執筆:松本 たお(正看護師・新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者)
体脂肪とは「体に蓄積した脂肪」のこと。
体脂肪と聞けば、ダイエットや体重コントロールをしている人にとって「とにかく落としたいもの」というイメージがあるかもしれません。

しかし脂肪は、健康な身体を作るために大切な役割を持っています。
体を動かすエネルギー源であり、体温調節やホルモンの分泌に関与している脂肪。体にある程度は必要だけど、蓄えすぎは肥満となってしまう…
健康的な体を作るため、理想の体脂肪率がいくつなのかまとめてみましょう。

体脂肪率とは
体脂肪率とは、体重の中で体脂肪がどの程度の割合を占めているかという数値です。以下の計算式で求めることが出来ます。
体脂肪率(%)=[体脂肪の重さ(kg)÷体重(kg)]×100
しかし、体脂肪の重さというのは測りにくいため、体脂肪計で測定するのが一般的です。

体脂肪計の値は日内変動があるため、毎日同じ時間帯に測定するのが良いでしょう。起床・食事・運動などの直後は避けるようにしてください。
体脂肪率の値を知り、「痩せ」「標準-(マイナス)」「標準+(プラス)」「軽肥満」「肥満」の5つの区分で分けられた分類のうち、どこに属するのかを調べてみましょう。

理想の体脂肪率
理想の体脂肪率は性別や年齢によって異なります。
男性では18~39歳の場合、10%未満が「痩せ」、11~16%が「標準(-)」、17~21%が「標準(+)」、22~26%が「軽肥満」、27%以上が「肥満」と分類されます。
40~59歳になると、11%未満が「痩せ」、12~17%が「標準(-)」、18~22%が「標準(+)」、23~27%が「軽肥満」、28%以上が「肥満」となります。

女性では18~39歳の場合、20%未満が「痩せ」、21~27%が「標準(-)」、28~34%が「標準(+)」、35~39%が「軽肥満」、40%以上が「肥満」と分類されます。
40~59歳になると、21%未満が「痩せ」、22~28%が「標準(-)」、29~35%が「標準(+)」 、36~40%が「軽肥満」、41%以上が「肥満」となります。
「標準(-)」~「標準(+)」の分類にいることが、理想の体脂肪率と言えるでしょう。
健康的なプロポーションを目指すには
健康的な美しいプロポーションを目指すには、21~22%程度の体脂肪が目安と言われています。
ある程度の脂肪が、女性らしいメリハリのあるスタイルを作るのです。
日本は世界中でも肥満人口の少ない国。
元々痩せにくいという体質もありますが、痩せた体が美しいという価値観を持った若者が多いと言われています。
女性の方が体脂肪の必要な体であり、妊娠出産のための準備や女性ホルモンの影響と言われています。
しかし若いうちの過度なダイエットによってホルモンバランスが乱れ、生理不順を引き起こす女性が増えているのが現状です。
バランスの良い食事や適度な運動など健康的な生活を心がけ、理想的なプロポーションを作っていくのに体脂肪率を目安にしていきましょう!
<執筆者プロフィール>
松本 たお(まつもと たお)
正看護師・新生児蘇生法NCPR専門コース終了認定者   
精神科・産婦人科・助産院での臨床経験を持つ正看護師。現在は育児に奮闘中の2児の母。