たばこの警告表示は財務省が決めている!
「KOOL KINGS」に書かれている警告文のひとつは「人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。」
先日のコネタでPCのきつすぎる警告の話題をお伝えしたが、本日はまたちょっと違った警告の話。

警告をされているのにも関わらず一向にこたえないというものが私にはある。

それはたばこの警告表示。
かつては「健康のため吸いすぎには気をつけましょう」だったものが1990年には「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」に変わり、平成17年7月からはたばこ事業法39条に基づいて、A郡、B郡と2つに分けた8つの文言をそれぞれ2つづつ組み合わせて表示することになっている。以前よりかなりストレートな表現になってはいるものの、ちょっとゆるい気がするのは私の神経が太いせいだろうか。

8つの警告文は
・喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。(A郡)
疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。
(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください)
・喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます。
(A郡)(以下略)
・喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。(A郡)(以下略)
・喫煙は、あなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めます。(A郡)(以下略)

・妊娠中の喫煙は、胎児の発育障害や早産の原因の一つとなります。(B郡)(以下略)
・たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。(B郡)
・人により程度は異なりますが、ニコチンにより喫煙への依存が生じます。
(B郡)
・未成年者の喫煙は、健康に対する悪影響やたばこへの依存をより強めます。周りの人から勧められても決して吸ってはいけません。(B郡)

海外では「喫煙者は早死にする」とか「私たちに毒を浴びせるな」とかかなり強烈。また喫煙が原因と思われる疾患の病巣写真などが載っているので「うへぇ」度は高い。
実は私はたばこをやめたいと思っているのだがこれがなかなか難しい。仕事が進まない、原稿が書けない、といってはついつい1本また1本と吸ってしまうのだ。
「心筋梗塞の危険性を高めます」と言われても「そうだよね、やめないとね、これが最後ね」と吸い続け、再び辞められないことにイライラしてまた吸うという悪循環。他力本願でたばこがやめられるとは思わないけれど、もっと警告表示がきつくなったりしないのか、写真など載せる計画はないのだろうかと思い厚生労働省に問い合わせをしてみた。
「たばこの警告表示など文言を決めているのは厚生労働省ではなく、財務省なのです」とたばこ政策担当官。
えっ、そうなの? これはちょっとびっくり。
「現時点ではたばこは法的には嗜好品です。それが害を有するものでも個人の責任の範疇で吸う吸わないは決められるものだと理解しています。
それと、たばこは財政物質なので予算にも組み込まれるほど貴重な財源ということもあって色々と難しい問題があるのです。厚生労働省が警告文言を決めるときに、選定をまかされたという事実はありません」

ふ〜む。警告文のゆるゆる具合はこのあたりにも原因があるのだろうか。
「厚生労働省がたばこ対策として行っていることは大別すると、受動喫煙対策、知識の普及、未成年者の喫煙防止、やめたい人への禁煙支援の4つです」

最後に財務省に問い合わせをしてみると、「現在のたばこ警告表示は昨年の7月に変わったばかりなので今のところ増やしたり変更したりする予定はありませんよ」と担当部署の方。海外のように写真を載せたりもっと過激な文言になる可能性に関しては状況の変化などで可能性がゼロというわけではないけれど予定はない、とのことだった。

厚生労働省の統計データによると喫煙者の70%もの人が「たばこはやめたいと思っている」という結果が出ているのだそうだ。

(こや)

たばこと健康に関する情報ページ*厚生労働省HP内