこき下ろすのも、人の業績を横取りするのも、噓をついていることには違いないが、もっと端的に自己保身や出世のために平気で噓をつくということがある。
そのような同僚を間近に見ている人は、すぐにバレそうな噓も、言った時点で周囲にバレバレの噓も、平気でつくのに呆れることがあるという。
「彼女と一緒にいると、ほんとに驚かされることが多いんです。
この前も、上司から頼まれていた仕事を忘れていたみたいで、進捗状況を尋ねられて慌ててる様子だったんですけど、『じつは先輩から急ぎの仕事を振られてしまって、そっちにかかりっきりだったので、まだできてないんです。急いで取りかかります』って言ったんです。
該当する先輩って、私しかいないんですよ。しかも、私は何も仕事を振っていません。私に聞こえてるのに、気まずいという感覚がないんですよね。
今朝も、取引先からの振り込みがないがどうなってるのかと問いただされたとき、『どうしたんでしょうね。ちゃんと請求してあるんですけど。
きっと請求書を出すのを忘れてたんですね。上司が先方に連絡したら、すぐにバレてしまうのに、よく平気であんな噓を言えるなと、ほんとに驚きです」
このようにすぐにバレそうな噓、目の前の相手のせいにする気まずい噓にも呆れるが、責任逃れのために、その場しのぎの噓を平気で口にするのは日常茶飯事だという。
すぐにバレそうな噓を、なぜ平気で言えるのか。
それは「どうせだれもわざわざ確認しないだろう」とわかっているからである。さらに、多くの人は気まずさを避けるため、あえて指摘しないことも多い。
先の事例で言えば、上司が先輩に「ほんとうに彼女に急ぎの仕事を振ったのか?」と尋ねることは、まずないはずだ。仮に先輩が、彼女が自分のせいにしているのを耳にしても、「それは事実ではありません。私は急ぎの仕事を振っていません」とその場で否定するのは気まずいため、口にすることはないだろう。
2つめの事例でも、上司が取引先に直接、振り込みを催促することは考えにくい。
要するに、噓が容易に通ってしまうのは、「だれも確認しない」「だれもその場で否定しない」という前提があるからである。
そして、そのような経験が積み重なることで、「噓はバレないものだ」という思い込みはますます強まっていくのである。
陰口をこちらが言ったことにされてしまう
多くの人が経験しているのが、向こうが言った陰口をこちらが言ったことにされ、周囲に広められる、といった嫌らしい手口だ。そのせいで、こちらが周囲から軽蔑の目で見られたり、陰口を叩かれた当人から嫌われたりするのだから、あまりに理不尽な嫌がらせだ。
このようなことをする同僚に痛い目に遭わされたという人は、その忌まわしい経験について、つぎのように説明する。
「その同僚は、かなりの辛口で、周囲の人たちをこき下ろすんです。この前も、その同僚が私を捕まえて上司についての不満をまくしたてるのを、また始まった、嫌だなあって思いながら聞いていただけなのに、『○○さんがこんな不満を口にしてました』って上司に言いつけたみたいなんです。
ある日、上司から呼び出され、『君はこのような不満をもってるようだけど、今後は陰で言うんじゃなくて私に直接言ってくれるかな』と、言葉はやさしげでも、明らかに気分を害してる表情で言われたんです。
前にも似たようなことがあったので、けっして陰口には同調しないようにしてるんですけど、ただ聞いてただけでこんな目に遭わされるんだから、ほんとに嫌になります」
このような人物の場合、ただ聞いていただけでも、こちらが言ったことにされてしまう。ましてや、陰口を聞いているときに、「そうでしょ?」と言われ、うっかり頷いたりしたら、間違いなくこちらが言っていたことにされてしまうので、けっして同調しないように気をつけなければならない。
対上司だけでなく、対同僚でも、うっかり気を許すと、とんでもない目に遭いかねない。
「一緒に仕事をしている仲間について、『○○君、何か不器用で、仕事の要領が悪いよね』と言って、具体例をあげるので、『たしかにそういうところもあるかもしれないけど、でも熱心に取り組んでると思うよ』っていうように私は弁護しました。
なのに、私が仕事の要領が悪いとぼやいてた、っていうふうに本人に伝えてたと、その場に居合わせた人から聞いて慌てました。
一応、そんなことは言ってないと本人には伝えたんですけど、それ以来何だかよそよそしい感じで……。ああいうことを平気でするなんてほんとに信じられないし、腹が立ちます」
このように憤る人もいる。
それでも、絶対にそんなことを言うはずはないと確信をもてないので、疑心暗鬼になって、人間不信気味になっているという。
こんな具合に、裏表を使い分け、さらには人を操作するように歪めた情報を流す人物がいると、職場の人間関係がどうしてもぎくしゃくしてしまう。
不信感や対立を煽るようなことをする
上昇志向の強い裏表人間は、ライバルの足を引っ張るような嫌らしいことも平気でする。それは前項をみてもわかると思うが、本人はあまりに実力不足で、相手からすればライバルでも何でもないのに、そういう相手であってもあの手この手を使って引きずり下ろそうとする。
そのような裏表の激しい同僚に痛い目に遭わされたという人は、その嫌らしい手口について、つぎのように説明する。
「その同僚の実力に見合わない上昇志向の強さには辟易していますが、そのときばかりは許せないという気持ちになって、怒鳴ってしまいました。というのも、やり方があまりにえげつないんです。
私に対して別の同僚の悪口を言ってくるのを、ただ聞いてただけなのに、向こうには私が悪口を言ってたというように、噓の告げ口をするんです。
そして、向こうに私の悪口を言って、私には向こうが私の悪口を言ってたって告げ口してくるんです。向こうと私の間に不信感を植えつけ対立を煽ろうとしたわけです」
「たまたま私たちは同じプロジェクトに携わったのがきっかけで、たまに飲みに行くことがあったため、そうした機会にお互い率直に話して、不信感を解消することができたんですけど、話す機会のない相手だったらと思うと、ゾッとします」
「それで、あまりに腹が立ったので怒鳴ってりつけて、なんでこんなことをするんだ、何か恨みでもあるのか、って問い詰めたんです。そうしたら、べつに恨みなんかない、将来ライバルになる可能性のあるヤツは今のうちに潰しておきたいし、共倒れを狙ったわけだけど、バレちゃったんですね、って笑ったんです。
ここまで露骨な引きずり下ろし方をされたら、さすがにバカらしいを通り越して、この先も何をされるかわからないといった恐ろしさを感じるのも当然だ。
『裏表がありすぎる人』(幻冬舎新書)
榎本博明
なかでも厄介なのが、裏表の激しい人の存在である。
そうした人物は相手によって態度を使い分け、本性を見せる人と見せない人を選ぶため、被害の実態が周囲に伝わりにくい。
しかも皮肉なことに、そういう人ほど上には気に入られ、出世する。
そんな人物が身近にいると、ストレスが溜まる一方で、心がすり減ってしまう。
そこで本書では「裏表がありすぎる人」の心理メカニズムと行動原理を読み解き、彼らへの対処法を提示する。
人を見る目が一段と深まり、神経の消耗が激減する一冊。

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