≪福生マッチョハンマー男≫「ウチの店は事件に関係ないし中国人でもありません」バイク少年より迷惑なネットのデマ暴走「別人が顔をさらされて…」地元住民は警察の対応に不満
≪福生マッチョハンマー男≫「ウチの店は事件に関係ないし中国人でもありません」バイク少年より迷惑なネットのデマ暴走「別人が顔をさらされて…」地元住民は警察の対応に不満

福生市の路上で男子高校生らがハンマーで襲撃され、警察官が液体を噴射された事件。殺人未遂容疑で公開指名手配されていた高林輝行容疑者(44)は5月1日、千葉県内で身柄を確保されたが、ネット上ではデマが横行し、新たな被害を生んでいる。

特に事件現場に隣接する「焼肉店」はデマ被害に悩まされていた。

「無言電話、嫌がらせ電話が1日に数十件に及んだ」

高林容疑者の自宅付近の焼肉店。犯行現場はこの店舗付近の路上だったものの、被害少年たちが事件以前にもタムロしていたことから、SNSでは「襲われた高校生はこの店の息子の連れだ」「店には居住実態がある」「中国籍の経営者だ」といった、もっともらしい情報が拡散された。

しかし、店主らが語る実態はまったく違っていた。

「この店に居住実態なんてないですよ。あなたも(記者も)2階を見たでしょ。仕事が終わったら、みんな各々の家に帰ります。ネットの話は相手にしないことにした。でも、嘘ですよと伝えても、また何か言われるだけですから……」(店長)

「ウチはね、事件後に警察から『(被害少年たちの)バイクを置かせてください』と言われ、協力しただけなのよ。それなのに、テレビのニュースに映っていたバイクを見て、勝手に結びつけられてしまった。ウチに子どもなんていませんし、中国人(経営)の店でもありません」(店の従業員)

店側を最も苦しめているのは、やむことのない嫌がらせ電話だ。事件直後の4日間は特に激しく、1日に数十件に及んだ。現在も「不在着信」や、「非通知」での電話が1日5~10件ほど続き、深夜24時になっても鳴り響くことがあるという。

「『騒いでいたのはオタクの息子だろ!』といきなり怒鳴られる。『関係ないんです』と話しても、『じゃあなんでバイクがあるんだよ!』と言われて切られる。『なんでバイクに乗らせたんだ、誰かが死ぬだろ!』と一方的な罵倒もあります。

名前も名乗らず、こちらの説明も聞かずに攻撃してくる。あまりのストレスに、昨日から営業中であっても電話線を抜いて対応せざるを得ない状況です。これは営業妨害です」(店の従業員)

「こっちは一生懸命に真面目に、コツコツ働いているだけなのに……。お客さんが『大丈夫?』と心配して、励ましてくれることに救われています」(店長)

「まったく関係ないのに、SNSで被害者の少年として顔をさらされた」

一方で、事件の引き金となったとされる「騒音」や「溜まり場」の問題について、地元住民らは複雑な思いを抱えていた。福生警察署が隣接する街道では、以前から若者たちがバイクで騒音を立てており、近隣住民からの苦情も多く寄せられている。

「暴走バイクに乗るガキンチョ? あそこ(現場周辺)や、少し北にあるコンビニや牛丼店でもタムロしてたし、よくあることです。この辺、不良少年は多いですから。夜はもうずっとですね。午後8時から10時ぐらいから集まり始めるんですよ」(コンビニ店員)

「事件の前から、週末の朝方とか夜はバイクの音がめちゃめちゃうるさかったですよ。駅前もすごいです。

ただ、あの子たちはちゃんとヘルメットをかぶってるし、赤信号でも停まる。うるさいけど、昔のヤンチャな子に比べたらおとなしい。暴走族というより、単なるバイク集団という感じです」(地元住民・20代女性)

SNS上では被害者の少年たちが、有名な暴走族グループに所属していたような書き込みも見られる。だが、地元住民から煙たがられはするものの、そこまで悪辣な集団ではないという。

「半グレとか、ヤバい奴らじゃない。ネットはデマだらけ。オレの後輩も、今回の事件にまったく関係ないのに、SNSで被害者の少年として顔をさらされたヤツがいる。投稿主に何度も消してと言ってるのに消されず困っている」(地元在住・20代男性)

「パトカーが来ると建物の裏に隠れる、その繰り返しですよ」

福生周辺の不良文化を長年、この目で見てきたというタクシー運転手(60代男性)は、福生警察署に対しても不満があるようだ。

「(タムロする若者たちは)寒い時期はいなくて、毎年春先ぐらいから増えるんです。『新16歳』が原付に乗り始めると、上の先輩が絡んで(一緒に)タムロするんだろうね。

焼肉屋のところも、店が閉まった後、深夜から朝方にかけて集まっているのを何度か見ました。深夜になると、国道16号線沿いのディスカウントストアの前にも集まりますね。

パトカーが入ってくると、みんな2~3階の売り場や駐車場にサッと隠れて、パトカーがいなくなるとまたバーッと降りてくる。駅前でもパトカーが来ると建物の裏に隠れる、その繰り返しですよ」(タクシー運転手)

前出のコンビニ店員もこう語っていた。

「警察も昔みたいに悪ガキを追っかけ回さないし、相談しても『学校を通してください』と言われちゃうんだ。でも学校は『警察を通してくれ』と言う。たらい回しですよ。誰もビシっと注意しない」(コンビニ店員)

ネット上でも、これまでバイク少年たちを“野放し”にしていた警察への批判が多数書き込まれている。

では、福生警察署は少年たちの騒音トラブルへの対応についてどう考えているのだろうか。同署の担当者は電話取材に対し、次のように回答した。

「(以前から通報があったかについては)個別にお答えできないんですが、常識的に考えてどうかなって思っていただければと。基本、110番が入ったら、ほぼ必ず、特定の場合を除いて現場に行きます」

騒音バイク少年問題に、ネット上のデマ拡散、地元住民による警察批判……。無職男が起こしたハンマー事件の余波は、なお続いている。

※「集英社オンライン」では、今回の事件についての情報を募集しています。

下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。
                                    
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ