先月に引っ越しをしたのだが、その作業が大変ながらも楽しかった。数年前に失くしたと思ったボールペンや眼鏡と再会したり。
小銭も、相当拾いました。
その一方で、悲しき遭遇も。ゴキブリのことである。棚の後ろで綿菓子のようにフワフワしてる埃の中に、硬直した死骸が紛れ込んでいて。なに、この嬉しくない出会いは!

こんな事は、今後なるたけ避けていきたい。だからこそ、活用すべきはこのページだろうか。
気温が上昇するとともに活性化する“ゴキブリ”の活動情報を教えてくれるスペシャルウェブサイト「ゴキブリ天気予報~ゴキてん~」が、ライオンによって運営されているそうなのだ。
その内容は、まさに“ゴキブリ天気予報”の名にふさわしい。日本各地の気象予報(天気、最高最低気温)を知らせてくれるのは当然。その上、同サイトでは各地の「ゴキブリ指数」を教えてくれる。

……っていうか、「ゴキブリ指数」って何? 説明しよう。例えば、最高気温15度以上で最低気温10度以上の日があったとする。
同サイトによると、その地域はゴキブリ指数がレベル1。また、そのエリアには「ゴキブリお目覚め注意報」が発令されることになり、地図上には1匹のゴキブリマークが表示されてしまう。
上記は、あくまでレベル1の地域の話。レベルが上がると、もっと凄い。最高気温20度以上、最低気温15度以上だと、その地域はゴキブリ指数のレベルが2。「ゴキブリ活動注意予報」が発令されてしまっており、地図上にはゴキブリが2匹表示される。
最高気温25度以上、最低気温20度以上の日はゴキブリ指数がレベル3で、その地域には「ゴキブリ活動注意報」が発令中。最高気温30度以上、最低気温25度以上になると、そこはもう「ゴキブリ活動警報」(レベル4)という強烈な状況になっていて……。ちなみにこれらは、文献情報や研究所の知見を総合的に検討し設定された指数だそうです。

また、注目すべきはゴキブリの目撃情報の欄だろうか。(通称「モクゴキ情報」)
「発生した場所、退治したか、逃がしたか、などの情報を投稿していただいております。退治したという情報が多い傾向にあります」(同社・担当者)
このモクゴキ情報の内容を、実際に見てみると……。
なるほど、悲喜こもごもだ。「洗面所で1匹のゴキブリを退治した。スッキリ!」、「キッチンで1匹のゴキブリを逃がした。憎い……」、「リビングで1匹のゴキブリを見つけて自分が逃げた。悔しい!」、「洗面所で1匹のゴキブリを逃がした。怖い……」といった心の叫びたちが、我々の絆を深めてくれる。


そして、報告する相手について。どうやら、頼れるヒーローがいるらしい。その名も「バルサンマン」。害虫から“あなた”を守るためにバルサン星からやってきたバルサン史上最強のヒーローであり、同サイトは「バルサンマン」が害虫のいない平和な生活を取り戻すためゴキブリを模した敵に立ち向かうという設定になっている。
では、報告するとどうなるのか? まず、モクゴキ情報がくん煙タイプの『バルサン』シリーズ殺虫剤に変化する。そして煙が放出される。
その煙でモクゴキ情報が消えていき、スッキリできるコンテンツなどもあるようだ。

では最後に、このサイトを起ち上げたきっかけは?
「生活者はゴキブリに遭遇する頻度が減少したと感じている一方、遭遇したときの恐怖心が増大しています。そこで、ゴキブリに対する備えとして生活者に有益な情報を提供したいと考えたのがきっかけでした」(担当者)
確かに! 我々の恐怖心は凄まじいんです。それを表しているのが、同サイトへの注目度。昨年度の「ゴキてん」、なんと250万PVを達成したそうです。

サイト内には他にも、敵の「チャバネ大佐」といったキャラクター、バルサンマンと敵の戦いをCMにしたムービーなども設けられており、その異様な凝りっぷりには喝采が止まらない。

夏季は、ゴキブリとの遭遇率が跳ね上がる季節。「ゴキてん」を見ながら、戦っていくしかないな……。
(寺西ジャジューカ)