自動販売機でのたばこの購入方法が変わる
たばこ自販機は2008年3月より順次、「成人識別たばこ自動販売機」へと変わる予定。<br>これが「taspo(タスポ)」カード。顔写真も必要となる
来年2008年から自動販売機でのたばこの購入方法が大きく変わる。
たばこを自動販売機で購入する際に、成人かどうかを機械に識別させる専用ICカード「taspo(タスポ)」が必要になるのだ。


この取り組みは未成年者の喫煙防止策として、「社団法人日本たばこ協会(TIOJ)」、「全国たばこ販売協同組合連合会(全協)」、「日本自動販売機工業会(JVMA)」の3団体が主体となって行うもので、全国の自動販売機、約56万5000台に適用される。
そう、来年からはこの「taspo(タスポ)」がなければ、自動販売機でのたばこの購入ができなくなるのだ。
「taspo(タスポ)」は成人のみに発行されるICカードで事前の申し込みが必要。
申し込むには小売店やインターネットのtaspo公式サイトにある用紙に必要事項を記入の上、運転免許証、各種健康保険証、住民票など氏名、住所、生年月日、住所がわかる資料のコピー、顔写真を添えて郵送しなければならない。もちろん、申し込み時点で20歳であることが最低条件なので、誕生日の1週間前から受付なんてことはない。

いや、それにしても顔写真まで必要とはちょっと驚き。

「taspo(タスポ)」について導入のきっかけやそのしくみについて話を聞いてみた。

「現在、たばこの売り上げは自動販売機と対面販売とで半々です。でも、未成年者に限っていうと、自動販売機からたばこを購入する割合も高く、カードでの成人識別を導入することになり、ICカードでの成人識別を決定いたしました」と日本たばこ協会未成年喫煙防止対策室の小沢さん。

「顔写真はシステム的には必要ではないのですが、本人のみがカードを使用、他者へカードを貸さない、といった帰属性を高めるための対策として取り入れました。成人の方にはカード入手などご不便をおかけすることになりますが、これも未成年喫煙の防止のため、とご理解をいただきたいと思っています」

気になる使用法についてもお話を伺った。

「『taspo(タスポ)』では2種類のたばこの買い方が可能です。
『taspo(タスポ)』はプリペイド式になっているので、カードにチャージ(入金)をしておけば電子マネーで購入することもできます。もちろん、カードは成人識別だけに使って、従来通り現金で購入することもできます」と小沢さん。

上述したとおり、現在、たばこの売り上げは自動販売機と対面販売とで半々。
たばこ販売店などで購入する場合は「taspo(タスポ)」は必要ないけれど、ここではきっちり購入者が未成年かどうかの確認がなされていることをお忘れなく。

未成年者喫煙禁止法では、未成年本人の刑事処分はないとされるが、未成年者が自分自身で喫煙することを知りながらたばこや器具を販売した者に、50万円以下の罰金と明記。また未成年者の喫煙を知りつつも制止しなかった親権者やその代わりの監督者は、科料(1000円以上1万円未満)に処せられるとなっている。

未成年の喫煙に関しては周囲の大人の責任は大きいようです。

すべての販売機が「taspo(タスポ)」に対応するのは来年の7月だけれど、「taspo(タスポ)」の申し込みは所定の申込み書を入手次第可能とのこと。

申込み書は主にたばこ販売店などに置かれるが、鹿児島、宮崎、神奈川では今月12月より、その他の全国エリアは2008年2月からとなっている。
尚、taspo.jpからは今月12月より全国でダウンロードが可能。

今後は2008年3月の鹿児島、宮崎での稼働を皮切りに2008年5月から3つに分けられたエリアごとに順次稼働される。エリアと「taspo(タスポ)」開始時期(申込・導入)についてはtaspo公式サイトでぜひ一度事前のご確認を。


自動販売機の成人識別については「taspo(タスポ)」の他に自動販売機の内臓カメラで購入者の顔を撮影し、識別する方法もあるとのことだけれど、このタイプの自動販売機に取り組んでいるのは1社のみ。今後全国で1万台を目指すとのこと。

いずれにしてもたばこは20歳を過ぎてからということをお忘れなく。
そして、未成年喫煙防止は周囲の大人の協力も必要だということもお忘れなく。
(こや)

成人識別ICカード「taspo(タスポ)」公式サイト