「1回目の新司法試験に落ちたとき、弁護士になったM先輩から呼び出され、こう言われました。
『なんで落ちたかわかるか? 必死に、合格のための勉強をしなかったからだよ』
いつもは優しいM先輩の厳しい言葉が心にガツンと響き、涙がぽろぽろこぼれました」

書籍『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた 夢がかなう勉強法』の著者は、現在、弁護士法人アディーレ法律事務所で活躍している篠田恵里香弁護士。
タイトルにもなっている通り、篠田さんは外資系ホテルのサービス業に携わっていて、まったく違う畑から弁護士を目指し、2007年に見事、新司法試験に合格。
「1回目の試験に落ちたのは、無計画でただがむしゃらに勉強していたのが原因でした。『今度の試験に絶対合格する!』と弁護士の先輩方から徹底的に聞き出して、自ら確立していった合格のための勉強法のノウハウを『79の合格のルール』としてまとめたのが本書です」

「9つのステップ」をベースに、試験勉強に取りかかる段階から合格までの道のりを具体的に紹介。1つ目のステップは「はじめに過去問を解いて、試験を知る」こと。
「今の自分はどの段階にいるのか、合格のために何が必要かを知ることによって、そこから戦略をたてることが大事です」

この9つのステップは、新司法試験にかぎらず、すべての資格試験において応用できると篠田さん。
「『これだけの知識を最低限もっていれば受かる』というのが資格試験。
過去問を解いてみると、必ず共通して出てくる問題や傾向を読み取ることができます。そこから逆算してどんな勉強が必要か計画を立てて、合格に直結しない勉強はばっさりと削ぎ落とす勇気が必要です」

試験勉強の大きな難関は、勉強がくじけそうになったとき、誘惑に負けそうなときだと思うのだが、そういったメンタル面での「心がまえ」も具体的にフォローしてくれている。
「お世話になった方たちに合格を報告している自分、受かったときの自分を強く思い描くことが大切です。また、『このような弁護士になってこういった方々のお役に立っている自分』といった将来のビジョンを具体的にどこまでイメージできるのかによって、モチベーションや効率も変わってくると思います」

また、
「YouTubeでお笑い映像を見たり、 チェルシー・バタースカッチ味を食べるという『プチごほうび』と、『試験が終わったら受験仲間と旅行先で初代ガンダム全43話をすべて見尽そう』といった『メガごぼうび』を用意していました」
なんて話も。

ところで、本書の「合格のルール」で「何コレ!?」と思ったのが、「最終兵器 『メクリッコ勉強法』」というもの。「メクリッコ」とは“指サック”のこと。
指サックの中でも、篠田弁護士が長年愛用しているのが「プラス」の「メクリッコ」シリーズのもの。「メクリッコ勉強法」で、「頭の回転を速くする」「勉強のスピードを速める」「ストレスをなくす」の3つの効果を得られると本書。
「ページ数の多い参考書や問題集をめくっている間に、『めくりづらい』『1ページめくりすぎた』と無意識的なストレスを感じることもなく、集中力アップにつながります。めくるスピードだけではなく、頭の回転もよくなって、勉強効率が2倍になりました」

篠田弁護士とメクリッコとの出会いは、大学在学中の病院でのアルバイト時代。大量のカルテ番号などを照合するのに、職場に置いてあった指サックを使ったのがきっかけ。
「病院のバイトが終わってからも、『これって便利かも』と自分で買い始めました。
ページ数の多い書籍を読んだりするときに活用して、新司法試験の勉強中には大活躍しました」

持ち込み可能か試験会場に確認して、本試験でも持っていった! という徹底ぶり。六法全書で条文を探したりといった現在の弁護士業務時でももちろんメクリッコを付けている。取材時も、本書の表紙写真と同様に、親指と人差し指に、しかも両手に装着していた篠田弁護士。もう体の一部となっていた。
「ラメ入りのものや、カラーバリエーションが増えたり、とメクリッコシリーズは私が使い始めた頃からさらに進化を遂げています」
指サックといえば、あの昔ながらのオレンジ色のアイツしか思い浮かばなかったが、プラスの「メクリッコ」シリーズサイトを見ると、篠田弁護士が愛用している指先の空いたリング型、指先を覆ったキャップ型、素材はゴム臭くないシリコン性のものや、ムレ防止の通気穴を採用したタイプのものがあったりと種類が豊富でびっくり。

「プライベートで手紙を書くときはこれ、仕事ではこれ、とメクリッコを使い分けていて、かばんの中に20個くらいを常備しています。
ペンもすべらないで書け、腕や指の負担も軽減されます。あらゆる場面で手放せなくなりました、半分依存症です(笑)」
篠田弁護士のメクリッコへの愛がカタチになり!? 本書15000冊分に「メクリッコ」2コがオマケで付いてくるプラスとのコラボ企画が実現した。

正直、いままで指サックの存在について考えたことがなかった。プラスさんごめんなさい……。
本書でいいなと思ったのは、「試験の1週間前」「前日」「当日」「試験開始5分前」「試験中」までの細かいスパンでのアドバイスやエールが書かれているところ。
「その時々で悩みのレベルが異なります。
私も試験が近づくにつれて、『この段階で何をやっていたらいいのだろう』『これでいいのだろうか』といったネガティブな気持ちが何度も押し寄せてきました。また、くじけそうになったときに、家族や友人、先輩方の応援メッセージに助けられてきました。本書がそんな不安にかられたときの心の支えになってもらえればうれしく思います」

合格から5年後、所属の法律事務所を代表する弁護士のひとりとなり、本書執筆やメディアでの活躍を見ると、篠田弁護士は自らの力、まわりの人たちの協力によって夢をかなえたのだなと窺い知ることができる。

司法試験を受ける人のみならず、資格試験合格を目指してがんばっている人に、本書の勉強法と付属のメクリッコを体感してほしい。
(dskiwt)