梅田の阪急ビルが建て替えのためついに解体
(上)工事前の外観 (中)現在の外観 (下)工事前の旧コンコース<br>ここに載せきれなかった写真はBit写真館で
現在、大阪の梅田では再開発が活発で、実際に始まっているものも多数。広大な梅田貨物駅の再開発、JR大阪駅大改造と北ビル建て替えとアクティ大阪の増床などなど、この他にも多数のプロジェクトがある。


このようにたくさん計画がある中、最も人々を驚かせたのが、「梅田阪急ビル」(阪急百貨店うめだ本店)の建て替え。
昭和4年(1929年)世界初のターミナルデパートとして開業以来、私鉄業界をリードしてきた阪急のシンボルであり、周りに大型ビルがなかった戦前から、戦争を乗り越え、超高層ビルが林立する現在まで、堂々と構えながら、大阪の玄関口・梅田の街の変遷を見続けてきた阪急ビルは、梅田の顔そのものだった。
でも、77年間の歴史に幕を閉じることになり、ついに解体用の白い壁に覆われてしまい、解体作業に入ってしまった。

ところが、解体作業に入ったといっても、阪急百貨店は営業中だし、阪急ビルに入ることも可能。なぜかというと、建て替え工事は“営業しながら半分ずつ建て替える”という方法で行われるからだ。
現在、解体工事に取りかかっているのは、建物の南側。
徐々に閉鎖部分が増えていっているみたいだ。
計画によると、まず百貨店南側を来年秋に完成させ、その上に地上41階(26層)の超高層のオフィス棟をつくり、そして、残る百貨店北側は2011年秋の竣工で全部完成しグランドオープンとなるようで、さらに工事中には他にも臨時の売り場スペースを確保するため、営業しながら建て替えが可能なわけ。
こうして2011年には、床面積が2倍、高さ187mのバリアフリーな新梅田阪急ビルに生まれ変わるわけだ。

さて、外壁がほとんど白い壁に覆われてしまった他にも、解体を実感させられることがある。それは、「旧コンコース」と「阪急グランドドーム」が解体工事のために閉鎖され、通行できなくなったことだ。
一直線に伸びる天井が高い「旧ホーム」、ステンドグラスがはめ込まれた「グランドドーム」、アーチ型の天井にシャンデリア、建築家・伊東忠太による獅子や鳳凰の壁画で豪華に飾られた「旧コンコース」は、シンボルとして長年親しまれてきて、映画『ブラックレイン』のロケにも使われていた。

しかし、工事に伴い、旧ホームは天井の高さを利用して臨時売り場のフロアが設けられ、旧コンコースの壁画の取り外しが行われ、そして、ついに旧コンコースとグランドドームが閉鎖されてしまった。閉鎖が近づいてくると、たくさんの人がカメラを向けていた。惜しまれての閉鎖だった。
ただ、取り外された旧コンコースの壁画とシャンデリアは保存されて新ビルで活用される予定があるのが、せめてもの救いだろうか。

旧ビルには思い入れがあるものの、もう解体工事に入っているのだから、くよくよしてはいられない。完成予想イメージを見ながら新ビルを楽しみにすることにした。
また、新・大阪駅、北ヤード、大丸増床、三越開店と相次いで完成するので、そちらも待ち遠しい。
(もがみ)

※新梅田阪急ビルの詳細とイメージは、阪急ニュースリリース「梅田阪急ビル(阪急百貨店うめだ本店)の建て替えについて」(PDFファイル)

ゴリモンな日々(写真提供)