割烹着(かっぽうぎ)といえば、田舎のおばちゃん、おばあちゃんたちのユニホーム的な存在だったが、いまや都会の若者の立派なオシャレアイテムにもなっているらしい。

先日、とある展示会で担当者が着ていた服を見て、思わず「カワイイ!」と声を出してしまった。
よく見れば、なんと割烹着。細部のデザインこそ現代風にアレンジされているが、基本的なシルエットはまさにあのカタチ!

たしかに近ごろのファッション界では、ゆったり着られるビッグシルエットがトレンド。割烹着のざっくり感はそれに通じるところがある。

そんな割烹着に目をつけ、オシャレに生まれ変わらせたのが、久留米絣を使ったアイテムを販売する福岡の老舗、株式会社オカモト商店。以前コネタで紹介した、もんぺをパンツ風にアレンジした「モンパン」も同社のアイテムだ。

なぜ今度は割烹着を? 担当者に話を聞いた。

「ワークウエア的なブラウスを作りたいと思ったんです。家の中やちょっとそこまで、というときはもちろん、街なかでも着やすく、楽なものを作れないかな、と」
久留米絣の小幅(37cm位)を利用できるもので、パターン(型)もあるもの……などアレコレ考えるうち行き着いたのが割烹着だったという。

「久留米絣の小幅をはぎあわせて、直線的な和のパターンでデザインしました。縫製はデニム工場とのコラボで、巻き縫いやチェーンステッチなどはデニムと同じ仕様です」
見返し(背当て)の水玉柄もかわいらしく、後ろのネック下部分にはちょっとひっかけるのに便利なループ紐付き。そんなイマドキの工夫も多い一方で、袖口にはゴムを使用するなど、割烹着らしさもちゃんと残している。流行と伝統のミックスバランスが絶妙なのだ。


オススメの着こなし方は?
「秋冬はレギンスにくしゅくしゅハイソックス、サンダルなどで足元にボリュームを出すとかわいいですね。春は7分のレギンス、レギパン、クロプトパンツなどのボトムに素足で軽くするのがオススメです」
商品は10月より全国各地の雑貨店やアパレルショップなどで販売。価格は1着10,500円(税込)でカラーは4色。

最近は海外でもパジャマのような服をファッショナブルに着こなす「パジャマルック」なんてスタイルも話題になっているし、すでに販売中の同社のモンパンも好評。力が入りすぎないゆるいファッションが好まれる今、「割烹着」が日本発のオシャレアイテムとして世界に知られる日も近いかも!?
(古屋江美子)